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少ないお金で楽しむ毎日  作者: いぬぬっこ


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家族サービス旅行

先日、80代の祖父母を2泊3日の出雲旅行に連れていきました。


なぜ出雲なのかと言うと、


祖父母がまだ一回も出雲大社を参拝したことも、足立美術館を訪れたこともなく、


「行きたいねえ」と言っていたから。


私は幼少期に母親を亡くし、祖父母に面倒を見てもらうことが多く。


祖父母は自営業の八百屋を営むも、経営が上手くいかず、現役時代はとても苦労していて、自分たちの趣味の時間がとれなかったので。


人生の最後……最後というにはまだ早いけど、終わりくらい2人に良い思いをさせてあげたいと思い、今回の出雲旅行計画を立てました。


旅程は、


1日目 出雲到着、出雲大社参拝

2日目 足立美術館を鑑賞

3日目 飛行機で帰宅


で、組みました。


まあ、実際に行ってみると……トラブル起こりまくりの旅となりました。


老人2人を連れて行くということで、覚悟はしていましたが。


まず、1日目。


祖父が、電鉄大社駅前から駅チカの宿まで歩くのに、体力を使い切って「オラ、出雲大社行かない。宿で休んでる」と言い出し……宿のロビーで、私と祖母が参拝して帰ってくるまで休んでました。


出雲に来た意味ぃ~!!


と、私はこの時点で半ギレ気味に。


普段から「運動して」と祖父には言い聞かせていたのに……一日中テレビばっかり見て過ごす祖父の体力のなさは、呆れを通り越してショックでした。


そして、なんとか気持ちを落ち着けて。


祖母と出雲大社へ参拝しに行くも。


祖母は祖母で、「寒い」、「疲れた」等々、文句たらたら。


私の怒りのフラストレーションも溜まっていきます。


そして、出雲大社の拝殿にて。


「お手洗いに行く」と、私の返事も待たず、ずんずん離れて行く祖母。


待ち合わせ場所とか、ろくに話してないんですがー!!


と、ここでプチンと私の糸が切れました。


ーーもういい。祖父母のことなんて知らない。楽しみにしていた出雲大社……こうなったら、1人で参拝する!!


と、そこから本殿周りの一通りの社を1人で参拝しました。


ですが、お参りしたら神様に伝えようとしていた、感謝やお願いの言葉がうまく浮かばず、虚しさと怒りと悲しさが湧いてきて。


何やってんのかなーー私。高いお金出して、いろいろ日程調節して計画したのにな……馬鹿みたい。


と、やぶれかぶれな気持ちで参拝。


それでも、ここにこうしてこれただけでも幸いと感謝はお伝えすることはできました。


で、参拝途中に、境内にあった兎の彫刻の写真を撮りながら、ふと思い出しました。


祖母がスマホを持ってないことに。


……今、思うと、祖母も祖父もスマホが使えなくて、普段から持っていないし。


ここは、出雲で祖母は土地勘がなく、呆けてもいるから、今日の宿の場所も私がいないとわかりません。


祖母の財布も落とすと困るということで、私が持って管理していました。


ーー会えなかったらどうしよう


……だが、


あんな勝手な祖母は知らん!!


と、やぶれかぶれな心持ちは治らず、そのまま神楽殿を参拝。


神楽殿の賽銭箱にお賽銭を入れて、さて、拝むぞとなりーー


ふと、背筋が伸びて冷静になりました。


感謝の言葉と今の気持ちを伝えながら、


ーー本当は私、祖父が難しくても祖母と一緒に参拝したいです。

どうか一緒に参拝できますように。


と、お祈りして、神楽殿を後にし、拝殿へ戻ります。


なんとなく、心持ちが軽くなりました。


で、拝殿前に来た時ーー


「あんた、ここにいたの」


と、私を見つけた祖母と再会。


懐かしいような、あたたかいような、可笑しいようなーー嬉しさ。


「ごめんね」とは素直に言えなかったけど、


少し言葉を交わして。


気を取り直して、もう一度、祖母と一緒に神楽殿を参拝。


大しめ縄と一緒に写真を撮ろうかという話になったら、たまたま近くを大社関係のお爺さんが通りかかったので、頼んで写真を撮ってもらいました。


そして、祖母に10円玉を持たせて、「行かない」と駄々を捏ね出した祖母に、


「行きたいでしょ?」


「行きたくない」


「ここまで来たのに?」


「行ってくる」


と、問答をしてから、祖母は神楽殿を参拝。


合流すると、


「参拝して良かった」


素直じゃねぇー!!


と、思わず脳内でツッコミを入れました。


その後、宝物殿も拝観し、記念写真も撮りまくって、宿に戻りました。



それからの旅程でも、


歩き疲れた祖父の栄養剤買ってこい事件や、祖母が足袋を履いたまま大浴場に入る事件、おもてなしのフルーツ盛り合わせ食べたくない事件等々、思い返せばいろいろありました。


もちろん、それに負けないくらいいい思い出もたくさんありますが……。


一番印象に残ったのは、出雲大社での祖母との再会でしょうか。


下手したら、迷子になってパニック状態の祖母が悪い誰かに、どこかへ連れて行かれていたかもしれません。


そしたら、私は悔やんでも悔やみきれなかったでしょう。


大国主様が繋いでくれた、祖母との縁に心から感謝をして。


出雲大社の神様は本当にご縁を繋いでくれる神様だと、個人的には思います。


この話を読んでいる皆様は、現地で決して私のような行動をとらないで下さい。


再会できなかったら、本当に最悪なので。


……コホン。


大切な誰かとのご縁を願うなら、皆様も一度、出雲大社を訪れてみてはいかがでしょうか?


縁が繋がれるのはすぐとは限りませんし、遠い先のことかもしれないですが。


いつかは、大切な誰かと結ばれるはずだと、私は信じています。


この話はこれで終わりです。


……ちなみにですが、宝物殿は大人300円で拝観できたので、良かったら皆様も是非、訪れてみてください。


見応えがありました。


後、今回の出雲旅行の往復の飛行機と宿代は、3人合わせて、


合計 207300円


でした。


全部自腹なので、懐が寒いこと、寒いこと。


高いと思ったけど、周囲の人からは私の住む地域からしたら「安いよ!」と驚かれました。


この話には書けなかったけど、宿のおもてなしもとても良いものでした。


節約して行けて、そして何より、


家に帰ってきて、祖父母が


「楽しかった、また行きたい」


と、言ってくれて、


この旅を計画して、本当に良かったと思います。

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