お花畑
お城の城下町の商店街はいつもにぎやかで活気がある。紅茶の茶葉の専門店や、紅茶に合うお菓子を売っているお店、噴水には子供たちが仲良く遊んでいた。
そんな城下町でティーセットを売っているお店を探している。
「いつもお母様がこの辺りで買っていたような気がしますわ・・・。」
そんな時に、城下町の商店街から外れた所にある建物を見つける。2階建てで壁はピンク色、水色の屋根で、店の前には古い自転車が飾ってある。
木製のドアを開けて店の中に入って恐る恐る聞いてみた。
「すみませんティーセットを売ってないですか?」
静かな店内に響く声。すると奥からガサゴソと店員さんが対応してくれた。
店内のショーケースにあるティーセットが気になって店員さんに、
「こちら出して見せてくれませんこと?」
と聞いて、出してもらった。青い装飾に赤い宝石が埋め込んである。とても高級なティーセットのようだ。
「こちらにしますわ。」
選ぼうと思い、お金を取り出そうとしたその時
『ぴーーーーーーーーーーーっ‼』
外から大きな音が聞こえた。
外に出てみると、一羽の小鳥が泣いていた。
「どうしたんですの?」
ミルティが聞くと小鳥は
「いつも大事にしている小さなティースプーンをここに来る途中でなくしてしまったんだ。お花畑の手前まではあったんだけどね。」
と、涙ぐみながら言う。
「どこのお花畑ですの?」
「この先すぐそこにあるお花畑なんだ。」
とこ取りが指さす方向を見ると、丘一つ分くらいのお花畑が広がっていた。
「この中から探すのですの!?」
びっくりしながらそのお花畑を見つめながら言った。
「お願い・・・?一緒に探そう?」
「うーん・・・・。
時間がかかってお茶会に間に合わなくなってしまいますわ・・・・。」
ミルティが迷う。
「あなた飛べるのだから上から探せばすぐ見つかるじゃないですの?」
「確かにそうだけど僕は君と一緒に探したいんだ・・・。」
「分かりましたわ、一緒に探しますわ。」
ミルティは、渋々一緒に探すことにしました。
お花畑の前に着いたミルティと小鳥は、さっそく探し始めました。この広いお花畑から小さなティースプーンを見つけなければならない。とても見つからなさそうだとミルティは思っている。
三〇分くらい探したところで、
「見つからないなぁ・・・。」
ミルティは、少し疲れた様子で言いました。さらに、お茶会に遅れてしまう事で頭がいっぱいになってきました。
「この辺りだと思う・・・。僕が持ってるスプーンは、特別なスプーンなんだ。」
小鳥はミルティのそばに来てスプーンについて話した。
スプーンが、小鳥さんの物になったのは数年前の事である。おじいさんから、いつも昔話をしてもらっていた。
「このスプーンは、心の優しいうさぎさんがこのスプーンをくれたんじゃ。それからというもの、一緒に遊んだりしていると深い森に迷い込んでしまった。そこでは、1羽のフクロウがいて、何やらこちらをみていてね、そのスプーンを持っていたのを見たフクロウは、その森の奥へ通してもらったんじゃ。その先には、
大きなテーブルがあって、上には豪華なスイーツと紅茶がたくさん置いてあったんじゃ。あれは、とても特別な日だったなぁ。」
いつも、ウキウキしながら聞いていた。僕も、いつかそのお茶会に行きたいな。なんて、いつも願いながら待っていた。
おじいさんがいなくなってからは、スプーンは小鳥の物になった。それからは、毎日スプーンを持って様々な森へ行くことが多くなった。でも、おじいさんが言っていたフクロウは見つからなかった。国の外の森に行ってもそんなフクロウは1羽もいなかった。
そんな時に今日、そのスプーンをなくしてしまった。
ミルティは、少し、そのお話に興味が出てきた。
「実は、私今日お茶会に誘われているのですわ。」
と、お手紙を小鳥に見せる。すると
「その絵文字の最後の森と、僕のスプーン関係あるかもしれない・・・!」
小鳥は、興味津々でその手紙を見る。
「そのスプーンが、そのお茶会の通行書みたいなものなのかしら?でしたら、見つけないとですわね!」
少し元気が出てきて、また探すことにしました。
この広大なお花畑から見つかる気がしないが、小鳥さんとお茶会のために探さないとって思いながら探していた。
それから、1時間くらい探しても見つからない。
「見つからいですわ・・・・。」
「そんな・・・・。」
二匹は少しあきらめかけていました。すると、丘の上にある木の下に一本のオトギソウが咲いていました。二匹がオトギソウの近くに見に行くと、そこには、1本のスプーンが落ちていた。
「これ!このスプーン‼」
小鳥が叫びました。
「見つかってよかったですわ!でも、少し汚れていますわね・・・・洗って差し上げましょうか?」
「いいのー?やったー!」
と、二匹はティーセット屋さんに行きました。店員さんに事情を説明して、ティースプーンを洗ってもらった。
「こちらでよろしいでしょうか?」
ピカピカになったティースプーンを見て小鳥は、とても喜んだ。
「すごーい‼ピカピカだぁー‼」
「よかったですわね。」
ミルティは、少し緊張したように言いました。
「あの、もしよろしければ一緒に行きませんこと?もし、あなたの予想が正しければ一緒に行った方が二人の御願いが叶うかもしれませんわ。」
小鳥は、にっこりして言いました。
「いいですよ‼一緒に行こう。」
ミルティは、肩に小鳥さんをのっけて一緒に森へ目指して行きました。
ピカピカのスプーンと、豪華なティーセットを持って秘密のお茶会に向かっていきました。




