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幼馴染みと夢を見る弍(side霜月)

窓辺から見る景色は家の風景や空が青いことしか観察するものしかない。机に膝を置き手を顔に添えてそんな景色を見るのが俺にとっての日常である。英語の授業は特に面白いわけもなく眠っている人たちが多数だ。あぁ、何もかもが灰色に見えてくる。近くにいつもいた君がいないからかな。前の席は君の席だよ。昔みたいに喋りながら授業を受けたいな。普通に見えて不真面目の君とまた一緒に。眠たくなってきた。朝も早かったし少し寝るか。俺は深い眠りにつく。




「………おーい、起きろよな」


君の声が前の席から聞こえきた。驚いた顔でそこにいる葉月を見る。何故、君が教室にいるんだ。


「まだ寝ぼけているのかよ。生徒会の仕事も終わったし、そろそろ帰ろうぜ」


葉月は席から立ち上がり俺に向かって笑った。その笑みは夕焼けと相性がよくて1つの絵として描きたくなるほどだった。幼馴染みにこんなことを思う俺は思考力が可笑しいだろうか。ひさしぶり見る笑顔に俺は涙が出そうになった。これが夢であっても。


「どうした。寝過ぎて頭が可笑しくなったのかよ、お前」


「いや、ただお前の絵をまた描きたいなぁと思っていたところだ」


「はぁ、なんでお前は俺の絵を描きたがるんだよ。…風景画の方が上手なのに」


「葉月の絵の方がペンがよく動くだよ。風景画を描くよりも葉月を描くほうが楽しいからかな」


「俺に聞いても知らないし。ほら、早くいこうぜ」


葉月は机に置いてある鞄を持つとすぐに俺から場を離れようとした瞬間、俺は葉月の手を掴んだ。葉月は俺が掴んだことにびっくりしている。葉月がまた俺から離れようとした気がしたから咄嗟に握ってしまった。俺は迷いなくそのまま葉月を抱き締める。


「…俺から離れないでくれ。ずっと、一緒に側にいてくれ」


「い、いきなりどうしたんだよ。教室に抱き締めるなよ。人に見られたら誤解されるぞ」


「そんなのどうだっていい。あんなクラスメートなんて消えてしまえばいい。お前を傷つけるものなんていなくなればいい。存在さえ消滅すればいいんだ」


「…どうしたの。顔が怖いよ」


葉月は不安な顔で俺を見てくる。必死になっている俺には葉月が不安になっていることを気にしないで言葉を続ける。


「葉月…これからも一緒にいてくれ、お前のいない世界は灰色でしかない。永遠に俺がお前を守るから」


「………無理だよ」


必死な声で願いを言った俺に葉月は抱き締めた手から離れて冷たい声で言い返した。今まで見たことがない葉月がそこにいた。夕方から夜にいつの間にか変わっている。空気も冷えてきた。見ていたものが全て移り変わっているようだ。


「ずっと、一緒にいれるわけがない。俺を守れなかった君に言える言葉じゃないよ」


「…俺は次こそ失敗なんかしない!!」


周りが黒く塗り潰されようしている中で俺は葉月の目を見て意思を伝えた。葉月は悲しそうな顔をしたが、すぐに後ろを向いた。教室が揺れ動いた。消えそうになっていた葉月に手を伸ばしたが届くことはなかった。






「霜月くーん、次は移動だよー」


目を開けるとそこにはクラスメートの田中さんが立っていた。全て夢だったのか。あの塔のことを思い出した。頃ごろは葉月の夢しか見ていない。俺は葉月に依存しているのかな。この思いは一体なんだろう。


「聞こえているのかよ、しもっち」


「大丈夫、霜月くん」


「え、あ、大丈夫だよ。早く移動しようぜ」


クラスメートの和をまとめるため、俺はクラスの人気者になった。葉月の場所を作るため。いや、葉月と俺の仲を邪魔しないための居場所を作るために。だから、待っていてよ。すぐに葉月を外に連れ込んだあげるから。連れ込んで、そして永遠を一緒に歩もうよ葉月。





(Side葉月)


幼馴染みとの昔の夢を第三者から見ていたのに何故かホラーになっていたような気がする。俺の幼馴染みがヤンデレなわけないよな。俺は焦る心を落ち着かせてベットから立ち上がった。

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