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おしごと
19歳のとき家を出た。
父と母とは性格が合わなかった。
夫婦は性格の不一致が離婚原因になるのに、親子だとそれで縁を切るわけにはいかないらしい。
だから家を出た。
行く場所もお金も、何もなかった。
仕方がないので、何もかもそろっていて、おまけに仕事までさせてくれて、お金もくれるマンションに入ることにした。
風俗、というとイメージが良くないかもしれない。
カラダを売る…その事に抵抗はなかった。
何も考えていなかった。
初めての接客の時は緊張した。が、初めて経験する事なんて無かったから、"こんなもんか"という感想しかなかった。
仕事は楽しくなかったが、空き時間にお店の女の子と話をするのは楽しかった。
同じ年の子もいたし、ずっと年上の人もいた。
みんな楽しそうだったし、みんな淋しそうだった。
私はお金よりお店から離れられなくなった。
女の子たちと離れて一人になるのが怖かった。
みんな優しくしてくれた。
他の仕事を探して就職したところで、果たしてこんなに楽しいお仕事ライフが待っているのか…そんなはずない。わかっていた。
私は馬鹿だけど、とても頭が良かったから。
「こんなところ」だから、楽しい。
私はお店を辞められなくなった。
男性依存よりも厄介だった。
環境そのものに依存してしまっていた。




