第63話
「なっ……なんの、これしきぃ……。」
「グッ……。」
「何と! 100万ボルトを止めたかや!」
よく見れば、『ウナギ』に変じたポロポが、雷雲の様に放電し『ヘレン先生』を攻撃していた。が、それも、圧縮した空気の壁に、阻まれていた。
「……ああ、あれって、『電気ウナギ』だったの。」
「よって、『鰻』ではない。『ウナギ』だ。前者は、『ウナギ目』だが、後者は、『デンキウナギ目』になるからな。と言っても、これらの分類が、変更になる日も、ありえるがな。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「そうだ。ちなみに、『天然物』は、数100ボルトに過ぎない。しかも、デンキウナギ自身も感電している。だから、全て大幅に、『強化』しているのだろう。」
「ならば、こうぢゃ! 『プラズマブレード』!」
手にした輝く刃を有する『剣の柄』を、突き込むゾフィー。切っ先が、触れた直後、絶叫を上げると、ようやく、意識を失い、倒れ伏す『ヘレン先生』だった。
* * *
話は、少し遡る。
「やはり、正解だったな。『原子力潜水艦』は、乗り心地、速度、隠密性、全て申し分無い。まさか、サン=フランシスコから晴海埠頭まで、9時間で到着可能だと、誰が想像できるか。」
「噴! ロートシルト家には、リチウムイオン電池式潜水艦が、あるわ! そうぢゃ、2人きりで、クルージングと洒落込もうぞ。『救世主』様。」
「ちょっと、9時間の快適な旅を提供したのは、私よ! 『救世主』様。」
「よし、よくやったぞ。みぃちゃん。」
「態度で示して下さいまし。『救世主』様。」
幼馴染の頭を撫でてやるサマノだった。
「……私ノ出番ハ、陸上ダケデス。……」
「全員急ぐぞ、ロートシルト家の送迎車輛を待たせてある。それと、忘れ物に注意しなさい。」
「ええ♪『救世主』様。」
「承知。『救世主』様。」
「ハイ。『救世主』様。」
* * *
明日00:00公開
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