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第一話

なんか唐突に思いついた、このお話。

まさに天からのお告げ!!

見習い特化生。

将来が約束されたものたちのことである。

皆が憧れる騎士と同じくらい人気職であるが、その難しさ故に憧れるだけで終わらす人が多い。年間千人以上もの受験生がいるが二次試験に移るときには50人程しか残らない。最終的に残るのは十人前後である。なぜこれほどまで人が絞られるのか?それは見習いの後の職業が過酷であるからだ。見習いが終わった生徒は限定された職業から選べる。戦魔士、戦治癒士、聖騎士、神官、創作者、断罪者、暗殺者の七つである。前者の五つは比較的平和な職業である。しかし後者、特に暗殺者は世界の闇を見る職業ゆえに志望者がダントツに少ないが、報酬はこの七つの中では倍違う。


「諸君は試験を乗り越えてきた物だな?」

「はい!」


俺は微動だにせず敬礼をする。

ここはルクサリオ、この国の首都である。

今俺がいるのは集合場所である。目の前には大きな城門。城である。

「ついて来い」

門の前で待っている兵士についていく。

一定した間隔を保ちながら歩く。俺が今来ているのは見習いの制服。この服で外を歩くともてはやされるのだが、城内でこの服で歩くと奇怪な目で見られる。

表向きは「すばらしい職業」として通してあるこの見習い特化生。しかし中身を見てみれば黒い暗黒面がある。特に暗殺者はそうだ。

「……君はあの試験を合格したのかい?」

「はい」

「……そうか。君のような若い者でも躊躇わずに、できるのか」

「えぇ。余裕ですよ」

「将来はどうするつもりだい?」

「とりあえず戦闘系の職につこうと思います」

――――暗殺者も考えています。

なんて言ったら余計変な目で見られるだろう。ただでさえ嫌われている職業なのだ。

 歩くほど数分俺は扉の前に連れて行かれた。

「ここが教室だ。まだ時間まで少しある。中で待機しとけとのことだ」

「ありがとうございます」

「いやこれが仕事だからな。それでは、あんたもがんばってくれよ少年」

 そう言って走り去っていく門番兵、いや正確的には違う。門番兵という仮面をかぶった誰かだろう。


 俺は扉を押し中に入った。

 教室は大きな黒板を前にそこから半円状にいすが並んでいる、講義が受けやすいのだろう。かなり広い、そんな中には俺以外の合格者がいた。

 六人、俺を含めて七人か、ということはこれで全員。男二人、女四人、女性が多いな。なんとも不安だがここにいるということは全員何かしらの試験を受けてここに立っているのだろう。

「あんたも合格者か?」

「そうだ」

「なるほどねぇ」

 俺の前にやってきたのは男性、ちょっとフランクな感じだな。

「戦闘職かい?俺もそうなんだよ、よろしく」

「そうか、というかどうやって見抜いたんだよ」

「見抜くも何も、経験者だろお前」

「……正解だよ」

 男性はやっぱりと言った顔をする。

 確かに俺は戦闘を幾度と泣く経験したことがある。小さな動物を狩ることや、魔物と命を懸けて戦ったこともある。

「雰囲気が俺の親父と似ていたんだよ」

「というと君のお父さんもここの卒業生?」

「いや普通の騎士だよ。そういや名乗り忘れていたな、フランチェスコ・パブリーニだ。よろしく」

「俺はリュウィル・スウェーンだ。リュウって前は呼ばれていた」

「なら俺のことはフランクと呼んでくれよ」

 フランクだけにフランクってか?

……くだらなかったな、失礼。

「実はいうとな、他のやつとは話しづらくてな、もう一人の男子とは話したんだがな」

 そう言うとフランクは一番前の席に座っている男の子に手を振った、それに気づいたその子はこちらに向かって手を振ってくれた。

「俺実は一番目にここに来たんだよ、いやもうワクワクしちゃってな!!」

「はは。そうだな」

 これは一番初めに脱落するタイプかな?

 ちょっと楽観視しすぎている、というか浮ついている。




■■■




 その後俺とフランクは二、三分ほど話した。

 すると黒板の右にあるドアが開いた。

 俺たちはそれに気づき起立し手を真横にそろえ動かないようにする。

 ぞろぞろと先生が出てくる、計七人。各部門の教師か。

 七人が一列に並び真ん中にいる髪がぼさぼさな騎士の格好をした男性が一歩前に出てくる。不揃いな紙に髭、一見だらしない様に見えるがこの感じ、歴戦の猛者といった感じである。

「諸君らが今年の合格者で間違いないな?」

『はい!』

 声を揃えて言う。ってか隣にいるフランクの声がでかい、目もキラキラしているし。

 まぁわからないわけでもない。

「俺は聖騎士のグライン・ウィーバーだ。よろしく」

 グライン・ウィーバー、現在ルクサリオにいる騎士の中で最強にして最堅の騎士、彼がいるパーティーでは死者が出ないという。なぜなら彼がすべての攻撃を受けているからである。剣を腰から吊ってあるが、業物だろう。

「私は戦魔士のツイン・マギアという」

「戦治癒士のフィーゼロットと申します。気軽にフィーと呼んでくださいね」

「神官のメイリアと言います、よろしくお願いします」

「創作者のエドワード・プランです。物づくりなら僕に任せてください」

「断罪者……リンクだ」

 そして――――

「暗殺者のリズ・サイスだ、よろしく」

 きれな銀髪を後ろで結び漂う姉御臭、黒いコートに白いスカート。ときどき風が吹き込みコートやスカートが揺れるが、武器がちらほらと見える。

 一瞬こちらを見たような気がしたが、気のせいか。

「これで全員だ、次は諸君らの番だ。名前と希望役職を言ってくれ」

「はい!フランチェスコ・パブリーニと申します。聖騎士志望です!」

「私はリーナ・ブランデュアと申します、戦魔士志望です」

「ブルーム・クルーナ、です。ききき希望は戦治癒士でしゅ」

「レイン・ラタトルクと申します。志望は創作者です」

「フィアリスです。志望は未定です」

「うむ。まだ決めていなくてもいいぞ。時間はたっぷりあるのだからな」

 残すとこ俺一人、先に手を上げておけばよかったな。

「そして君は?」

 そんな目でみるな、皆も俺のほうを見なくてもいいから。






「俺はリュウィル・スウェーンです。役職は未定で戦闘系は決まっているのですが、

―――――――――とりあえず暗殺者目指してみたいと思います」








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