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ダンジョン 15階 1

昨夜は楽しみにしていたベッドで寝る事ができたが、寝心地はあまり良くなかった。予想通りだが藁の布団はチクチクして掛け布団としても残念な布団であるし、敷布団としてもクッションが足りない。


布団に関しては今後とも改良して寝心地を追及していきたいと思う。


今日は15階からの探索だが、15階からは魔物が変わるらしい。


レッサーバイソンという牛の魔物が突撃してくるらしいので、ブタちゃんが牛の突撃を受け止められるかが勝負になるだろう。


この魔物の肉は食べられるらしくバイソンステーキという料理を出す店があるそうだ。


15階に移動して探索を始める。地図担当のケインが先頭で道案内を始めたので、15階からの魔物レッサーバイソンについて教えておいた。


「そいつは急に出くわすと怖いぜ。慎重に進むぞ」


ケインの進むペースが落ちる。特に曲がり角は時間をかけて先の様子を伺っている――。


「いたぞ」 曲がり角を覗いたケインが小声でこちらに伝えてきたので、俺も角から覗いてみる。


確かにまだ弓が届かないくらい離れた距離に茶色い牛が1匹いる。角が長くて日本の動物園でみたバイソンに似ている。


「なるべく近づいて魔物に気が付かれたら弓を撃つから、弓を撃ったらブタちゃんが前に出て牛の突撃を止めてほしい」


「任せてください!」 ブタちゃんが大きく頷く。昨日ブタちゃんの盾レベルを上げておいた成果があると良いな。


「じゃあ、最初は静かに行くよ」 4人ともなるべく見つからない様に進むが一直線のダンジョンの道ではすぐに魔物に気が付かれたようだ。


レッサーバイソンがこちらに向かって走ってきた。


蹄が地面を叩きその音がダンジョン内に響く、すごい迫力だ。


焦って狙いを外さないように弓の射程まで引き付けてから矢を放つ――。


ツノであっさりと弾かれた…………。 


ブタちゃんは木の盾を構えて俺が矢を放つと同時に前に走り出していた――。


レッサーバイソンと盾を構えたブタちゃんがぶつかり合う。


『ガンッ!』


鈍い音を立ててブタちゃんの盾は真っ二つに割れて弾かれた。レッサーバイソンを止めきる事ができない。レッサーバイソンがブタちゃんの脇を突破する。


ブタちゃんの後ろに付いていたユウが上段に剣を構える。次はユウに向かって突撃するレッサーバイソンに対して正面から剣を振り下ろす。


ユウの剣はレッサーバイソンの右のツノを切り飛ばすが、レッサーバイソンは止まらない。そのままユウに突撃しユウは錐揉み状に回転しながら跳ね飛ばされる。


まだレッサーバイソンは止まらない。次は俺とケインに向かって突撃してくる。


「ケイン、避けるぞ。ギリギリまで引きつけてユウが切ったツノがない方に避けるんだ」


レッサーバイソンは頭を下げてツノで突き刺そうと突撃してくるが、切られたことに気が付いてないのか横に避けた俺たちに無いはずのツノを刺そうと空振りする。


うまく牛と入れ替わる事ができたケインと俺は起き上がってこちらに走ってくるブタちゃんの方に走っていく。


「今度は止めます!」 俺たちとすれ違いざまにブタちゃんは叫ぶ。今度は素手でレッサーバイソンを受け止めるつもりの様だ。


ブタちゃんのスキルポイントを余らせておいて良かった。怪力3→5 素早くステータス画面を開きブタちゃんの怪力スキルをあげる。


『ガシッ』 反転してまたこちらに突撃しようとしていたレッサーバイソンをブタちゃんが頭を抱えて抑え込む。


レッサーバイソンの後ろ足が地面を搔き前に進もうとするが、ブタちゃんに抑えられて空回りする。


今のうちに弓を射る。ブタちゃんが少しずつ横にずれてレッサーバイソンの腹をこちらに向けてくれたので次は腹に撃つ。さらに腹に矢を撃とうと狙いを定めていると――。


いつの間にか起き上がったユウが牛に向かって走り出した。素早く牛に近づくと横に剣を振るい牛の腹は裂けて中身が零れる。


ユウはそれを気にする様子もなく。上段に剣を構えて次は縦に剣を振り降ろし牛の首を落とした。


「ユウ、大丈夫か?」 


確か派手にレッサーバイソンに吹き飛ばされていたと思ったが、どうやら大丈夫だったようだ。表情がないので良く解らないが、骨とか折れていたらあんなに動けないだろう。


「しかし、やばかったぜ」 ケインが青ざめた顔でレッサーバイソンの死体を見つめている。


レッサーバイソンは思ったより強かったが、問題はあっさりブタちゃんが抜かれてしまった所だろう。最初に抑えられていればユウが横から切り伏せていたと思う。


「木の盾がまずかったな。あんなにあっさり壊れるとは思わなかった」


「ご主人様、大切な装備品を壊してしまって申し訳ないです」


「いや、きっと木の盾でレッサーバイソンを止めろって指示の方が無茶だったんだ。金属の盾を買いに一度戻ろう」


こんなの誰かに見られたらまた奴隷に無茶させてるって言われてしまうな…………。


「そうだ。このレッサーバイソンは食べられるらしいからブタちゃんが解体してくれる? このマジックバッグに入るくらいの大きさにカットしてほしいんだ」


「はい! よろこんで~」 お肉ゲットでブタちゃんのテンションが爆上がりだ。


ケインはツノを回収している。今回の戦いは初めてケインを危険な目に合わせてしまった。それでもリスクはあったが、ツノは売れてお肉は食べれてレッサーバイソンは美味しい獲物だと思う――。


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