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第1話 異世界の始まり

 その時、俺は何をしていたか覚えていない。だが、確実なのはその時の記憶を失いどごかの別の世界と思われるところにとばされていた。そこは魔法アリ、剣技アリのRPGの世界に思えるところだった。これは、夢だと思い頬を抓った。だが、とても痛かった。

(夢じゃない!!)

 そして、どうやらとばされたのは俺こと土井信次どいしんじだけではなさそうだ。

(気配だけで7人。ということは、俺も合わせて8人。多いか、少ないかわからないな。たかが8人されど8人。)

 俺を除く7人の名前も姿も全く知らないし、探し方も知らない。まずここが何処だかわからない。

(まずは情報集めだな。)

 そう思いつつも、どこにどう行けばいいか全く見当もつかない。

「何してるの?もしかして、君もどこかからとばされてきたの?」

 そう言われて、とても焦る。そりゃそうだ。いきなり、可愛い女の子に声をかけらたからだ。「そうだけど・・・」

「だったら一緒に組まない?」

 そう言われて、断る男はそうとうおかしな性癖をもつ者以外はいない。

「いいよ。」

「私の名前は山頭電子やまがしらでんこ。あなたは?」

「土井信次だけど。」

「よろしく!」

「よろしく・・・」

 そういって土井・山頭ペアが、成立した。


 そして、南東に歩くこと約10分。小さな村に到着した。

 そこには、残りの6人と思われる人物達がいた。

 その6人に、話しかけようとすると、大きな物体が、天より降ってきた。そして、その物体がとんでもないことを言い出した。

「ようこそ、8人の冒険者達。私が君たち8人をこの世界に連れてきた。ここから出れる者はたった1人。全ての記憶を取り戻した者が、現実に戻ることができる。」

 そう言われて初めて理解した。というか、理解せざるを得なかった。

 他の7人も同じような表情を浮かべていた。

「そして、最初に全ての記憶を取り戻した者がここより出られ、その他の7人は、ここに永遠に住んでもらいます。そして、制限時間は1年です。」

 そう言われて、みんなが驚いた。

「それから、記憶の取り戻し方ですがまず、片手を軽く握ってください。」

 そう言われて、みんながそうする。すると、刃渡りが身長の半分ぐらいの剣が出てきた。

「それが、基本の剣です。技の出し方は、イメージしつつ技の名前を言うと、その通りになります。」

 それぞれが試す。確かに技が発動される。

「肝心の記憶の取り戻し方ですが、モンスターを倒すと経験値取得か、記憶を取り戻すかの2択のオブジェクトが出てきます。そのどちらかの好きな方を選んでください。更に、モンスターによって、記憶の量や経験値の量が変わります。」

 そこは、RPGと同じなんだなと思う。

「最後に、この世界で死ぬと一生戻ってこれませんので、ご注意を。それでは、ご健闘をいのります。そして、ポケットの中を確認しておいてください。」

 それだけを言うと、謎の物体が消えた。そして、ポケットにはカウントダウンが始まっている懐中時計が一つ入っていた。

 もちろん、カウントは1年後。俺は電子と共に早速ここを出ようとした。だが、まずここがどこで、どうすれば記憶を取り戻せるのか全くわからない。だから、その場を動くことはできなかった。

 なのでまず、他の6人と自己紹介をしようと、集まった。

 だが、そのうちの1人が断った。

「だって、敵にそんなことを教えても意味がない。どうせ、ここから出れるのは1人なんだから。」

「確かにそうだ。だが、共有できる情報は共有した方がいい。」

 と、まぁこんなことで2時間も潰してしまった。なんと効率の悪い。

 結果、なにもせず解散となった。


 俺と電子はそのまま外の草原に出た。すると、いきなりスモールウルフが、襲ってきた。これは、謎の物体の言っていたモンスターだと推測できる。だから、言われた通りにし技の名前を叫ぶ。そして、見事に命中しスモールウルフは弾けて消えた。

 すると確かにオブジェクトが出てきた。

「どうするの、信次?」

「そりゃもちろん・・・」

 そこで、言葉が詰まった。だから、聞き返した。

「電子こそどうするのさ?」

「私は、経験値だよ。」

「なんで?」

「だって、もっと強い敵をたおさないといけないんだもん。」

 確かにそうだ。

「んで、信次はどうするの?」

「俺も、経験値にする。」

「あっそ。」

 何か意味深な言い方だったが今はほっておく。

 なんやかんやで、最初の戦闘は無事勝利した。

「じゃあ、最初の町に戻ろうか。」

「ああ、そうしよう。」


 町に戻ると、他の6人は居なかった。

「みんなどっかに行っちゃったね。」

「そうだな。」

 だが、この時2人はこの後の事態を知る由もなかった。


 ピコンピコン・ピコンピコン。

 町に着いたら、そのような音が聞こえた。

 電子を見ると、こちらを向いていた。

 おそらく、同じ音が聞こえたらしい。

「お前も聞こえたのか?」

 一応聞いてみた。

「うん。ピコン・ピコンって」

 どうやら、予想が当たったらしい。

(多分メッセージだと思うけど、どうやって見るんだろう。)

 そう思いながら、こう叫んでみる。


「メッセージ!!」


 すると、本当にメッセージ画面が開かれた。

 差出人は謎の物体。

 内容はどうやら、このフロアについての説明とマップだった。

『このフロアは、5つの村があり10種類のモンスターが存在している。そして、5つの村のうちの1つに次の層に行くための部屋がある。その部屋には、通常モンスターの何倍も強いボスがいる。それを倒して、次の層に行くといい。ちなみに、上の層ほど記憶の量と経験値は上がる。健闘を祈る。』

 これが内容だった。

「5つも村があるのね。」

「多分、ボスがいる村はここから北東にある大きな村だと思う。」

「なんで?」

「だいたいの勘」

 と言うと電子はずっこけた。

 それもそうだ。確証がないのだから。

「まぁいいわ。じゃあ明日、その村に行きましょう。」

「ああ。」

 と言って宿を探し中に入った。

 すると、先客がいたらしく6人のうちの1人。情報共有を語った男だ。

「やぁ。」

「どうも、こんばんは。」

「どーも。」

「早速だけど一緒に組まない?」

「俺は、いいけど。」

「私も。」

「じゃあ決定だ。」

「まず、自己紹介をしましょうよ。」

 その男の名は、火友行男ひともゆきお。俺らより、年上っぽい人だ。

 ステータスは、あまり変わっていない。というか、俺らもあまり変わってないけど。

 そして、さっきのメールのこと謎の物体の言っていたことが本当のことなどをはなした。そんな雑談の最後に俺は行男に聞いた。

「あのあと、どうなりました?」

「もう1人巻き込もうとしたんだが失敗した。」

 どうやら会話術がないらしい。

「それで?」

「俺も外に行こうとしたんだが、この宿に入った。」

「その他は?」

「みんなどっかに行ったよ。」

「詳しく。」

「1人は北門、組んだと思われる2人は南門、残りの2人は東門から出て行った。」

「まずいな。」

「何がまずいの?」

「3人は多分、北東の町に行っていると思う。」

「「あっ!!」」

「そういうこと。だからまずい。」

「でも、メッセージを飛ばせば・・・」

「読んでくれたら、いいけどな。」

「「・・・」」

「そう、あいつらは多分読まない。なぜなら・・・」

「確実にそんなことを嫌う人間ばかりだからだ。」

 そう、最初に集まったときに集会を蹴った3人だからだ。

 本当にまずい。

「今からあいつらを追おう。」

「それはダメだ。」

「なんで?」

「なぜなら、今から追うというのは、都合が悪い。モンスターは鼻がよく効く。それに、俺らは何も見えない。そんなの、ただ単に命を落としにいっているだけだ。」

「けど…」

「明朝にしよう。」

「分かったわ。明朝6時でどう?」

「俺は、いいけど。」

「俺はダメ!!」

 そういったのは、今まで黙っていた行男だった。

「そんなに早く起きれない。」

 俺と、電子はずっこけそうになった。

 そして、本当にダメっぽい。

「じゃあ、放って行きましょう信次。」

「別に、俺はいいけど…」

「待ってくれ!7時でどうだ?」

「無理。さっき地図で見た感じ、あそこまでは少なくとも、時間かかる。5時間もあればあいつらは確実に探し終えれるの。だから、昼までについて交渉して止めさせるの。」

(確かに、電子のいうことはとても正しいのだが・・・)

「分かった。6時に北門に行くよ。」

「よし、決定!!」

 こうして、1日目が終わった。

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