安らぎの明かり
面会時間になり、俺と先輩は病室を開けると、篠田さんは楽しそうに外を眺めていた。
こっちを向いて俺と先輩を見ると、嬉しそうに微笑んでくれた。
2人で現れると気まずくさせてしまうかとも思ったけれど、篠田さんの反応は逆ですごく嬉しかった。
「篠田さん、体、大丈夫なんですか?」
「うん、なんともないみたい。これだってただの検査入院だしね」
篠田さんはそう笑うと大きく伸びをしてそれよりここ退屈なの、幸太君なんか適当にゲーム見繕って明日もってきてよと言った。
そして「先輩、話しがあるんです」と言うと自分のこぶしをもう片方で包むように両手を握った。
「いや、言わなくてもいいよ。わかってる。悪かったのはおれだ。おれはお前の様子を見れれば十分だから、すぐ出ていくよ」
白浜と幸せになと言って病室を出た時の先輩の背中は少しかっこよく見えた。
先輩が出ていくとその間を埋めるようすぐにそういうわけだからと言って、篠田さんは俺の手を持ち上げた。
「よろしくね、幸太くん」
「こっちこそよろしくお願いします」
「うーん?なんか硬いよ。彼氏彼女になったんだから敬語抜きにしよ」
「はい。あ、えーとわかったよ篠田さん」
「その篠田さんってのもダメ。名前で呼んで」
「え、それは俺のタイミングでいかせてよ」
「枚方君は最初から呼んでくれたけどなー」
「先輩は……くっ…明香理……さん」
「んー、まあいいでしょう」
及第点だねと言って彼女は笑った。それはとても可愛らしくて俺はそれからずっとドキドキさせられっぱなしだった。
彼女が笑うと、今までにあった不安が明るく照らされた気がした。




