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タワゴト  作者: 星野星華
4/10

パチンコ

ふとした事がきっかけだった。

お店で指名してくれるお客さん。

いつもパチンコ屋さんに行ったあと来てくれる。

負けたときは60分。勝ったらその倍、120分。

そして、その日打った台の話を聞かせてくれる。

私はパチンコなんてやったことなかったし、興味もなかったし、うるさい場所は嫌いだった。

楽しいの?って聞くと、"微妙"だそうだ。

それでも行くのは、負けた分を取り返さなくてはならないから…回収作業らしい。

勝ってるときにやめちゃえば?って言うと、勝つ流れが来てるから今まで負けた分を取り返さなくてはならない、と言う。やはり回収作業だ。

一度くらいやってみるといい、と勧めてくれたので、それもそうだと思って行ってみた。

"ビギナーズラック"と言うのだそうだが、私は初めてのパチンコ屋さんで6 万円勝った。

こんなお金、お店で何人相手にしたら…そう思うと馬鹿馬鹿しくなったので考えないようにした。

私は体を売ったお金を、パチンコ屋さんに投資しているつもりだった。

うまくいけば増えるし、ダメなら無くなる。

そうして、最初は苦手だった騒音も子守唄のようになり、あの音の中でも眠気が襲ってくるほど神経が図太くなった頃には、立派なパチンコ依存症だった。

暇さえあれば通った。

負けた分を取り返さなくては。

今はあの人が言っていたことが理解できる。

勝っても負けても、結局どのみち回収作業に向かうはめになるのだ。

人間として、最低なところにたどり着いた気分だった。

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