Number13
「何がいいですか?」
学級委員の声が教室に響きわたる。
「喫茶店!」
「お化け屋敷!」
「写真館!」
「演劇!」
クラスのみんなは、口々に言う。
そう、学園祭がもうすぐあり、その出し物を決めているのだ。
高校での初めての学園祭で、緊張ぎみだが、みんな楽しそうでなによりだ。
すると、アニメやマンガでよくある“アレ”が提案された。
「メイド喫茶~」
そう、メイド喫茶。
アニメやマンガで必ずとは言わないが、よくある。
「無理無理・・・。リアルのメイドは認めん!!」
オタクが断固拒否。
そのあとも、いろいろ案が出たが、結局
「お化け屋敷に決定します」
に決まった。
みんなも、結局「まぁ、王道だし」とか、「やっぱ、お化け屋敷が一番楽しいよね~」などと、納得している。じゃあ、これまで出た案はなんなんだ!と、突っ込みたい。
「朋香ちゃん!」
「ん?」
雪が話しかけてきた。
「楽しみだね♪」
「・・・うん!」
その日の帰り道。
久しぶりに美羽と会い、一緒に帰ることにした。
「久しぶりだね♪朋香」
「う、うん・・・。そうだね・・・」
(・・・どうしよう。昴君の事・・・言おうか・・・)
「・・・?朋香?」
美羽が心配そうに朋香を見ていた。
朋香は、笑顔を作り「なんでもない」と、言った。
すると、美羽が
「私、朝比奈君に告白しようと思うの・・・」
「・・・え?」
朋香は、立ち止まった。
すると、美羽は朋香にこう言った。
「だって、最近・・・朋香といい感じなんだもん・・・」
美羽は、悲しそうな目で夕日を見る。
もちろん朋香は、否定した。
「そんなこ・・・」
朋香が話している途中で、朋香の言葉を遮るように美羽はこういった。
「朋香・・・朝比奈君が好きでしょ?」
「・・・え?」
朋香は、美羽を驚いた顔で見る。
すると、美羽はため息をついて、
「私と朋香で交換ノートしてたじゃない?そのとき、あんた初恋の人について書いてたでしょ?
その時、朝比奈君の名前が書いてあった・・・。今でも覚えてるよ・・・」
「え?でも、初恋の人がいるって前に言ったら、ビックリしてたじゃない!!」
「あれは・・・、朋香が朝比奈君の事を好きだったから、今も覚えているか試してたの・・・」
朋香は言葉を失った。




