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男
何かを始めたかった。
ゲーム、筋トレ、日記、草野球、ダーツ、麻雀、家庭菜園。
どれも、とても続かなかった。
焦燥感だけが増していった。
経験ではなく成果が欲しいのに、身体も精神も、ついていかなかった。
そんな惰性の毎日を続けている時に、件のニュースに出会った。
直ぐに投稿を確認すると、手製爆弾の作り方、タイマー式への変更方法、それに制御アプリのソースコードまで。
全てが載っていた。
これなら自分にもできる。
そう確信した頃には気づけば靴を履いていた。
財布とスマホだけ持って、夜を駆けた。
ニュースの男が載せた手製爆弾の材料は、ホームセンターで全て揃った。
出費は確かに痛かったと思うが、何かを変える材料としては安いと感じていた。
食事をしていない事に気づいた時、ほぼ同時に爆弾は完成した。
達成感があった。
ついに、という高揚感で身体が底から熱くなった。
これで何でもできる。
殺人、脅迫、交渉、金稼ぎ。
僕はスマホカメラで何度もそれを撮影した。
ネットにアップする事まで考えた。
爆弾を完成させた、僕という人物がいることを、皆に知って貰いたかった。
少し考えた後、これは処女作として保管しておくことにした。
僕は押し入れに大事に収納し、軽い食事の後、二作目に取り掛かった。
外で朝日が登っていた。
何かを祝福された気がした。




