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プロローグ

「良いかヒイロよ! この超大国ヒノクニでは上位たった五パーセントの人間が国の総資産の七十パーセントを独占しておるのだ! 対する国民の失業率は三十パーセントを超えておる! これが何を意味するかお主は理解しておるか?」

 元魔王、ミリシアが告げる言葉に元勇者であるヒイロはその絶望的な数値に思わず生唾を飲む。

「労働者は、わずか五パーセントの富裕層のために奉仕しているということか」

「それどころではない! つまりこの国に住む二級、三級市民を足した九五パーセントの人間が享受すべき金銭をたった五パーセントの一級市民が理不尽に独占している事を意味するのじゃ! そしてこの国の統治者はこの金持ちばかりが得をする仕組みを作っておるのはお主も承知しておろう!」

 そうだ、近頃のニュースでも富裕層を優遇する法律が制定されているのをみると、大多数の貧民と少数の金持ち、国の関心がどちらに向いてるかなどヒイロですら想像がつく。

「だが、そんな事実を知ったところで俺にはどうしようもない話だ……こちらの世界での俺は勇者でもなんでもない、ただの失業者だからな」

「そうじゃないとすればどうする?」

「お前は知っているのか、どうすれば理不尽なこの国の現状を変えられるのか」

「これこれ、余が先ほど提案したじゃろうに。もう忘れたのかえ?」

 もったいぶるように溜めて、彼女は告げた。


「勇者ヒイロ・ヨリシロンよ、余と共に銀行強盗をするぞ」

「は?」


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