プチダンジョン
朝早くジャックさんがトリを連れてやってきた。
これで卵、トリ肉料理が食べれるぞ。
ニワトリ? でも、小さい?
ハトくらいの大きさの白い鳥だった。
ニワトリというよりもでかいウズラって感じだった。
ムチムチしてるので卵がお腹にいっぱい詰まってそうだ。
だから重すぎて飛べない。
「この鳥は毎朝5個前後の卵を産みます。卵は1週間で孵り、さらに1週間で親になります。ただし、子育て中は卵を産みません。さらに飽きっぽい鳥なので卵をじっと温めていられず、そのため孵化率が非常に低いのです。」
そして、見本の卵をみせてもらった。
親は小さかったが、卵はニワトリの卵と同じサイズだった。
まずは親鳥の数を増やそうと思う。
子供たち全員のお腹に入るにはまだまだ数が足りない。
孵化率が低いということだが人工ふ化すれば問題ないだろう。
孵卵器の知識のある俺はマリーに伝えて作ってもらった。
この孵卵器によって爆発的に増えた鳥は毎朝何百個もの卵を産んでくれる。
オムライス、プリンとかを作ってみようかな。
「美咲、卵を使った料理をよろしく~。」
自分のステータスを見ていて忘れていたことに気付いた。
拠点が決まったら使おうと思っていたプチダンジョンのことだ。
最果てのダンジョンを攻略したときにもらったユニークスキルだったよね。
5階層までではあるが、オリジナルダンジョン(マイダンジョン)を作ることができるスキルだ。
折角マイダンジョンを作ったのに拠点を変えるために捨てていくなんてことはしたくなかったため、今まで使うことが出来なかった。
俺の拠点はどこだろうか?
辺境の父の町は、先日出たばかりなのであそこではない。
でも、魔の森と最果てのダンジョンにはこれからも建材目的でお世話になると思うが。
王都に別荘があるが、そこは実質兄の家だ。
アオイ村は領主となって俺の所有物となっている。しかし、アオイ村のマイホームには母さんたちが住んでいて、俺は基本Roomで寝起きしている。
さらにメイプルのダンジョンがあるので十分だろう。
そうなると、やはりこの神様から貰ったRoomが俺の居場所であろう。
したがって、Roomが俺の拠点という結論となった。
ダンジョンは次元の違う亜空間に存在すると言われている。
地下に何十層、何百層という階層が存在したり、建物の中にありえないくらい広い空間があったりと同じ次元では物理的に不可能なサイズになっていることも多々ある。
よって、亜空間に存在するRoomに亜空間に存在するプチダンジョンを設置してもいいのではないかという結果となった。
実際にダンジョンの壁にRoomを起動したこともあるので相性は悪くないのではないだろうか。
説明が長くなってしまったが、結果Roomの庭にプチダンジョンの入り口を設置することにした。
庭の隅に土魔法で洞穴を作り、そこを入り口に設定した。
『ティア、フォローよろしくね。』
「プチダンジョン発動!」
目の前に設定画面が現れた。
・入り口はどこに設定しますか? ⇒洞穴
・第1層のフィールドを設定してください。
【例:洞窟、森、草原、岩山、砂漠、海岸、迷宮、etc.】 ⇒草原
・第2層のフィールドを設定してください。 ⇒洞窟
・第3層のフィールドを設定してください。 ⇒森
・第4層のフィールドを設定してください。 ⇒海岸
・第5層の設定を行いますか? y/n? ⇒No!
とりあえず、1階層は草原、2階層は洞窟、3階層は森、4階層は海岸に設定した。
5階層はあとで設定することにした。
中に入ってみると1階層目の草原が広がっていた。
広さは学校の校庭ほどあった。
『先日、メイプルさんに会った時にダンジョンマスターのスキルをコピーしておきました。設定の方も完ぺきにマスターしてますのでなんでも聞いてくださいね。』
「さすがティアだね。頼りにしてますよ。」
『チュートリアルを開始します。試しにスライムを召喚し、設置してみましょう。』
「おお、本格的ですね。」
目の前にステータスボードに似た設定画面が現れた。
点滅する矢印に従ってボタンをポチポチ押していくと10DPでスライムが召喚された。
俺は初期ボーナスとして1000DPを所持していた。
『スライムの設定をしてください。』
名称: スライム(使用DP:10)
レベル: ? ⇒ 1
HP: 10(変更可) ⇒ OK
MP: 10(変更可) ⇒ OK
スキル: ? ⇒ なし
ドロップアイテム 通常:魔石(変更不可)、レア:薬草(変更可)
経験値: 10(変更可)
獲得DP: ステータス値総数(MAX999)×10(召喚時使用したDP)
結構細かく設定できるようだ。
『次回からは設定をスキップできます。スライムを倒してみましょう。』
剣で斬り倒すと魔石と薬草をドロップした。
そして、9,990DP獲得した。
経験値とドロップアイテムは討伐者に、DPはダンジョンマスターに分配されるシステムとなっている。
「なるほど、こうやってDP稼いで魔物を召喚するわけか。」
『さらにオプションもDPを払って設置できます。』
「じゃあ、もうちょっと稼いでおこう。次は何を召喚しようかな?」
『討伐経験がある魔物、知識として得た魔物は召喚可能です。』
魔物一覧をクリックしてみると今まで討伐してきた魔物の名前が出てきた。
召喚DPが不足する魔物は暗転しているが。
今の残DPでは黒龍は無理のようだね。
じゃあ、次はオークにしてみよう。
オークの召喚には100DP必要だった。
エアカッターで首を落とし、99,900DP獲得した。
次は1000DPを支払ってミノタウロスを召喚した。
DPが欲しいだけなのでナイトを召喚した。
「ナイト、どんどん召喚するからどんどん狩っていいよ。」
『了解です、マスター!』
ミノタウロスのナイトが、ダンジョンのミノタウロスを嬉しそうに狩る。
なんか居た堪れなくなる。
頑張ったナイトのおかげで、かなりのDPが溜まった。
そろそろ次の階層も見て来よう。




