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第三十七話

ーーーーー翔鶴・艦橋ーーーーー

彩雲が帰艦してきたのでカメラから取り出したフィルムを急いで現像される。画素が荒いため見にくいが大体の地形は分かる。楓君とセシリア君と共にその写真を見る。

「御覧のように港は大きな城壁で囲まれています、高さは5メートルほどで陸地に面しているところは二重の城壁になっています。港内にいるのはこの間のセシリアの持っていた船と同じのが多数おります。」

「ふむ、他の船はどうだ?」

「ガレオン船が主体のようですね、武装の中に面白いものがあります。」

「ほう、それはなんだ?」

「艦首の方にある橋です、これは古代ローマ軍に同様の装備がありました。」

「では乗り移って戦うのが主であるということか、乗り移られる危険のある艦はいるか、白兵戦では彼等に一日の長があるからな。」

「駆逐艦が低いため危険があります、終始砲撃戦に徹した方がよろしいかと思われます。」

「他には何かあるかな?」

「城壁に備え付けの固定兵器があるぐらいではないでしょうか、野戦でカタパルト、バリスタがありましたからそれはあるでしょう。技術的には三床弩があるかもしれません。」

「モンゴル軍から南宋を守り続けたあの兵器か・・・、巡洋艦ならば装甲で防ぐことが出来るかな?」

「大丈夫だと思います。」

「では砲撃戦に徹し、港付近に的を絞ろう。ここは何があるんだ?」

 街の中央にある広場を指差す、不自然に棒が等間隔で立っている。その周りには飛竜がいて何かを食べているようだ、口から出ているのは何かは分からないが嫌な予感がする。

「・・・ここは処刑場だ、ヴェイス殿。」

「処刑場?統治に問題があるのか?」

 私が聞くと悲しそうな顔をして首を横に振る。

「その通りだ、この港は元々帝国に反抗していた所だったんだ。そこを占領して使っているんだが。」

「納得しない人間がいろいろ仕掛けている・・・と。」

「捕まえ次第あの広場で殺されている、投石でだ。」

「もしかして住民にやらせているのか?それと死体は・・・。」

「ああ、想像の通りだ。飛竜の餌になっている、特に子供が狙われているそうだ。」

「胸くそが悪くなる話だな。」

 沈黙が辺りを包み込む。

「・・・どうなさいますか?」

「どうもできん、だが空軍を全滅させれば餌にされるものは減るだろう。ここは無理をしなくてはならんか。作戦を伝える。」

「はっ。」

「まず艦隊をこの港の200キロまで接近させる、これは昼間の内に堂々と行う。この時点で敵の空軍を最優先で撃滅する。」

「どうやっておびき寄せますか?」

「それにはまた彩雲に活躍してもらう。明日の偵察は無理に上空に侵入せずともよい、その代わり港の周りを堂々と旋回させて挑発しゆっくりと艦隊に帰還させる。」

「頭に血が上って追いかけてくるわけですか・・・、今日も良いようにあしらわれているので追いかけて来るでしょう。」

「えてしてプライドの高い相手ほど扱い安い物はない。今日の行動は海軍の連中にも見られているだろうからな、馬鹿にされて次こそは落とせと発破をかけられるだろう。貴族とはそんな連中の塊だよ。」

「我慢強い場合はどうしますか?」

「その場合は港に接近して艦砲射撃が始まるだけだ、そうだ、明日の偵察ではビラもばら蒔かせよう。」

「なんと書きますか?」

「帝国の空軍は無能であり無駄飯喰らいである、海軍も魚に劣る屑の集団である。かな、これぐらい書けば嫌でも出てくるだろう。いくら頑張って集めても全てを集めることなんかは不可能だしな。」

「そして民間人の目が嘲笑っているように感じると。」

「プライドが高いゆえにな、さて思い通りに進めばいいが。」

港に近寄りすぎるのは良くないので艦隊の速度を落として航行することとした。明日の出撃に備えて艦載機を万全の状態にするべく整備員が夜遅くまで整備していた。


次は敵の空軍の殲滅になります(多分)。

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