数日前に見た夢の内容
巨大な病院の中の診察室。
僕の隣には妻、目の前には医師。
医師は僕に、僕の腹部が非常に困難な病気に罹患したことを告げた。そして医師は、治療のためには腹部をロボットに変える手術を受けなければならないと説明した。
手術を受けることを医師と取り決めて、僕と妻は病院を出た。
外は紙ふぶきのような雪が降っていた。
雪に交じって、白い紙で作られた凧が目の前に飛んできて、僕の手に捕らえられた。
それは、難病の為にこの巨大な病院に長期間入院している女の子が作ったものだった。
凧には彼女のメッセージが書かれていた。
「今日は私の誕生日。私はずっと自分の誕生日がキライだった。だけど、これからは自分の誕生日をお祝いしようと思う」
僕は彼女に会わなければならない、と感じた。
僕と妻は自宅への道を二人で歩いた。
現実世界とは違う、知らない道、知らない街並み、知らない小川が見える通りを、二人で歩いた。
僕は不意に、自分が、手塚治虫の「火の鳥」で登場したかつては人間だったが肉体を捨てて精神だけをロボットに移植した「ロビタ」であると感じた。
「ねえ、すでにロボットである僕に手術なんて必要なんだろうか?」
僕は妻に尋ねた。
妻は少し悲しそうな顔をして、
「お医者さんはお医者さんの、政治家は政治家の言葉で話すわ。パパはパパの言葉で話をしてほしいの」
僕は言葉を失った。
雪はもう止んでいた。
僕らの横を流れているのは知らない小川だった。
僕は彼女に会わなければならないと感じていた。
おわり




