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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第十一章 エルフの森
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第80話は、瘴気の原因。

宜しくお願いします。

 翌朝、サジさんがクリスを湖の畔まで連れて行ってくれた。

 そして朝からクリスの小屋を作る為にエルフ族の人たちが大勢、サリアさんの屋敷にやってきている。

 クリスの為に小屋を作ってくれるエルフの方々に挨拶をする。 すると、小屋を作る先頭にたっていた人が



「いえ、この森の苦境を救って頂いて、これくらいしか出来ない自分たちに恥じ入るばかりです。 せめて自分たちに出来るくらいの事をしないと罰があたります。 ですので、私共のやっていることは自分たちの自己満足のことですので、何も気にしないでください」



 とはいえ、「はい、そうですか」といくことが出来るはずもなく私たちがお礼の挨拶をすると、手伝いに来ていた一人一人が順にやってきて個々に挨拶をする他に、握手を求められた。


 サリアさんにあとで聞いたところ、握手というのはエルフ族にとって、深い親愛の情を表すとのことだ。

 簡単にいえば、私たちは簡単に此処に居るエルフ族の方たちに受け入れられたことを表しているということである。



 一通りの挨拶が終わったので、屋敷に戻ってサリアさんに、この世界に蔓延する瘴気について聞くことにした。



「1200年前くらいから異変が起きていますね」

「何かあったんですか?」

「絶対とは言えないのですが、その少し前に南の大陸に大きな災害があったと聞いています」

「すごかったんですか?」

「それが南の大陸とは、この大陸から遠く離れていたのと、当時その大陸に住んでいたエルフが5人ほど居たのですが、もう既に亡くなっているのでわからないんですよ」

「その子孫たちは?」

「それが、当時まだ小さくてそのことを覚えているか……。それにその災害のことを聞くとまだ存命していたエルフたちが、あれは悪夢だったとしか言わなかったんです」

「そうですか……。それでしたら私が神さまに聞いてみます」




■ ■ ■ ■ ■




(管理者のお爺さん、少しお聞きしたいことがありまして)

「なんじゃな、太郎どの」

(1200年ほど前に南の大陸にあった災害のことです)

「ふむ。 あれかな? その時、会議があっての。 少しここを離れておったのじゃ。 そして帰って来たら……そうか、あれは南の大陸じゃったな……」

(南の大陸に何が?)

「太郎どのの住んでいた地球も生きておるように、こちらの大陸もまた生きておるのじゃ。 会議をしている時に、地殻の変動があったみたいでの、その変動の一番近くにあったのが南の大陸だったのじゃ」

(では、それが原因かと?)

「多分、それじゃな。 いくらワシとて星までどうにかするのは無理じゃ。 とはいえ、ワシを含めここにいる天使たちで出来る範囲で南の大陸への手助けをしたのじゃが、いかせん範囲が広くての」

(そうだったんですか……。 それで……)

「すまんの。 ワシ達もこの星だけを管理している訳じゃないから限度があっての」

(でも、それは南の大陸だけではなかったのですか? 何でこちらの大陸にまで……)

「多分じゃが、その時蔓延しておった南の大陸の瘴気は払ったのじゃ。 現に今も南の大陸には瘴気がないのじゃからな。 多分その時に払った瘴気の一部が、こちらの大陸に流れついたのかもしれんの」

(なら、こちらの大陸の瘴気を払えば?)

「うむ、問題なかろう。 ただし、あくまでも瘴気は魂の色を変化する一部じゃ。 現に瘴気があってもピンクの人もおるじゃろ?」

(確かにそうですね。 ただ瘴気が原因の方もやっぱり居るので、まずは瘴気を払うことから始めますよ)

「すまんの。 ワシも手伝いたいのじゃが、少し他にも問題が発生してしまって動けんでの」

(わかりました。 では何か進展があった時にご連絡します)




■ ■ ■ ■ ■




 管理者のお爺さんに聞いたことをサリアさんたちに話すと「でしたら、問題はこの大陸だけですのね?」と聞かれたので肯定をし、今後のことについて話合うとサリアさんがある提案をした。



「そうですね。 でしたら、近々ハイエルフの集会を開きます」



 サリアさん曰く、この大陸に住んでいるハイエルフを集めて瘴気の濃い所を探してくれるらしい。

 クリスほどでなくとも恵やお紺にも浄化魔法が使えるので、すぐに良くはならないけどこれ以上の蔓延は抑えられる。 あとは魂の色がピンクな人なら、少しずつなら瘴気を浄化出来るので、蔓延した地に住んでもらうという手段もある。 他にも公園など人が住まず、人が楽しんだりで出来るのなら、こちらも減らすことが出来る。



 まあ魂の色の判別は私くらいにしか出来ないが、他は何とか出来ると思うのでお願いすることにして、ハイエルフの集会の日まで対策を練ることとなった。

 で、そのハイエルフの集会は、サリアさんが一生懸命予定を組んでくれたこともあり、二か月後。


 こちらの集落で開かれることになった。 集まるハイエルフの方は五百人ほどで、この大陸の住んでいるハイエルフの九割以上の方が参加されるらしい。 本来の会議だと、この三分の一程度の出席だが今回に関しては、この大陸というか世界の未来に関わることなので、ほぼ全員が参加を表明したとのことだ。 反対に参加できなかった人は出産間近の妊婦さんやら、まだこういったことが理解が出来ないお子様だけとのことだ。 ちなみに連絡方法は、精霊のネットワークで、二日ほどで連絡がとれるらしい。



 そして二か月後に備えて、急ピッチに準備が整えられることになった。

 何といっても、この集会の倍に近い人数が集まることになったので受け入れる場所などの準備を整えなければならない。 ……と、思ったのだが、ハイエルフの集会の件を管理者のお爺さんにも話をしたところ「少しでも太郎どのの負担を減らすことが出来ればいいんじゃが」と、夢みるテントの収容人数を増やしてくれることになった。 お陰で建物に関しては問題ないのだが、食事や夢みるテントの案内などのことを教えることに時間を取ることになった。



 夢みるテント内で住む箇所は、団地の和室をイメージした。

 和室に並々ならぬ興味を示したことと、多分ここに半年近く居ると思われるので、ある程度の生活環境を整えた方がストレスが少ないと考えたからである。 基本、食事は自分たちで作って貰い、会議の時のみこちらで準備をする。 その方がいいとサリアさんがアドバイスをしてくれたからだ。



 で、集落に住む人も一週間でいいからここに住んでみたいということで来週から開放することになった。 ずっとだと問題だが、一週間と期限を決めれば問題なかろう。 何といってもネコミミ族の村では、ここに住んだことで、色々な発想が生まれたのだから。 新たな文化が花開けばいいと思っている。



 そして、集落の人も夢みるテントに実際に住んで説明も準備も出来るようになって一か月半後。

 会議に備え、ハイエルフの人たちが集落に集まり出した。

お読み頂きありがとうございます。

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