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世界樹転生物語  作者: 海陸 兎鮫
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ユグドラシルの名の下に

行き当たりバッタリなところもありますが、温かい目で見ていただけると嬉しいです。

 ここは大きな大きな木。

 その樹木の中には莫大で強大な魔力が溢れている。


 人々はその木を『ユグドラシル』別名『世界樹』と呼んでいる。


 様々な説によると『世界樹』は、世界に魔力をもたらす源と書かれていたり。凶悪な魔物を封じる為に英雄が造った封印と言われたり。単なる魔力を持った巨大な木だと考えられていたりする。


 そのように様々な説があるが、みな違う。


『世界樹』いや『トレント』は魔物なのである。


 そしてこのトレントには夢があった。

 人間になることである。


 元々トレントと言うのは、普通の木に大量の魔力が宿ることにより自然に発生する魔物の一種である。

 トレントは基本生き物を襲わず光合成をして生きている。唯一襲われた時のみ魔力や根っこを使い敵を殺すのである。

 そして一定の魔力が宿ると稀にドライアドが住み着くことやギガトレントという、ワンランク上の魔物へと進化していく。


 ただこの世界樹と呼ばれるようになったトレントはドライアドは住み着いておらず、オメガトレントという魔王と呼ばれるような物にも、ギガトレントにすらなっていないのである。


 世界樹と呼ばれるほど莫大で強大な魔力を溜め込んだのには理由があった。


 転生である。


 トレントは話すことが出来ないのであるが周りの音を拾うことができる。

 そこで耳にしたのだ、魔力による転生の話を。

 このたわいもない話をしていたのは唯の村人。

 偶々トレントの前を冗談話としてそんな話をしていたのだ。


 そのトレントには人間になる理由があった。


 苗木のころはとある貴族の子に与えられた木だった。その子は大きな魔力を持ち徐々に体を悪くしていた。唯の苗木だってトレントには何もわからない、だが奇跡が起きたのだ。

 その子の魔力を吸い取り出したのだ。

 まだ苗木だが強大な魔力によりトレントまでとは言わないが意識を持ち始めた。

 子供が回復し出し魔力を自分で消費できるようになった頃に、治療のために呼ばれていた魔導師は、『この木はそのうちトレントになる。早いうちにその木を処理しなくてはならない。』と貴族に言った。

 貴族はその木を焼き払ってしまおうとしたのだ。

 だが貴族の子がトレントを庇ったのだ。


『私を救ってくれた木ではないですか?その木を焼き払うなんて私が死んでも許しませんよ!』

『そうは言っても魔物をお前の部屋に置いておく訳にはいかないのだ』

『ならば私を救った木を誰も来ないような豊かな場所に植えてあげてください。お願いします、お父様』

『……うぬ、仕方あるまい。それで勘弁してくれるのであらば、そうしてやろう』


 そしてトレントは森の奥の奥に植えられた。

 誰も来ないような深い森に。

 人間に、少女に感謝の気持ちを持ち続け。何年、何百年も経って近くに村が出来、転生の話を聞いたのだ。


 そして数千年。

 彼は世界樹と呼ばれるまで成長したのだ。


 彼は思う。

 ついに時が来たのだと。


 何故だか分かったのだ。

 自分に新たな人生が始まると。


 そして、世界樹と謳われたトレントは、光り輝いたあとにその場から消えてしまった。

変な終わり方で申し訳ないです…


次の話もプロローグみたいなものになるかと思いますがよろしくお願いします。

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