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タワゴト  作者: 星野星華
8/10

結婚生活

そういえば、結婚していたことがある。

離婚してずいぶん経つので、自分が結婚していたことも、離婚したことも、生活していて意識することは、まず、ない。

別れたダンナさんは、私を怒鳴るのが趣味だった。

私が歩くのが遅いと怒鳴り、お風呂が長いと怒鳴り、夫婦生活…性活を拒むと怒鳴った。

私は彼に洗脳されていたのかもしれない。と、今になると思うのだが、その当時は自分を責めていた。

誰かに依存しないと生きられない私。何が悪くて怒鳴られているのかわからなくても、こんなに怒っているのだから私が悪いのだと思っていた。

どんなに理不尽だと感じても、ただのワガママだと思っても、自分が悪いと思おうとした。

私には何もできないから、彼がいないと生きていけないから、自分が悪いと思い込んでいる方が楽だったのだ。

言うことを聞いて、ご機嫌を伺って、心から笑ったことなんてあったのかわからない。四年間、ずっと。


四年間ずっと我慢した。その蓄積されたストレスが、彼の暴力で爆発した。

些細なことだった。私がよろめいて、彼の足を踏んでしまった。もちろんすぐに謝った。しかし虫の居所が悪かったのか、近くにあったティッシュの箱をつかんで私の頭の上から思いっきり降り下ろした。

箱の角で、頬に引っ掻き傷ができた。血が滲んだ。

暴力、というには大げさかもしれない。でも止められなかった。悔しいのか、悲しいのか、涙が出てきた。泣きながら荷物をまとめた。彼が怒鳴っている。「何してるんだ」「行く場所なんかないだろう」無視して荷物をまとめた。そのまま出ていった。

タクシーで実家に帰り、両親に全てを話した。

母親に間にはいってもらい、離婚届に判をもらうことができた。すぐに提出に行った。


彼に依存していた私の弱い心が憎かった。

彼に従い、ご機嫌を伺っていた日々が憎かった。

母親に「強くなりなさい」と叱られた。

私は何のために生きたらいいのか、わからなくなってしまった。それが24歳。

私は24歳で風俗に逆戻りしたのだった。

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