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ACT.1
詩雨&賀描 合同制作作品
「ちょっと呑み過ぎちまったな」
タクシーの運転手は一直線に前を向いて動かない。
森の中の一本道をひたすらに走っている。
暫くすると、直線だった道が曲がり、街灯が明らかに少なくなって行く。
その時であった。
彼が窓を開け、路肩に車を停める。
雨が降っていたがそんな事気にも留めず、窓から身を乗り出した。
「運転手さん、どうしたんです?」
「この時間は危ないんですよ」
そう道の奥を睨みつけながら言った。
「霊的な何かです?」
「いや、もうちょっとで来ますよ」
運転席に座り直した彼は、こちらを向いて言った。
「こんな狭い道で彼らに会えば、命を落とすかも知れない」
刹那、銃声の様な連続した音が耳を突き刺す。
中央線を無視し、二台の車が猛スピードで過ぎ去っていった。
「今のは……一体……」
あまりの衝撃に酔いが飛ぶ。
遠ざかって行く二台の白い車は、互いに威嚇し合い、猛獣。更に言えば、獲物を取り合う北極熊の様であった。




