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013最終話 おっさんと召喚獣

013 おっさんと召喚獣


選考会が終わった。

フェリ様の評価は特に上がらなかった。

そらそうよ。

勝ったけど、召喚されたのオッサンだもの。


ただ、そこそこ使えるおっさんを召喚したとは思ってもらえたらしい。

訓練すれば、それこそ護衛として一生仕える事ができるだろうと。


「って、言われたのだけど…… オッサン、レベルアップもう少し試してみる?」


おっさんがこれ以上強くならないのを知る人は少ない。



けれど、良いことがあった。


野外訓練。

つまり、増えたモンスターの駆除が始まった。


おっさんは森の中を駆け、矢を放った。クロスボウだ。

おっさんでも結構使える。


ゴブリン三匹のうち、一匹の胸にドスンと矢が突き刺さり即死。

そして残りの二匹がオッサンをロックオン、距離を詰めるべく突っ込んできた。

しかし、左の一匹はどこからともなく飛んできた魔法の光で体を半分個削ぎ取られ、もう片方は地中から飛び出したモグラにがっつり噛み付かれて腹を裂かれた。


「これじゃ主人いらないわね」


とは、おっさんを守るために付いてきたフェリ様の言葉。

おっさんに主人がいらないわけじゃない。


美女のご主人様はおっさんの宝です。


ならばどういうことかと言うと、


「フェリ様」


おっさんは手をかざしてフェリ様の前に立ちふさがった。

草むらの向こうにオークがいるのだ。

ここから距離50mというところか。


そのオークには横からドラゴンが飛びかかった。

尻尾で叩かれ、ザブザブと噛み付かれ、オークはあっという間に殺された。


おっさんは、どういうわけか召喚獣達と感覚を共有できる能力があった。

おっさんはただのおっさんだが、オッサンが見たもの

聞いたものを、召喚獣達が認識できるのだ。


選考会でドラゴンが立ち上がれなかったのもどうやらパニックのせいだったらしい。

おっさんがっかり。


おっさんが見たゴブリンの位置を、見ていない召喚獣が認識できる。

おっさんが発見したオークの位置をその辺にいた召喚獣が認識できる。

逆もまたしかり。


召喚獣を展開すると、死角が無いネットワークが作れる。

姿が視認できない距離から飛んできた魔法攻撃がモンスターに当たる。

風上いるはずの召喚獣が突然モンスターを襲う。

土中の召喚獣が、特に振動を出しているわけでもないモンスターに食らいつく。


「不思議よね。魔力が無いのに。なんでかしら?」


「おっさんは動物と心を通わせる事ができるんですよ」


「そういえば、お父様も召喚獣じゃないただの馬と意思疎通ができていたみたいだし。オッサンってそういうものなのかしら?」


オラついてないオッサンは、人間との距離も測るけど、動物との距離も測る。

やたらと可愛がる人たちよりも、なぜか動物に好かれるのだ。


多分そういうことじゃないと思うけど。



「オッサン、今念話が入ったわ。今度は東に移動よ」


「はい」


おっさんは美女に従うのに喜びを感じます。


おっさんになって、性欲とか恋愛感情とか野望とか希望とか、激しい感情はほぼ枯れてしまったけれど、この気持ちは大切にしていこうと思う。


おっさんは、フェリ様をこれから先も支えていこうと思いました。










ーーーーーーーーーー



という感じでおしまいです。




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