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腕相撲大会⑤

「おもしれぇ、おもしれぇなぁよぅ、ヤヒスんとこのメンバーだからただもんじゃないとは分かっていたがこういうことがあるからこの巷はおもしれぇ」

イエールはニカッと笑って机に肘をつき、フィスはそれに合わせた。


「双方準備はいいか!!レディーーーゴ!!」

イエールは恐ろしい瞬発力でフィスの腕を一気に押し込んだが、ほんの指一本ほどのスキマを開けてフィスがとどまった。

「すごい・・・イエールは瞬発力もレベルが高いんだ、この腕相撲は瞬発力も大いにモノを言うんだ、スタートコールで相手が油断している状態から一気に押し込む」

「ふむ、フィスは本当に瞬発力に持って行かれたように見えるか?」

「最初の出だしはイエールが押したと思う、だけどその後勝負を面白くするためにあそこまでで止めた」

マサカツとリャヒが会話している横でパムがつぶやいている。


この流れに観客は爆発的に熱狂し両者のコールで沸き返っている。

フィスはそこから一気に真ん中まで腕を戻し、そこで膠着状態になったように見せた。

その後フィスは一気に腕を畳みかけイエールの手をじわじわとねじ込み、最終的にバシリと机に叩きつけた。

「勝者フィス!!」

勝者としてフィスの名前が呼び上げられ彼女は右手を上げた、その手にイエールが拳を寄せてつぶやいた。

「今度は本気でやりたいもんだな」

「む・・・ハァ見抜いておったか」

二人は会話してニヤリと笑みを合わせた。


イエールはそのままフィスを肩車して叫んでいる。

「フィース!!フィース!!フィース!!」

観客もそれに合わせてコールしている。


そこから表彰式に入り、商工会会長がフィスの名前叫び、彼女の手を高く掲げると喝さいが沸き起こった。

商工会会長はそこから何事か〆の挨拶に入り、今回は大波乱の大会で、観客も大いに満足してくれたと思うと言うような話を身振り手振りで興奮気味に話し最後はしめやかにしめくくった。


「マースターーー!!」

フィスが笑顔で走り寄ってきてヤヒスに抱き着いた。

「おっとと・・・良くやってくれたね」

ヤヒスはフィスの頭を撫でて満足そうな表情をして、フィスを街路に降ろした。


「おい、黄昏の!!ぜひそのチビと握手させてくれ!!」

「チビでないわ!!」

となりにいた男がそう言うとフィスはむくれっ面をした後男と握手をした。

「へへ、この大会の優勝者と握手すると良いことがあるって習わしでね」

「おい、俺もだ」

「こっちもだ」

フィスの周囲にむくつけき男たちが群がりだした。

「なるほど、げん担ぎと言うわけか」人の輪から離れた場所にいたマサカツは独り言をもらした」


「フィスちゃん!!私も!!」

「私も握手して!!」

「私達思ったの、この大会は男が参加するものだって暗黙の了解があったけど女でも男を叩き伏せられるって、ねぇビアンカ?」

女性たちがフィスに群がりだした中でひときわ体躯の大きい筋肉質の女性が前に出てきた。


「アンタはアタシよりも身体がずいぶんと小さい、それでも優勝した、今までは女が出るのははしたないことことだと考えられていたんだ、だが今日それが変わった、次回はアタシが男どもをねじ伏せてやるよ!!」

「うん、良いことだな、すごく良いことだ、男女なぞ関係無いわい」

フィスはニカッと笑い周囲の女性たちも朗らかに笑った。

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