ジャパン高級温泉旅行①
「温泉~~温泉~~たっのしみだなぁ~~」
ヴィーシャはチヌックの背で歌を歌っている、よほど楽しみなのだろう。
「うん、俺も楽しみだよ、ドルガンとはまた違った泉質らしいから興味があるね」
マサカツも笑顔でヴィーシャの呼吸に合わせている。
「高級温泉とはいかな具合であるか気になるな、まぁ我が領地よりよほどにぎやかで楽しい所なのであろうな」
リャヒは顎に手をあてて考えている。
「のう、リャヒよ、お前の領地では温泉が湧かんのか?そうすれば冒険者も行商人もより多くが来るであろうぞ」
フィスはリャヒをつついて話をすすめた。
「うーーーん・・・」
その言葉を聞いてマサカツは髪をたくし上げて考え込んだかと思うとリャヒに対して話しかけた
「俺の国では掘れば大抵温泉が湧くような土地だったんだ、それは国全体が多くの火山で出来ているので、その熱と鉱物で温泉が湧きだしているんだが・・・」
「え?プルツ国では近くに火山があるし、様々な鉱物が出土するじゃない?それこそ温泉が湧くのに最適な環境なんじゃないの?」
ヤヒスがそう言うと、全員がざわざわと何事か話し合い始めた。
「結論的にはプルツ国で温泉が出る可能性が高い、ジャパンから戻ったらすぐに調査をするべき」
パムがそう言って話をまとめた。
「とにかく今は目の前にある温泉旅館ですね、ジャパンの食事はおいしいので楽しみですね」
ミードルの言葉にまた全員がざわついて、高級温泉旅館がどのようなものか楽し気に話し合っている。
その内にジャパンが見えてきたのでチヌックを地上に降ろし、一行は街道を歩いて行った。
「うっ、寒いわね・・・上着を持ってくればよかったわ」
「うん、俺も寒い、風が冷たいんだ」
ヴィーシャとヤヒスは寒さのことで話していたが、他の者も寒いと言いだしていたところに、マサカツが話し出した。
「これは海風だね、海上の冷たい空気がここまで登ってきているから寒いんだろうね、だけど少々寒い位が温泉には最適だと思うけれど・・・」
やがてジャパンの街並みに入ると夕暮れに入る前のにぎやかさが伝わって来た。
「えーと・・・ここの角を曲がってすぐだ」
「何と言う名前の宿なのであるか?」
ヤヒスが地図を頼りに宿を探しているがなかなか見つからず、リャヒは少し心配そうな顔をした。
「望洋郭ですね、それにしても変わった名前ですね、ジャパン的と言うのでしょうか・・・」
「うん、そうだね、ジャパンの文字には一文字で多くの意味が込められているんだ、この場合遠くや広い所を見られると言う意味と海とか大海と言う意味、それと一つの囲いと言う意味が込められているね、少し大げさな気もするけど・・・」
マサカツは空中に文字をかきながら喋った。
「しかしこの辺りだけど塀が広がるばかりでそれらしき建物は見えないな、ああ、あそこのおっちゃんに聞いてみよう」
「おっちゃん、望洋郭って宿の場所わかるかな?」
「おお、ははは、あそこを知らんとは他所の国から来たんだな、ほれ、アンタらの後ろの塀が望洋郭さ」
男が指さす方向を見ると塀が長く続いているだけであった。
「もー、おじさんからかわないでよ、あの塀はさっきからずーっと続いているわよ」
「はっはは、わりぃわりぃ、信じられないかもしれんがあの塀の続く敷地が全部望洋郭なのさ、あそこに見える門が見えるだろ?あれが入口さ」
「すごいです・・・壁から離れて見ると三階建てなのが分かります・・・しかも洒落た飾りや彫り物が控えめにあしらわれていますね」
黄昏パーティー一行は全員あっけに取られていた。




