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お披露目会

翌日、予定通り西大通りを攻める。

ソフィアはお留守番だ。

こちらは飲食店や宿屋がメインになっていた。

その中にスキル屋という興味を引かれる店があった。

早速、入ってみる。


「いらっしゃい、どんなスキルがほしいのかね?」


狐顔の獣人の店員さんが話しかけてきた。


「ここでスキルがもらえるのですか?」


「タダでは上げないよ。もちろん買ってね。ダンジョンでドロップしたスキルスクロールを売ってる店だよ。買取もしてるよ。」


「なるほど、どんなスキルを売っているのですか?」


「魔法はもちろん、鑑定や剣術などのスキルもあるよ。レア度や需要によって値段が違うよ。一番高いのは超レアのアイテムボックスだね。」


「なるほど。今度買い取ってもらいに来ますね。」


王都にはこんな店もあるんだな。

さらに西門に向かって歩いていくと巨大な建物があった。

そこは商業ギルドだった。


「ようこそ、王都中央商業ギルドへ。」


「初めてなんですが。」


「ここは、お店を開く時や商品の登録をする時はもちろん、オークション出品、レアアイテム入手のお手伝い、家の売買、土地の売買など売買に関わることはすべてお手伝いをするギルドです。何かお力になれることはございますでしょうか?」


「なるほど、魔物の素材の買取もできるのですか?」


「もちろんです。レア物の場合は冒険者ギルドより多少高く買い取ることもできますが、基本的には冒険者ギルドと対抗したくはないので同等とお考え下さい。」


「ありがとうございました。では、また来ますね。」


商業ギルドを出て、俺は次の目的地に向かうことにした。


「みんなは先に家に帰ってくれ。俺はちょっと寄るところがある。」


「スラムですか?」


「美咲にはお見通しのようだね。ちょっと自分の目で見ておきたくてね。でも、女の子には危険な場所だから俺一人で行ってくるよ。」


「大丈夫ですか? 一人じゃ危険ですよ。」


「俺には召喚獣がいるし、いざとなれば転移で逃げれば良いし心配ない。」


「わかりました。気を付けて行ってきてください。」


みんなと分かれ、王都南西部のスラム街に向かった。

そこは瓦礫で無理やり囲っただけの粗末な小屋が並びその奥にはゴミ捨て場があった。

ゴミ捨て場には、小さな子供が金になる物をゴミの中から探して走り回っている。

働いている子はまだ良い。

路地に座り込んで遠くを見つめているだけの子もたくさんいる。

生きるために悪事に手を染める子もいるだろう。

かなり深刻な状況だ。

伯父さんはなぜこの状況を放置しているのだろうか。

腹が立ってきた。

しかし、今の俺には何もできず帰ってきた。


「兄さん、王都にスラム街があること知ってますか?」


「西のゴミ捨て場あたりにあるって話を聞いたことがある程度だ。」


「なぜ、王は放置しているのですか?」


「他にやらなければならないことがたくさんあるから後回しになっているのだろう。」


俺はダンジョンを制覇し、ドラゴンを倒していい気になっていたが、無力だった。


翌日、例のお披露目会のために王城に呼び出しをくらった。

嫌だと言っても兄に無理やり拉致された。

そして、お披露目会という名のパーティが始まった。


「おお、よくぞ集まってくれた。本日は我が弟の息子、甥のアオイを紹介しようと思う。最近、最果てのダンジョンが制覇されたという噂を聞いていると思う。最果てのダンジョンと言えば、Sランクパーティですら全滅してしまった難関ダンジョンだ。そのダンジョン制覇したのがこのアオイなのだ。そして、最下層を黒龍が守っていた。その黒龍を倒しドラゴンスレイヤーとなったのが我が甥のアオイだ。拍手で迎えてくれ。」


拍手の中、俺は舞台の上に上がった。


「初めまして、辺境伯モーリス・ハワードの4男のアオイ・ハワードです。よろしくお願いします。」


「こんな若者が」や「本当なのか」などの声が漏れてくる。

その中に「うちの娘を」という関わりたくないワードも聞こえてきた。

今すぐ逃げたい。


俺の挨拶のあと、個別の挨拶が始まった。

貴族が並んで挨拶をしにくる。

男爵だ、伯爵だと言っているが覚えられるわけがない。

数が多すぎる。

母さんに助けを求めようと横をみると母さんもテンパっていた。

母さんは元冒険者だもの慣れてないから仕方ないよね。

反対側にいる兄を見る。

兄も同様にテンパってた。

仕方ないか、兄さんもまだ慣れてないものね。

そこに猛アピールしてくるうざい男爵がきた。


「私がいうのもなんですが、うちの娘は美人でスタイルもよく、アオイ様にぴったりだと思うのです。側室にいかがでしょうか?」


やっぱり来たよ。

必ずいると思ったよ。


「申し訳ございませんが、すでに婚約者が3人もおりますのでこれ以上増やすつもりはございません。」


「え? 母さん聞いてないわよ?」


変なところで反応しないでほしいのだが。


「メアリー、美咲、マリーのことですよ。」


「あー。許可します。」


ごめんよ。

君たちの知らないところで婚約が決まってしまいました。

母さんが暴走する前に3人にプロポーズしておこう。


なんとかお偉いさん方との挨拶を裁き、パーティがお開きとなった。

なんだろ、この疲れは。

ダンジョンで一日中狩っていた時よりも疲れているのだが。





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