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孤児院長

 皆で孤児院に戻る。出迎えてくれたベレッタに院長に就任したことを報告すると最初は驚かれたが、それが落ち着くと大変喜ばれた。院長になってしまったのでベレッタから今の孤児院の状況を色々と聞いてみる。


 困っていることは食料が足りない、生活用品が足りない、人手が足りない、建物の老朽化、子供たちの将来性などをベレッタは悩んでいたようだ。


 ベレッタもケインも10歳くらいだと思うのだが大変賢い。きっと一生懸命考えなければ生き残れなかったのだろう。これからはもう少し子供らしく過ごせるようにしてあげるのが大人の責任であると思う。


 まず食料が足りない。これは現在ほぼ解決済みだと思う。俺たちがここに住んでいる限りダンジョンで稼いだり、食材を取ってきたりとそれで十分だと思う。ケインの取り分だけでも相当な稼ぎになるはずだ。


 生活用品に関しても同様にケインの稼ぎで賄える。買い出しはベレッタに行って貰わないといけないと思うが、金銭に関してはもう問題ないだろう。それでもケインとベレッタには働いて貰わないといけないから、そこは今後解決していかなくてはいけない問題だとは思う。日本だったらまだ学校で勉強してなくてはいけない年だからね。


 人手が足りないというのはケインがダンジョンに稼ぎに行っているあいだに、ベレッタが1人で孤児院の事をやっているという現状。これは早急に人を入れないといけないが…………。


 手っ取り早いのは奴隷かな…………。ただ犯罪者奴隷とかだと問題あるし、家事が出来て子供たちの教育もできる様なインテリ奴隷が欲しい。読み書き計算くらいはできる奴隷がいいのだが、値段が高そうだ。


 建物の老朽化。これも早めに治したい。この世界の業者を呼んで見積を取らねばいけないが、これもお金が必要だ…………。


 子供たちの将来性はある程度大きくなったら働きに出る事ができる様に、そして少しでも良い職に就ける様にという事らしいが、その為にも教育が必要だと思う――。


「よし、インテリ奴隷教師を買いにいこう!」


「院長、急にどうしたんだ? また奴隷買うのか?」 ケインがこちらを見て怪しんでいる


「孤児院の運営にはベレッタの手伝いができる奴隷が必要だろ? ベレッタ一1人じゃ回らないぞ」


「ええ、掃除、洗濯、炊事、買い出しと他の子も手伝ってくれていましたが、まだ小さい子が多いので彼らと私1人じゃ厳しいです」 ベレッタは今まで良くやっていたと思う。


「そう言う訳で良い人が居ないかちょっと見てくるよ」 なんか奴隷を買うという行為にも慣れてきてしまったな…………。


 良くないと思いつつもまるで家電を買いにいくような気分だ――。


 ブタちゃんを連れて奴隷商に向かう。建物にはいると奴隷商のディーンが待ち構えていたかのように、こちらに振り向いた。


「これはマコト様、いい所にいらっしゃいました。是非マコト様に買って頂きたい奴隷が入りまして、今連れて来ます」


 それだけ言うとディーンはいそいそと奥に引っ込んでしまった。


 俺におすすめの奴隷ってマッチョで強そうなダンジョンで活躍するタイプの奴隷なんじゃないか? 今回欲しい奴隷は真逆のタイプなのだが…………。まあ断ってから改めて要望を伝えればいいか。


 少し待っていると奥からディーンとディーンの半分くらいの身長の白いヒゲを生やしたモグラ? があらわれた。


「お待たせしました。今回マコト様にご紹介させて頂きたいのはモグラ族のガレフです。彼は今120歳ですがモグラ族は長命で200歳くらいまで生きますので、まだまだ元気です。なんと彼は土魔法が扱えて、ダンジョンに潜る事を希望しております。まさにマコト様にぴったりの奴隷だと思います」


 モグラ族! さらに土魔法って凄く興味ある。今回の趣旨とはまったく違うけど魔法見てみたいな…………。


「お前がワシの主人になるのか? ダンジョンに深く潜るにはあまり強そうには見えないが、後ろのオークは強そうじゃな。よろしく頼むよ」


 喋った! 2足歩行だけどモグラが喋ると違和感がある。凄くファンタジー。


「ガレフは俺たちとパーティーを組んでダンジョンに潜る気があるかい?」


「ああ、捕まって奴隷になってしまったからじゃないぞ、もともとダンジョンに興味があってコッチに来たのじゃ」


「彼はダンジョンに潜ろうと獣人の国からこちらに来たのですが、見つかって捕まってしまったのです。我が国は獣人には人権がありませんので、普通獣人は来ないのですが…………」


「見つかるとは思わなかったのじゃ。ダンジョンも正面からしか入れないし、下調べが足りんかった」


「どうやら穴を掘って横からダンジョンに入ろうとしたみたいですが、ダンジョンの壁を壊せなかったそうです。それで地上をうろうろしている所を見つかったみたいですね」


「地上に出なければ見つかる訳ないんじゃが、迂闊だったの」


 どうやら穴を掘ってダンジョンにこっそり侵入しようとしたが、失敗して捕まってしまったようだが、そもそも何で捕まるのだろうか?


「ガレフはどういう理由で捕まったのだろうか?」 ディーンに聞いてみる。


「我が国と獣人の国とは戦争中ですので、勝手に獣人が侵入して来れば捕まります。ガレフはスパイの容疑は晴れたようですが、それで釈放とはならないのです」


「同意がないと奴隷になれないと聞いたと思うのだけど、ガレフは奴隷になりたいのか?」


「なりたくはないが、他に選択肢がないからのう」


「彼の場合は死刑か奴隷の2択です。先ほども言いましたが戦争中ですので、お互い相手に捕まれば死刑か奴隷なのです。本来は捕虜にして捕虜交換ができれば良いのですが、交渉がうまくいっていないようです」


「なぜ交渉がうまくいかないのだろう? 捕虜交換できればお互いの国にとって良いことだと思うが?」


「そこは戦争の闇と言いますか……。利権の問題ですね。この戦争で儲けている者たちがいますので…………。例えば捕虜にして奴隷になった者達を相手の国と交換しようとなりましたら、奴隷になった時点で所有者の財産になっている奴隷を買い取るか取り上げて相手の国に渡さないといけません。そして相手の国から交換でくる奴隷はこちらの国に来た時点で奴隷ではなくなるのです。それは世界から奴隷2人分の資産が消えるという事です。国同士でみれば損得ないようにみえますが、個人では損したと思うものが居て、だいたいそう言う者は国の上層部にいるのです」


 なんとも理不尽な話のようだが、奴隷の数を減らしたくない人達が居るのだろうか? ちょっと良く解らないな――。


「ただ、捕虜交換はありませんが奴隷の売買は国を超えてあります。なんとか家の誰々がそちらに捕まったようなので買い取りたいなどと言う事はあるようです」


 それなら解るか? 捕虜となってしまった身内に身代金を払って解放してもらうというのは昔あっただろう。


「それならガレフの家族を探して代金を払ってもらって、ガレフは向こうの国に返してあげれば良いのでは?」


「戦争中なのでそんな親切に手間をかける人間は居ません。連絡もとれないと思います。マコト様が獣人の国にガレフの家族を探しに行っても構いませんが、向こうで捕まれば今度はマコト様が奴隷です。例えば高く売れる大物、貴族とか高い地位にいるものが捕まった時は、そういう交渉もありますが普通はないのです。そもそも生きていると相手の国に伝わる事もありませんから」


「まあワシは向こうの国にはもう家族は居ないぞ。娘が1人いるのじゃが、一緒に捕まってしまったので今は2人とも奴隷じゃ」


「それではダメか、まあ向こうに家族がいてもそれを探しに行こうとは、悪いけどさすがに思えない」


「それは当然です。それよりもガレフは魔法が使えてダンジョンに潜りたいと言うので私の所に送られてきたのですが、買い手がつかずに困っています。このままではガレフは炭鉱などに送られて酷使されるでしょう。本人の前で言うのは酷ですがモグラ族は人気がないのです。ネコ族などはとても人気があるのですが…………。モグラ族はネズミ族よりは多少人気がある程度で、そもそもネズミ族は人気どころか嫌われすぎていて、捕まえたらその場で死刑になる事が多いのでほとんど奴隷になる事すらない程ですが…………」


「ワシらとあんな不潔なやつらを一緒にするな!」


 まあちょっとネズミとモグラは似ているから解らなくもないか? 俺はガレフを可愛いと思うけど可愛いの基準が違うのかもしれないな。


 まあちょっとステータスをみてみよう――。

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