表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兵庫 Street racers  作者: 詩雨・賀描
2/2

ACT.2 兵庫 Street racers参戦前夜

『スキール音近いぞ』

無線が叫ぶ。

『来た!前は……金城(きんじょう)だ…金城のS13!』

ゴール地点を過ぎ、駐車場で切り返す。

相手のFDが隣に留め、峠を指差す。

「上りでやろう」と言うのか、道路に出た。

「やってやろうじゃないの」

無線では色々と『やめとけ』とか『勝ちっこ無い』とか言われるが、そんな言葉は耳に入らなかった。

一人、雰囲気を察した奴が私らの前に立つ。

両腕を挙げ、暫くして下げる。

それと同時に、二台同時に、峠を登っていった。

短い直線の後、右コーナーの際を攻める。

やはり馬力差か、先に前に出たのはFDであった。

ブレーキランプが光ると共に赤い車体も光って見え、危険信号を発している様である。

下りではあまり関係無かった馬力差が、上りになった瞬間牙を剥いてくる。

一つ、また一つと、抜けそうで抜けない焦ったい状態でコーナーを過ぎて行く。

その度相手の車体が赤く光り、「お前には無理だ」と言ってきている様で、焦って行く自分がいた。

実際、相手がどの位の距離にいるのか、分からなくなってきていた。

「くそっ……我慢だ……耐えろ私……」

更に六つ程コーナーを抜けると、途中経過を見ようとするギャラリーが居た。

『まだFDが前だけど、金城がピッタリ着いてる』

その無線で気付いた。

私は未だ千切られて居なかったのだ。置いて行かれて居なかったのだ。

威圧を掛けているのは、相手ではなく、私の方であったのだと。

密かに威圧を受けていた相手はオーバースピードで侵入し、アンダーを出す。

『金城が……抜いた!抜いていった!』

過度な緊張と焦り、五月蝿い無線、腹と頭に響くエンジンの振動。全て揃って、頭が痛い。だが、それ以上に気持ちが良かった。


翌日

「よぉ、金城。昨日はよう勝ったな」

網走(あばしり)のテンションに合わせて相手するが、私の疲れは未だ残っているらしかった。

「ナビ、届いてる?」

「おん、来てたよ神戸から」

「交換してくれ」

「でも良いのか?最近新品にしたとこじゃねぇか」

網走がナビの封を開けながら、不思議そうに言う。

「兵庫Street racers出場する」

「え、え?ん?兵庫 Street racers?」

峠しか走って来なかった田舎の走り屋が第二首都(神戸)に行くと言っているのだ。

混乱しても仕方が無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ