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4.冒険者ウォルター②
ウォルターは洞窟の最奥で起きた出来事を事細かに話した。エンブは終始愉快そうに話を聴いていたが、中でも龍が語りかけてきた話に興味をもったようだった。
「つまり、龍が直接脳内に語りかけてきたってことか?」
「そうだ、どんな魔法を使ったのかは分からないが、こちらには普通に言葉で話すように感じ取れる語りかけだった。脳に直接言葉が流れ込んでくる感じだ」
ウォルターは龍に呼び止められた時のことを思い出しながら、エンブへ説明した。
ウォルターは自身が熟練の冒険者である自負があった。だが、あそこまで巨大な龍に会ったのは初めてであり、また龍が人語を操るのも初めての経験であった。
ーそもそもあれは人語を操っていたのか?思考を直接流し込まれ、それが言葉のように感じられただけでは?
エンブへ説明しながら新たな疑問が湧いてくるが、それを確かめる術はないように思われた。そんなことを考えていると、エンブが自身の経験を話だした。
「オレも昔、デカい龍に会ったことがあるがそいつも言葉を操ってたな。オレが会ったのは赤い龍だったが……」
そう言って、飲み物を一口飲むとエンブは懐かしむように赤い龍のことを語りだしたのだった。




