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温かい明かり  作者: 松田
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診察待ちの椅子

その日すぐに俺は先輩に電話をかけ、報道のことを伝えると、先輩はなんとかして家族と連絡をとって篠田さんが運ばれた病院を聞き出した。

すぐにそれを先輩に教えてもらい病院へ向かうと治療室の前で先輩がうなだれていた。

先輩の隣に座り篠田さんの手術が終わるのを待っているが、いつ終わるのか知らされていないとそれがまるで地獄のように長く、無限の中に閉じ込められてしまったかのように感じた。

いつまでも待ち続け、ようやく手術が終わると医者が出てきた。「彼女の心配はいりません。先ほど意識を取り戻しました。後遺症の心配も大丈夫です」と告げるとにこりと微笑んだ。

俺は医者の一言を聞いて、重い荷物をおろした時のようなスッキリとした気持ちになった。

「篠田さんには会えるんですか?」

「ええ、明日になれば会えますよ」

医者は一通り今までの経緯を俺たちに話してくれた。

彼女は事故があった直後救急車で運ばれたがショックを受けて唇が真っ白になっていたこと以外なんともなく、意識もはっきりしていてすぐに帰れるだろうと判断されていたが病院で検査を済まし、念のため何時間かの簡単な点滴を打った。それが終わり診察室で最後の診断をしている途中、彼女は突然倒れそのまま心肺停止になり何時間か死中をさまよったのだという。

また同じことがあるといけないから念のため1週間だけ彼女には入院してもらうことになったと医者が言い終わる頃には、さっき部屋で煽ったアルコールが今更効いてきたのか俺は途端に眠くなってしまった。

それは先輩も同じようで、2人して帰る気力がない事を告げると、診察待ちの椅子でなら泊まってもいいと言われたのでそうすることにした。

「悔しいな」

椅子にもたれた瞬間、先輩はそう漏らした。

「なにがですか?」

「さっきまでおれは勝ったと思ってたのにさ、あのファミレスの近くでひかれたって事は明香理、もうそこまで来てたってことだろ?」

ようするにお前の勝ちじゃんと言うとお休みと言って先輩は眠った。

先輩に言われるまで気がつかなかったけれど、そうかと思うとなんだか少し嬉しくなった。

ビールを煽り過ぎたか、眠気が頭痛を誘いはじめたので俺もおやすみなさいと言って眠った。

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