64話 シオンの嫌いな食べ物
〜前回のあらすじ〜
伝説の剣ってあるのー?
伝説剣いらねー
マジ引く性能
「フウッ……フウッ……フウッ……」
剣を買ってからずっと素振りをしている。少しずつ、積み重ねていく。
「フウッ……フウッ……フウッ……」
歪みを無くすように少しずつ、少しずつ……。姿鏡で全体を見ながら歪みがないか確認しつつ。
「性が出るな」
「フウッ……フウッ……フウッ……」
「無視するな」
「グハッ………!!」
なんだ!?腰を思いっきり蹴られた!?
「ああモナ、どうしたの?」
「朝食が出来たから呼びに来たのじゃ」
「分かった、すぐに行くよ」
あれから3日がだった。買った日からずっと素振りを欠かしていない!まだ3日だけど(笑)。
筋肉はつけすぎると成長の妨げになってしまうので、ほどほどにするのが肝心だ。硬い筋肉より柔らかくしなやかな筋肉の方がいいので柔軟も欠かさない。
目標は180cmの爽やかイケメン貴公子EXだ!唯の爽やかイケメンではない。なにせEXだからね!なんか強そうだ!
誰だ今俺の目が死んでるから無理だとか言ったやつ!!いいじゃん!爽やかイケメンの目が死んでてもいいじゃん!さらに言えば唯の爽やかイケメンではない。爽やかイケメン貴公子EXだ!!もはや後光のさすレベルなのだ! だからちょっと目が死んでても多分見えない!!
……あれ?後光のさすレベルのイケメンってなに?後光のさすイケメンとか怖すぎて近寄れない(笑)。誰だよそんなイケメン考えたやつ(笑)。あ、俺だった。
「はよ来んか!!」
「すぐ行きます!」
イケメン想像してたらモナに怒られた。恐るべし!イケメン貴公子EX!!(笑)
♢
突然だけどシオンは人参が食べれない。今もひじきの煮物に入った人参を一本一本丁寧に退けている。
「そんなに人参ダメなのか?」
「ニンジン? なにそれ?そんな言葉は存在しない」
おっと、存在そのものを否定されてしまった。これは相当嫌いらしいな。仕方ない、俺が救いの手を差し伸べるかな!
「シオン、俺の人参もやるよ」
「殺すよ?」
冗談のつもりで言ったら血走った目で睨まれた。ヤベッ、ちょっとチビッた。
「シオンは何故そこまで人参が嫌いなのじゃ?」
「野生の人参を食べたらこの世の物とは思えない不味さだった。さらに一週間口の中から人参の臭いがした」
喋り方変わってるし……。俺たちが普段食べている野菜の殆どが品種改良され、美味しくなっている。先人達の努力の賜物だね。
逆に言えば品種改良されていない野生の野菜はエグ味や独特の匂いが強すぎて食えた物じゃない。シオンも人参の香りとは言わず、臭いと言っている点からも察せられる。
「それは災難だったの。じゃが多少なら大丈夫じゃろ?」
「うっ……善処します」
流石に人に作ってもらった料理を作った人の目の前で残すなんて出来ないよね。それでも食べると言わない所が流石だ。
「ううっ……パクッ……うえっ」
「……食ってやろうか?」
「ほ、本当!?」
あらまあ、まるで神に会ったみたいな顔をしている。そりゃ、目の前で吐かれるぐらいなら食べてやるよね。
「ふむ、なら人参は控えるかの」
そう言った次の日は人参入りハンバーグだった。チャレンジャーだなおい。まあ、あれだけ人参をペースト状にしたなら気付かないかな?量自体も少ないし。
「む、人参の気配がする」
なに気配って。最早匂いとか味じゃなくて気配で分かるらしい。
「ハァ、入ってないハンバーグも作っておいた」
流石モナだな。いや、シオンも凄いのか?
どっちでもいいか。とにかくシオンの人参嫌いは筋金入りだな。
うおー_(:3 」∠)_(←声だけで全然立たない)




