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007 おっさんと武器

007 おっさんと武器


「ほう、これは面白いな」


おっさんが作った竹刀は、日本の一般的な竹刀ではない。

竹ひごをまとめて袋で包んだものである。

原初の竹刀は割った竹を皮袋に入れて作ったというが、これは竹ひご。

つまり、普通の竹刀より柔らかい。


……はずなのだが、


「いっでええっ」


痛い。


「こいつなら怪我しなくて済むな。これはいい」


とか言いながら、兵士にビシバシ叩かれる。

おっさんはなんとか合わせようとしているが、10回の内2、3回しか受け止められない。

残りは全部肉体で受ける事になる。

皮鎧の上からでも痛い。


「ほれ、ほれ、どうだ!」


新しいおもちゃを手に入れた兵士は、それで存分に楽しむつもりらしい。





おっさんは今日も生徒のお世話になった。

金髪碧眼で、ウエーブの掛かったミドルヘア。そばかすが少しあって、とてもても可愛らしい感じの女生徒。

こんなおっさんの治療なんぞしてくれて、いい子やで。


ただ治療してくれただけの事で、彼女を女神の様にあがめてしまうのが、今のおっさんの精神状態です。






「槍と……籠手だな」


とは兵士の言葉。


「理由を聞いてもよろしいでしょうか?」


「まず、槍は必須だ。剣を使える様になるには時間がかかるからな。

それと、籠手、あと脛当てもあれば良いな。

お前は相手に組み付けばそれなりにできる。

突っ込む時は籠手を装備した腕で頭を抱えろ。致命傷を避けられる」


という事らしい、だが、おっさんには分からないことがあった。


「槍を持ったまま頭を抱えて突っ込むのは難しいと思うのですが……」


「ん? いや、籠手と脛当ては対人戦もそうだが、防具でもある。基本は槍で戦え」


「槍もそんなにうまくはないんですが……」


「…… ああ、そうか。勘違いをしていた。

もし人間が相手で、相手が武器を持っていたら逃げろ。槍でも剣でもだ。

槍同士でも相手が剣でもお前は勝てん。

相手が素手なら組み付け。転がしたら逃げろ。

槍を使うのは、モンスターと、そして選考会だ」


「選考会?」


「なんだ? 聞いてないのか?」


よくわからない会話の末に、本当に分からない話が出てきた。





「そうよ。契りの10日間が終わったら、選考会があるわ」


フェリ様に教えてもらった。


いわゆる、召喚獣同士の戦いがあるらしい。

トーナメントで優勝を決めるとかではなく、ランダムな組み合わせで一対一の戦いが行われるらしい。

勝ち負けよりも、主人がどれだけうまく召喚獣を使えるかが重要で、これは学園職員や生徒のみならず、外から観客が来る。

披露目会の様なものだ。


選考会、という名の通り、優秀な兵士、婿、嫁などの選考も兼ねているらしい。


「ま、私は青だし。婿を選ぶ方だから関係無いわ」


貴族は色で階級が分けられているらしい。

下から、緑、白、青。

なんでも、草木、山と雲、空、という区分けらしい。

農民が怒りそうな階級分けだ。

なお、海はない。

空の階級であるフェリ様の家の上には王家ぐらいしかない。

王家の色は赤紫。世の始まりから終わりまでという意味らしい。


つまりフェリ様はモノホンのお嬢様である。




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