土獏のダンジョン②
ヤヒス達は地図に示されたダンジョンの位置からそう遠くない場所に腰を下ろしていた。
「あっチヌックが帰って来た」
「我が主、ただいま戻りました」
「それでどうだったの」
「一組のパーティーがダンジョンからほうほうの体と言った様子で出てきました、装備の様子は中程度の物です、そのパーティーが出ると同時に控えていたパーティーダンジョンに潜っていきました」
「なるほど、何組かダンジョンに入ったら他のパーティーは外で待つような塩梅なのね」
「その通りだ盟友」
ヴィーシャがチヌックの話しに答え、チヌックは端的にそうだと答えた。
「だとしたら俺たちもあの岩棚に座して待つと言う具合にした方が良さそうだねぇ」
「うん、移動して食事にしよう」
マサカツの提案にヤヒスが賛同すると、チヌックはグリフォンの形態に戻り、全員がその背に乗り込むと岩棚まで飛翔していった。
岩棚に降りると比較的大き目の入り口が穴をあけていた、これがダンジョンの入り口なのだろう。
「さぁさ、ご飯にしよう」
「はーやっとメシだわい」
ヤヒスとフィスは二人で食事を敷布に置いた盆の上に並べだした。
「今日は久々に白いパンだよ、ダンジョンに潜る時は栄養価の高いライ麦パンが良いんだけど白パンにしてみた、それとチーズ、にゆでたバレーシ芋、こんなもので悪いけど食べてよ」
「問題ない」
「うむ、以前のプルツで出た食事よりずいぶんマシだ」
パムとリャヒは揃って食事に不満は無い旨を伝えてきた。
「ん、この芋は冷めてもうまいねぇ」
「そうなんだよ、バレーシ芋は冷めてもうまいし保存も効く、北方の名物なんだ」
マサカツは芋を豪快に咀嚼しながらヤヒスに話しかけ、ヤヒスは嬉しそうにそれに答えている。
「どうもクエストの時はライ麦パンと相場が決まっておったから、白パンは違和感を感じるのう、ワシはライ麦パンの方が好きだわ」
「確かに違和感があるわね、でも私はどっちも好きよ」
フィスは食べなれたライ麦パンの方が馴染むと言うようなことを言い、ヴィーシャは食事に対してなにも文句がないと言うような態度だった。
暫くして全員岩棚に寝ころび、昼寝をはじめた。
「うぉっ!!なんだ?入り口で倒れているぞ!!」
ダンジョンから出てきた冒険者が驚きの声を発した」
「ん~~案ずるな、心配はありがたいが昼寝をしておっただけだわ」
フィスはそう言って目を覚まし黄昏パーティー一行は次々に起き上がった。
「そ、そうか・・・しかしこんな場所で寝るとは豪胆だな、何か起きたらどうするんだ?」
「見張りがいるんだ」
ヤヒスが腕を出すとチヌックがそこに着地した。
「何か異常があれば彼が教えてくれるよ」
「ふぅ~~~ん面白いパーティーだな」
「ところで様子はどうだったの?」
「行程は中程度の難しさだ、ここで体力を持って行かれる、そして途中にキメラがいる、これがまぁとんでも無くてな、手に負えなくてよろよろ逃げてきたってわけよ、はははは」
「なるほどキメラね、ありがとう」
「なぁに冒険者は秘密もあるがもちつもたれつだ、それにこのくらいの話しはソヴィレバーレではもう話題に上っているよ、そんじゃなぁ」
ヴィーシャは他の冒険者と会話して情報を得るとメンバーに言った。
「ま、なんとかなるでしょ」
それに対してメンバーは全員頷いた。




