第三話
内火艇から女性が降りてきて近ずいて来る。
「お迎えにあがりました司令官。私は閣下の副官を勤めさせていただきます藤原 楓中佐であります、なお女神様が司令官の事を心配して、私のことを司令官の元に遣わしたそうです。」
そういう藤原中佐はニコリと笑った。身長170センチの大和撫子風の美人。女神様も粋なことををしてくれる、それに副官を探す必要がなくなったな。とりあえずは服を着替えるとしよう、軍艦に乗るのに甚平姿は滑稽だろう。
「藤原中佐「楓で結構です」・・・では楓君、替えの軍服はないかな?艦に乗るのにこの格好というのはしまらないと思うのだよ。」
「そう仰られると思いまして第2種軍服をご用意しております。司令官のサイズはありませんでしたので特注になりましたが。」
確かに140センチぐらいの軍服なんて特注だろうな、そういえば階級とかはどうなるのだろう?着替えながら聞く。
「そういえば、私の階級はどうなるんだい?司令官ということは少将以上だとは思うんだが」
「他国との交渉などを考えると最終的には総統あたりが宜しいかと、ですが今は艦隊の規模が小さいですから中将でいかがでしょうか?」
総統か、悪いイメージしか浮かばんが、反面教師としてみれば良いだろう。(主にヒトラーとか)着替え終わると内火艇に乗るように促された。
「さあ、大淀では艦長が待っております、あと女神様のご好意で召喚された兵士は全て女性化しておりますので。」
それは好意とは言えんと思うが、いまさら変えれんのだろうな、と思いつつ内火艇に乗る。
大淀 最上甲板
「ようこそおいでくださいました閣下。艦長の高元 椎名中佐であります。」
楓君に負けない美女が出迎えてくれる。返礼した後、
「ありがとう艦長、お世話になるよ。」
「はっ、誠心誠意お世話をさせていただきます。」
さて当面は本拠地になりそうな所探しだな。艦橋に上がりながら質問する。
「楓君、本拠地になりそうな所はないかな?最悪大陸の場所が分かると良いのだが」
「すみません、司令官、生活情報の事は大丈夫なのですが(一般常識の事、貨幣の事なども含む)大陸や国家の事は教わっていないのです。申し訳ございません。」
「いや、かまわんよ。そうなると周辺の索敵からだな、艦長、零式水偵を出して周囲の地形の把握を、二式水戦は上空直掩当ててくれ。数が少ないからゆっくりでいい、三日ほどで足りるかな?」
「二機しかいないですからそれくらいが妥当でしょう。すぐに手配します。」
敬礼し、艦橋に向かっていく。
「これからどうしますか?」
楓君が聞いてくる。
「神州丸に向かおう、上陸部隊のことも用意しないといけないしな。」
「でしたら一度仮眠を取ってください、魔力の損耗が大きい状態で動かれると体に毒です。」
そういえば魔力がなくなるとどうなるんだろう?
「魔力がなくなるとどうなるんだい?」
「魔力が元に戻るまで気絶することになります、閣下の場合丸三日は寝込むことになります。」
「・・・おとなしく寝ます。」
「では司令官室まで参りましょう。」
楓君の後ろについていくのであった。




