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詩全集4

なりたいものはいくつも

作者: 那須茄子
掲載日:2026/04/02

誰かの足音に怯えていた日々を思い出す


強がりばかり覚えて

本当の弱さを隠すのが癖になって

心のどこかで

優しさを差し出せる自分でいたいと願っていた


立ち止まることを怖がって

走り続けた夜もあった

追いつけない未来に焦って

自分を責めた朝もあった

そんな自分を抱きしめる勇気を

いつから探していたんだろう

もう思い出せないや


優しさって何だろう

誰かを救うほど大きくなくていい

ただ目の前の痛みに気づけるかどうか

その一歩だけで世界は変わるのかもしれない

そう思えるようになったのは

きっと過去の自分が泣いていたからだ


こぼれた涙を

誰にも見せられなかった自分へ

「大丈夫だよ」と言えるようになりたい

優しさは弱さじゃない

弱さを知ったからこそ

そっと手を伸ばせる強さになる

傷ついた分だけ

誰かの痛みに寄り添える

そんな自分でありたいと願う


つまずいた日には

立ち上がるまでの時間を許せるように

笑えない朝には

無理に元気を装わなくてもいいと

自分に言い聞かせられるように

少しずつ少しずつ

心の形を整えていく


世界が冷たく見える夜もある

誰にも必要とされていない気がする時間もある

それでも


優しさを分け合える人になりたい

それは誰かのためだけじゃなく

自分自身のため

受け取った光を

次の自分へ渡していくように

途切れないように

絶やさないように

今日も胸の奥で灯りを守っている


いつか

誰かの孤独に触れたとき

そっと寄り添えるように

そのためにまず

自分の孤独を抱きしめられる人でありたい

優しさはきっと

そうやって育っていくものだから


だから今日も問い続ける

どんな自分でいたいのか

どんな光を渡したいのか

ちゃんとした答えはまだ見つからなくてもいい

僕はまだほんの19年間しか生きていないんだ

歩きながら探していけばいいと思う

優しさを分け合える人になりたい

その願いだけは

ずっと胸の真ん中に

在る


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