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プリン出荷開始

リビングに戻るとソフィアがマリーとお茶をしていた。


「エミリーさんが相談があると言ってましたよ。」


美咲に食材を渡した後、姉さまのところへ向かった。

プチダンジョンのことは晩飯の時に話すとしよう。


「姉さま、何か問題でもありましたか?」


「アオイ、丁度良かったわ。農場のバンさんから相談があってね。鳥の卵が孤児院の食堂だけでは消費しきれなくなってきたからそろそろ出荷準備をしてほしいと言っていたわよ。」


そうだ、鳥を爆発的に増やしたんだった。

そのため卵が余っていると。

じゃあ、加工場を稼働させるかな。


「わかりました。ちょっと美咲と相談してきます。」


Roomに戻り、美咲とマリーを呼んだ。


「卵が余っているそうだから加工して売ろうと思うんだ。そのまま卵で売ってもいいんだが、あんまり日持ちしないからさ。それでも需要があれば売るけどね。それで、最初はプリンにしようと思うのだがどうだろうか?」


「いいんじゃないですか? そんなに難しくもないし、蒸して冷やせばできるでしょうし。」


「それで美咲にはレシピを。マリーには容器と調理器具をお願いしたい。」


「「わかりました。」」


「メアリーは手先の器用な子を見繕ってくれ。」


俺は加工場に向かい、パーテーションで区切ってプリン加工専門室を作った。

そろそろ葉物野菜も収穫の時期を迎えるので梱包作業を行う場所も確保しておいた。

試作品を作るために卵をもらいに鳥小屋へ行く。

鳥小屋の管理を任せているエバから卵が転がって持ち運びが大変だと聞いた。

卵パックを作りたいのだが材料がないのだ。

この世界にはプラスチックやナイロンが存在しない。

余っている革を型押しして容器を作ってみようかな。

固くて厚くて重い皮はNGだ。

軽くて形状を維持し、安い皮が良い。

ウシ、オーク、ゴブリンの皮で試してみたが、ゴブリンが一番適していた。

臭いはクリーンで浄化すれば問題ない。

ゴブリンは魔石以外の利用価値は無かったが、これで皮を利用することができるようになる。

インベントリの中で邪魔になっていたゴブリンの死体から皮を剥ぎ、型押し機をマリーに作ってもらって卵容器を作った。

出来た卵容器を持って鳥小屋で待つエバの元へ。

そこに鳥のエサを配達にきたジャックさんが居たのでを捕まえて試作品のプリンを試食してもらった。


「ジャックさん。このプリンという卵を使った加工品を売ろうと思うのだがどうだろうか? もちろん、ジャックさんのところと卸すよ。」


「うまい! これは売れますよ! うちに卸していただけるのですか?」


「ええ、もちろんです。いろいろお世話になってるし、秘密も守りたいですからね。それで容器なんですが、ガラスの瓶と陶器のどちらが良いですか?」


「見た目の良いガラス瓶が良いのではないでしょうか?」


「わかりました。では、いつから卸しましょうか?」


「販売ルートを決めてきますので明後日まで待ってください。」


「それまでにこちらも安定生産できるようにしておきます。よろしくお願いします。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


そして、販売が始まると王都の若者たちに爆発的に広まり話題となった。

加工場も広げ、作業員の子供たちも増員し、なんとか注文数量を確保した。

1週間後、さらに倍増。

もう手作業では対応不可能な出荷数となってしまった。


「まさかこんなに売れるとは。。。 手作業では無理だ。半自動化しなければ。マリー、機械化してくれ。」


マリーによって材料を混ぜる撹拌機、規定量ガラス瓶に注ぐ注入機が作られた。

卵も足りなくなりそうなので鳥小屋も拡張し、鳥の繁殖も急いだ。


「母さん、姉さま。プリンの販売が順調に伸びてます。プリンだけでも孤児院の経営は問題ないでしょう。そろそろ野菜も収穫できるでしょうし、肉はダンジョンから得られる。自給自足できるようになうと思います。今後、どうしたいか考えておいてくださいね。オーナーは姉さまですからね?」


「わかっているわよ。子供たちが頑張っているおかげだし、何かしてあげたいのよね。それに卒業生のためにも仕事をあげたいのよね。」


「ここまで騒ぎになると、そろそろ兄さん(王)がうるさくなるわよ。気を付けてね。」


「そうですね、母さん。じゃあ、母さんが伯父さんを抑えてくださいね。」


「え?! 無理よ。私は嫁の立場なのだから。しかも、側室よ?」


「じゃあ、美咲にケーキを作ってもらいますから、それを持って王妃さまを落としてきてください。」


美咲にこちらで入手可能な材料だけでケーキとクッキー、プリンアラモードを作ってもらい母さんに渡した。

これで王妃様が味方に付いてもらえれば今後の問題はなくなるだろう。


「キャサリン様。お時間よろしいですか?」


「あら、マーガレットさん。どうしたのかしら?」


「お話がございまして、おいしいお菓子を持って参りましたのでお茶でもいかがですか?」


「いいわね。じゃあ、テラスでお茶にしましょう。」


母さんはアイテムバックから箱に入ったケーキをそっとテーブルの上に置いた。

箱を開けた瞬間、王妃様が飛びついた。


「綺麗なお菓子ね。どちらで購入したの?」


「これはアオイの嫁の美咲さんの手作りですよ。今後、アオイ村から出荷されるようになると思います。」


「あら、それは楽しみだわ。頂いてもよろしいかしら? 我慢できないわ。」


「どうぞ、召し上がってください。」


「まあ! 甘くておいしいわ! アオイ村は素晴らしいわね。これからもおいしいものを作ってちょうだい。応援するわね。」


母さんが王城からニコニコしながら戻ってきた。

王妃様の支援が得られたそうだ。

定期的にお菓子を届けてねとお願いされたそうだが。

これで伯父さんは何も言えなくなるだろう。イヒヒ。


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