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密室トリックは暴かれたのか?

 

   密室トリックは暴かれたのか?

   

 尾崎凌駕の密室トリック解明は成功したようにも思える。しかし――

 やはり、まだ、おかしなところもあるようだ。

 

 尾崎諒馬と坂東善、二人のミステリー作家がブリキの花嫁=尾崎勝男を追いかけ、勝男は離れに飛び込む。

 坂東善は母屋に戻り、尾崎諒馬は離れの裏に回る。この時離れの玄関前に誰もいなくなり、殺し屋が離れの中を伺うが、この時まだ勝男は生きていて床にウェディングドレスを広げている。

 母屋から戻った坂東善は離れ裏の尾崎諒馬を呼び戻し、離れの玄関の扉を開け、ウェディングドレスの上の勝男の生首と奥のベッド上に遺体の下半身を発見する。

 尾崎凌駕が暴いた密室トリックによればこの生首は床下に座った勝男が床の穴から顔を出していて、まだ勝男は生きている。奥のベッドの遺体は人体模型だ。

 ドアチェーンに阻まれて中には入れないので坂東善は母屋に戻り二階で良美ちゃんが首を切られて死んでいるのを発見する。

 尾崎諒馬も母屋に戻り――

 そうだ、この時に離れの玄関前が無人になっている。

 そして殺し屋は――

 

 この後のことはまだ書くことはできない。書いたらミステリーでなくなる。それで少し時間を飛ばす。

 

 とか書いているが、飛ばされて書かれていない時間帯――長くても十分くらいかと思う――に勝男は床下から這い出て、ドアチェーンを外して殺し屋を迎え入れる。

 そして……

 勝男が……

 首を撥ねられて殺され……

 殺し屋は離れの外に出る?

 いや、そうであれば、密室ではなくなるので、尾崎諒馬が母屋から帰ってきて、ナタで離れの玄関のドアチェーンを破壊することはできない。

 密室を維持するには、殺し屋はドアチェーンを施錠しそのまま離れの中に隠れているべきだ!

 床下に隠れるのが自然じゃないだろうか?

 

 第五部 しばらく経った頃、外にいた 

 

 で、殺し屋は外にいて尾崎諒馬がドアチェーンを破壊するのを見ているが、実際は犯行後、離れの中の床下に隠れていたのではないだろうか? 

 その後、坂東善が生首をゴミ袋に入れて母屋に戻り、気絶していた尾崎諒馬もふらふらと母屋に戻っている。

 その隙に殺し屋が離れの中を確認し、二人の気配でベッド下に隠れた、とか書かれているが、実際にはずっと離れの床下に隠れていて……

 そうであれば、尾崎凌駕の暴いた密室トリックは成立する!

 そのためには……

 

 私がこの手で……

 

 小説家になろうに連載しているこの「殺人事件ライラック~」だが、公開後も改稿することはできる!

 

 だから……

 

 第五部 しばらく経った頃、外にいた

 

 を改稿すれば……

 

 いや! 流石にそれは酷い……

 

 ここまで読んできてくれた読者に申し訳ない……

 

 しかし……

 

 かの江戸川乱歩でさえ、連載中の作品の解決編が書けずに放棄したことがあるはずだ!(調べたら幽霊の塔とか)

 私の場合は放棄ではない!

 ただ改稿するだけだ!

 尾崎凌駕が解明した密室トリックの解明が矛盾ないように改稿するだけだ!

 

 初出原稿から改稿して改めて上梓された作品はいくらでもあるだろう。

 実際に漫画の世界ではワンパ……

 いや……

 

 よく考えたら……

 私は作者ではない……

 

 とにかく改稿はできない!

 となれば……

 

 尾崎凌駕はヒントを与えているはずだ!

 

 そうか!

 

 やはり殺し屋は二人いたのかもしれない!

 

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