第三話
先生はまだ出ませんww
「ここが校舎だ。しばらくここが生活の場になるぞ」
先生たちに案内されたのは森の中にたたずむ館。かなり大きめできれいであった。この大きさをたったの何人の生徒で使うのか。周りを見るともうひとつの建物があった。
「あれは宿舎だよ、まぁ学校によくある寮だと思ってくれ」
でかいな、おい!?
あの宿舎には先生と生徒両方が住むらしい。宿舎の右側が男性、左側が女性ということになっているらしい。
「それじゃあ荷物を置いて集合だ。武器は持ってこい、訓練用の服がタンスの中に入ってる。それに着替えて来い。わかったな?」
『はい!』
■■■
寮の中はきれいだった。
木製の館で自然ととけこむような感じだった。玄関からT字がたに分かれており、壁に飾ってある案内図を見ると右が男性、左が女性ということである。正面には大きな談話室がある。俺達七人はいったんわかれ地図に案内図に書いてある通りの部屋に行く。
扉を開けると、部屋は広かった。タンスや本棚、机などが置いてあった。それと各志望職にそってその職専門の者が各部屋に置いてあるらしいが。
「これかな?」
手に取ったのは本。暗殺関連の本とトラップ関連の本だった。『誰でも簡単一撃必殺!Let's暗殺!』と『これで足止め・追跡封じも完璧に!誰でも簡単トラップ講座』というポップなタイトルだった。引き出しの中には砥ぎ石などの武器のメンテナンス用品が入っていた。
すぐに荷物を置いて。タンスの中に入っていた訓練服に着替える。ズボンにベルトを通し親父さんからもらったポーチをぶら下げナイフををしまい直剣を腰に差す。
「行くか」
外にはグライン先生とフィーゼロット先生が立っていた。
「おう、お前が一番だぞ」
「はやいですね~」
先生は騎士らしく剣を腰に差して立っているが治癒士であるフィーゼロット先生はのほほんと緊張感がない様子でたっていた。
「フィーゼロット先生はなぜここに?」
「私は万が一のためにここにいるんですよ。それと私のことはフィーでいいですよ」
なるほど、万が一誰かがけがをしたときの為にいるのか。ようするに保健室の先生のような立場か。
「それよりお前暗殺者って言っていたな」
「志望のことですね?ほかの職はあわないと思うので」
「消去法で暗殺者か。毎年あの職をこのんでとる奴はいないからな」
「失礼ですが、試験はなんでしたか?」
「Bランクの魔物討発でした」
「!!」
「なるほどな」
先生たちは何かに気付いたかのような顔をする。
実は試験方法は選択できるのである。
おおまかには、指定した物の制作、調合や魔物との戦闘である。俺は魔物との戦闘を選んだ。どんな魔物と戦うかはくじで決まる。基本的にはCかBランクの依頼をクリアすることである。
「単独でのBランクか」
「たしかBランクの依頼を引く確率って3%以下でしたよね?」
俺の運ってすごいですね。
■■■
「よし全員そろったな!」
全員がそろい一列に並ぶ。
目の前には教師が二人。
「今日の訓練はお前ら個人の戦闘能力を知ることだ」
「え?あの僕創作者志望なんですけども」
「ならそれらしく戦え」
「わ、私は、治癒士なんですけど」
「治癒士は私と一緒にそれっぽいことをしましょうか」
「それじゃあまず聖騎士からだな」
フランクは指をさされ構える。
「よっしゃガツンとこい!」
先生は手を招くようにする。
どうやら一発いれてみると言っているらしい。
フランクは戸惑い何をすればいいのかわからずおろおろしている。
「とりあえず一発カモン!」
「で、でも……」
「遠慮するなよ!!」
先生はへらへらと笑っている。確かに聖騎士だし、防御力では所業の中ではトップだろう。
「いきます!」
フランクは篭手を付け拳を作り、構える。すると魔法が重ねがけするのが見えた。
ん?魔法?
見ると、それは加速と硬化などの魔法、それに加え防具にも硬化などのまほうが入っている。え、それで殴るのか!?その状態で人を殴ると死ぬと思うのだが。
「はぁぁぁあああっ!!」
素早く拳を突き出しグライン先生のお腹に入れる。
そのまま押し、先生を吹き飛ばす。先生はそのままグラウンドの後ろにある木々をなぎ倒しながら飛んでいく。そそてい後ろにある崖に当たる。爆音が響き砂が舞う。
「うわぁ……」
誰かの口からそんなため息がこぼれた。
「しぇしぇしぇ、しぇんしぇえええええええええええええええ!!!!」
治癒士志望の子が大声で叫んだ、ってか泣きそう。となりの先生はまぁまぁみたいな暖かい目で見ているけど先生大丈夫なのか。
「ははははは!いい攻撃だ!」
無事だった。
「すいません」
「いや謝ることなんてねぇよ。次はあれを魔法なしでできるようになるとうれしいがな」
魔法なしでは無理だろ。そんな筋肉バカいるのか。
「お前も将来この程度の攻撃でびくともしないぐらい強くなるから大丈夫だ!」
んなバカな。




