第59話
「ああ、よく寝た。」
欠伸をしながら目を覚ますと顔を洗い食堂に向かう、ちょうど食事の時間なので将兵がいっぱいいる。うんく、暗いよりも余程良い。そう考えながらトレイを取ろうとすると、
「閣下に敬礼。」
一人の将校に見つかった、誰かと思ったら艦長だ。おかげで全員が敬礼してくる。
「良くお休みになれましたか?」
「食堂ぐらいは敬礼は構わんよ、休め。それにぐっすりと寝たら疲れもとれたよ、その分腹も減ったけどね。だからここにやって来たんだよ。」
敬礼が解かれたので笑いながら雑談に応じる。
「左様ですか、おい!閣下に食事をお持ちしろ、急いでだ!」
従兵に指示を出し食事を持ってこさせる。
「ありがとう、君達も食事に戻ってくれ。これは命令だ。」
命令でようやく食事に戻ったがまだ緊張は解けていないのか動きが不自然だ。
「長官室でとった方が良かったかな、これでは安心して休むことが出来ないだろう。ああ、そうだ、艦長。」
「は、何でございましょう。」
「今日、大和と武蔵はドック入りさせるから乗員は上陸させといても構わないからね。」
「分かりました。ようやく綺麗になりますね。」
「被弾してから結構たっているからね、よろしく頼むよ。」
「はい!」
早めに食事を終え長官室に戻るのだった。
ーーーー長官室ーーーー
「さて、どれだけレベルが上がったか確認しなければな、メニュー」
ヴァルト レベル252(200アップ) 生命力16000(10000アップ) 魔力 300000(270000アップ) スキルアップ 戦艦24(19アップ) 空母30(25アップ) 巡洋艦80(70アップ) 駆逐艦300(248アップ) 潜水艦120(84アップ) 強襲揚陸艦10(1万トン以上)(5アップ) 戦車揚陸艦50(1万トン以下)(24アップ) 工作艦15(10アップ) ドック艦15(10アップ) 補給艦25(20アップ)特殊艦船5 歩兵230000(199000アップ) 装甲車両2000(1230アップ) 火砲1300(1190アップ) 航空機5000(3300アップ) 追加 自由創造、建造されていない艦船、戦闘車両の開発ができるようになりました。ただし出現までに時間が一日ほどかかります。特殊艦艇として豪華客船の製造が可能になりました。
人類止めてしまったのかな?もはや笑いしか出てこない。というよりそんなに呼び出したら港に入りきらない。急いで北にも軍港を召喚する。規模は前回作ったのと同じ。結果島の大きさが屋久島の2倍程になった。
こんなものかな。次はここの防衛艦隊の整備だ。
旗艦 海上要塞淡路 全長650メートル、全幅100メートル、排水量98万トン、搭載主砲46センチメートル4連装8基(前方4基、後方4基)、高角砲長10センチメートル連装高角砲、艦体上部96基、艦側方80基、40ミリ、20ミリ機関砲多数、両舷上部飛行甲板化(耐46センチ砲弾仕様)、艦載機100機(双発機運用可能)
戦艦 アイオワ、ミズーリ
重巡洋艦 愛宕、摩耶、ミネアポリス、ロンドン
軽巡洋艦 北上、阿武隈、川内
駆逐艦 松型20隻、フレッチャー型10隻
潜水艦 潜高型15隻、ガトー型10隻
これから忙しくなりそうだ。
「楓くん、居るかい?」
艦橋に脚を運び副官を探す。相談したいことがあるから探していたのだ、気分転換の散歩もかねて。港は2つとも広く淡路が接岸できる埠頭も完備している、港内には多数の艦船が細かい整備施設の点検やレーダー等の点検を行い、駆逐艦はソナーを使用して海図の作製に精を出している。空を見れば移動してきた富嶽が着陸し飛行艇達が哨戒に飛び立っている。この基地が戦力になるのは早くとも二月は必要だろう、今はゆっくりと進めるとしよう。
「閣下、お疲れ様です。いかがいたしました?」
艦橋で細かい艦の被害状況を纏めていた楓くんが手を止めて敬礼してくる。
「うん、仕事ご苦労様。聞きたいことがあって探していたんだ。」
「お呼びいただければ直ぐに参りましたのに。」
不満そうに言ってくる、彼女が文句を言うなんて珍しいな。
「すまないね、乗員の視察も兼ねていたから散歩がてらね。おっと、話が脇道に逸れてしまう。用件を言って言いかな?」
「は、申し訳ありません。お茶をお入れします。」
艦橋に置かれている魔法瓶からコーヒーを入れて持ってくる。
「ありがとう、して用件と言うのはここに国を作ろうかと思ってね。どうかな。」
聞いてみると楓くんは笑っていた。
「楓くん?」
「笑って申し訳ありません、ですが先日の武力介入はその為では無かったのですか?舐められないために行ったと思っておりましたが。」
国がどれくらいあるかとか戦力の確認とかが目的だったんだけどなー。まぁいいか。
「それで異論はあるかな?」
「私たちは閣下と共にあります、どうぞご自由にしたいことをなさってください。」
「そうか、じゃあ建国する事にしようか。」
「国名は決まっているのですか?」
「孤島だからニライカナイでどうかな。」
「ああ、かつて大平洋上にあったと言われる都市ですか。良いと思います。」
「すんなり纏まって良かった、で国旗はこれでいいかな?」
青地に歯車を描いている旗を出す、青は海を歯車は艦隊を表している。
「分かりやすくて良いと思います。では全艦の国旗がようやく統一出来るのですね。」
召還してからずっと自国の旗を掲げているわけだからややこしい、大和以下帝国海軍の艦艇は十六条旭日旗、ネルソン以下大英帝国海軍はユニオン・ジャック、アトランタ以下アメリカ合衆国海軍は星条旗、ビスマルク以下ドイツ第三帝国はハーケン・クロイツ、うん混沌としている。さて細かいことを決めるとしよう。
「楓くん、シュラーク群島の防衛艦隊の増強を行うべきと思うんだがどうかな?」
「そうですね、魚雷艇と甲標的では少し荷が重いですね。何を派遣するのですか?」
「戦艦はダンケルク、リシュリュー、空母は飛龍、蒼龍、巡洋艦は三熊、天龍、駆逐艦は松型が12隻。これくらいかな」
「充分ですね、航空戦力も揃ってますし問題はないと思います。空母を付けるのは遠征なども考えておられるのですか?」
首を横に振る。
「諸外国への外征はほかの艦隊が行う、これらの空母はエアカバー用だよ。追撃には必要不可欠だよ。」
「ですね、実史のプリンス・オブ・ウェールズみたいにはできませんからね。艦隊の区分はどうしますか。」
「それはこれからだね、手伝ってくれるかい。」
「了解」
その後長官室に入るのだった。




