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第158話『孤独だった過去の私と一緒に、愛されまくりの異世界ライフを始めます!』

いつも応援ありがとうございます!


前話のラスト、前世の萌ちゃんから突きつけられた

「ずるい。私も、行きたい」という切ない本音。


今回は、その言葉を受けた萌ちゃんが、過去の自分とどう向き合うのか……という、涙なしには読めない感動の

シーンから始まります。


粒になって合体するのではなく

「手を繋いで一緒に光の向こうへ進む」という萌ちゃんらしい選択をした結果……なんと現実世界に戻ると

萌ちゃんの隣に、ちっちゃなミニうさぎ姿の


「前世の萌ちゃん」が並んで「すうすう」と寝ていて!?


お父様とお母様、そしてルミエラお母様たちの温かい歓迎と、オタク神様が残していった『毛並み200%ツヤツヤの加護』が合わさり、2匹のモフモフを迎えた家族たちの溺愛が宇宙規模で大爆発する第158話、

どうぞお楽しみください!

「……ずるい。私も、行きたい」






 世界樹の最奥、巨大な大樹の麓。






 ボロボロの服を着て、小さく痩せ

細った前世の私が、今の綺麗なエルフの姿の私を激しく睨みつけながらそう言った。




 嫉妬と羨望。





前の世界に一人きりで置いていかれた

彼女の、痛いほどの未練が空間を震わせる。






 神様も私も、あまりの切なさに一瞬

言葉を失ってしまった。






 けれど、私は胸が締め付けられるような愛おしさを感じて、睨みつけてくる前世の私の目の前まで、トコトコと歩み寄った。





「ずるくないよ。だって、あなたも私

なんだもん。……寂しかったよね。

一人でずっと、ずっと泣いてたんだよね」






 私が優しく語りかけると、前世の私はハッと目を見開いた。その瞳の奥の険しさが、じわりと涙で滲んでいく。





 私は、自分の小さな手をそっと差し出した。





「行こう? 粒になって私に吸い込まれるんじゃなくて、ちゃんと手を繋いで

一緒にあっちの世界に行こう。





今度はね、お父様もお母様も、ルミエラお母様も、じんと様もお兄ちゃんたちも……みんなが私(あなた)のことを

痛いくらいにデロデロに甘やかしてくれるから!」





「ほんとう……? わたしも、愛してもらえる……?」






「うん! 絶対に幸せになれるよ。

だから、私の手を握って?」





 前世の小さな萌ちゃんは、ボロボロの袖から細い手を伸ばし、私の手を

ぎゅっと握り返した。






 その瞬間、大樹の根元から、それまでに見たこともないほど温かく、眩い純白の光の柱が天に向かって立ち上った。





「さあ、一緒に行こう!」






 私たちがしっかりと手を繋いだまま

その温かい光の中へと同時に一歩を踏み出すと、私たちの二つの小さな身体は心地よく重なり合い、光の向こうへと溶けていった。






 ――次の瞬間。






「みゅ……っ!?」





 気がつくと、私はいつの間にか、現実の世界樹の森のふかふかな草の上に

いた。






 見慣れた、小さな真っ白なうさぎの姿に戻っている。






「萌……!? 萌、今、目が覚めたのかっ!?」





「まあ……! 萌、無事なのね……!」






 目の前には、血相を変えて私を覗き込んでいる婚約者のじんと様と、涙を

浮かべたお母様。





そしてお父様やお兄ちゃんたち

ルミエラお母様も、全員が心配そうな顔で集まっていた。






「みゅぅ、じんとしゃま……お父様

お母様、ルミエラお母様、ただいま

ですみゅ!」

 私が一生懸命鳴くと、じんと様は私の小さな身体を愛おしそうに抱きしめ――そして、信じられないものを見たように動きを止めた。






「……っ!? あ、兄上、萌の足元を見てくれ……!」






「なんだ、萌ちゃんが起きて……って

ええええええええっ!? 何このちっちゃい生き物ーーー!!?」






 お兄ちゃんたちが一斉に大絶叫を上げた。





 じんと様に抱き上げられた私のすぐ

隣の草の上に、もう一匹、信じられないほど小さな小さな白い子うさぎが転がっていたのだ。






 手のひらにすっぽり収まりそうなそのミニうさぎは、私の前世の魂が具現化した姿のまま、安心しきった様子で

「すうすう……すうすう……」

と、小さなお鼻をピクピクさせながら

無邪気に爆睡している。





「萌ちゃんが2匹に増えた……!?

いや、この小さい子、萌ちゃんの匂いがするぞ!?」






「すうすう……むにゃ……」






「お、おい……萌が2匹に……嘘だろ……?」






 お父様が呆然と声を漏らすと、お母様がそっとそのミニうさぎの元へ駆け

寄り、愛おしそうに両手で包み込んだ。




「まぁ……なんて愛らしいの……。

ボロボロの服を着て泣いていた小さな

あなたが、やっと私たちのところへ来てくれたのね。


おかえりなさい、前世の萌ちゃん

もう何も怖くないわ。


これからはこの子も、私たちの本当の娘として、痛いくらいにたくさん

たくさん、愛してあげるわね

新しく名前も考えましょう」






 お父様とお母様の温かい言葉に、私の胸の奥がじんわりと熱くなる。






 すると、世界樹の光を纏った

ルミエラお母様が、神聖な、けれど聖母のような極上の微笑みを浮かべて

私たちの前にそっとひざまずいた。






「よくお戻りなさいました、私たちの

愛おしい萌。



前世のことは分かりませんが……あなたが世界樹の最奥で、ご自身のとても大切な『何か』と手を取り合い、一緒に連れて帰ってきたことは分かります。


ええ、歓迎いたしますよ。


世界樹の祝福は、あなたたち2人の

もの。これからは2匹揃って、この豊かな森で、大好きな家族にデロデロに甘やかされてお暮らしなさい」





 ルミエラお母様がそっと手をかざすと、優しい緑の光が私たちを包み込む。





 その瞬間、神様が最後にかけてくれた加護――『毛並みのツヤ200%

アップ』が、私とミニ萌ちゃんの両方に、100%以上の出力で発動した。






 私たちの白い毛皮は、まるでダイヤモンドの粒子を練り込んだかのように

キラキラと輝き、一度触れたら二度と

手が離せなくなるほどの極上のシルク

触感に変貌する。





「な、なんだこの尋常じゃない

触り心地は……っ! 手が吸い付いて離れない……!」





「ぎゃああああ尊い!! 2匹ともモフモフツヤツヤすぎる!! 撫でるのを止められないんだが!?」






「みゅぅ、みんなで撫ですぎですみゅ~!」






 じんと様やお兄ちゃんたちも、お父様もお母様も、ツヤツヤ度が限界突破した2匹のうさぎに脳を完全に焼かれてしまい、目がハートマークになって交互に

私たちを撫で回し始めた。





 お母様の手のひらの中で、みんなの

温かい声を聞きながら、まだ

「すうすう」と気持ちよさそうに眠っている、前世の小さな私。





ねえ、言ったでしょ?






 お父様もお母様もルミエラお母様も、この世界のみんなはね、私たちのことが本当に大好きなんだよ。






 じんと様に優しく頬擦りされながら

私は新しく一緒になったもう一人の私と一緒に、幸せいっぱいのモフモフ愛され異世界ライフを改めて始めるのだった。


(第158話 終わり)

第158話をお読みいただき、ありがとうございました!


前世の小さな萌ちゃんの手を引いて、手を繋いで光の向こうへ歩いていく感動のシーン。そして現実世界でのまさかのサプライズ!


萌ちゃんの横で「すうすう」と無邪気に眠る、手のひらサイズのミニうさぎ萌ちゃん(前世)が登場しました!


今回はお父様とお母様、臨場感たっぷりのセリフをありがとうございました。「これからは毎日贅沢させて

甘やかしてやる」というお父様の不器用な優しさや

お母様の慈愛。


そして前世のことは具体的に知らなくても、萌ちゃんが大切な何かを受け入れて戻ってきたことを優しく察して祝福してくれるルミエラお母様の聖母のような包容力に、書いていて目頭が熱くなってしまいました……!


神様のツヤツヤの加護が2匹同時にかかった結果、過保護な家族全員が完全に脳を焼かれてデロデロになっていましたね(笑)。


これからは「孤独だった過去の私」も一緒に、2匹で愛されまくりの異世界ライフが始まります!


「家族みんなの言葉に感動した!」

「すうすう寝てるミニうさぎを囲む家族が最高!」

と思ってくださったら、ぜひ評価(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)や感想、ブックマークで応援していただけると励みになります!

次回、2匹になった萌ちゃんを過保護一味がさらに全力で甘やかす、日常回の第159話もお楽しみに!

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