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第56話

ーーーーー上陸軍ーーーーー

「司令、接近中の不明機は撃退したそうです。進撃しても問題無いそうです。」

無線員が無線の内容を告げる、これで制空権は掌握できたのだから砦の救援にようやく行けるのだ。(実際は実戦訓練ができるものと考えている、実戦に勝る訓練はないからだ。)

「うん、進撃再開、自走砲は支援砲撃、砦の内外に関わらず眠らせる、弾種は催眠弾。戦車は歩兵と共に砦に突入、行ける範囲でいいので支援しろ、30分後に歩兵は内部に突入する。催眠弾の効果が出るにはそれくらいが妥当だろう。」

「何故だ?」

司令が怒鳴る、すぐに突入すると思っていたので機先が挫かれた形になったためだ。

「あなたは誰が敵で誰が味方か分かるのですか?砦に入られた時点で我々が区別はできんでしょう、仮に言っていることを信用しても嘘をつかれたらどうしようもないです、眠らせてからふん縛った後聞けばいいことです。」

混戦状態になっている中に飛び込めば誰が味方か分からなくなる、何より我々は砦にいたもの達と会ったわけではない、敵として攻撃される可能性の方が遥かに高いだろう。

「後は公爵閣下にお任せすれば良いのです、もう疑問はないですね?無いようであれば行動を開始しましょう。」

周りを見回して他に手を上げるものもいないので命令を伝える。

「では全軍攻撃開始。」

後方から自走砲が砲撃を開始する、指示通り催眠弾を使用して敵陣をガスで包み込む。先程まで戦っていた者達が何だ、と思ったが皆仲良く眠りの世界に連れていかれた、ガスマスクなど無い世界で対抗しろと言うのがどだい無理な話であった。かくして戦っている最中のものから女性兵士を犯していたものまで眠りについた、負傷者は武装解除された後治療が行われた。なお一部逃げた者たちはもう一つの砦に行き壊滅した報告を行った、自部隊も壊滅する危険があると判断した隊長命令で帰国した、あと少しで陥落する寸前であった。なお撤退したため上陸軍は落ち着いて捕まえた者達の処置にあたっている。


「一体何事だ!何が起きているんだ!」

その疑問に答えを返せるものはいない、誰もがその答えを知りたがっているのだから。彼らは先程まで勝ったつもりでいた、現に砦の生き残りを後少しで始末することができたのだから、いざ始末をというときに、大きな音がしたなと思うその後は何も覚えていない。全員今は手足を縛られて広場に集められている、王国の兵士も同じように縛られている。話し声が聞こえたのか徐々に起きているものが増えている。

「くそ、何でこんなことになるんだ!この戦いは圧倒出来るんじゃ無かったのかよ。」

彼は今回の進攻で箔を付けようと戦いに参加した、さして武芸に秀でているわけではないし頭が良いわけでもない。はっきり言えば凡夫だ、自分の力量を理解しているだけ賢いと言えるだろう。ではなぜ彼がすぐに進攻軍に入ることができたのかというと実家が裏金を廻したからだった、その為仲良い者などおらず必然的に孤立もしている。

「騒がしいぞ、帝国の屑共。」

王国の兵士が叫ぶ、彼らとしては自分達よりも優位にあったものたちが捕まっているのが嬉しいのだ、あのままでは負けていたのだから当然だろう。

「何だと!痛!」

文句を言おうとしたがバランスを崩して倒れてしまう。ちなみに鎧や剣、槍は没収されており全員服のままだ、下着姿でも良いのではないかといういう案もあったが女性もいるので却下された。

「おや?皆さん起きられたようですね、気分はいかがですか?」

見たことの無い服を着た女が入ってくる。

「はじめまして、我々は王国に味方しているものです、砦を救援したかったのですが、下手に介入すると我々も敵だと思われてしまいますのでこのような形になってしまいました。大変申し訳ございません、つきましては王国の兵士の方は申し出て頂けますか?解放して砦の警備に付いて欲しいのです。」

大半の者たちが声を上げるが、その女が手を上げて一端止めさせる。

「ですが我々はどちらが正しいのか分かりかねますので、先に嘘をついたものがどうなるのか御見せいたしましょうか。連れてきなさい。」

後ろに控えていた女に合図を送り再び戸が開かれる。そこにいたのは彼の部下だ。

「た、隊長‼助けてください、俺、まだ死にたくないんです‼」

顔が涙と鼻水と涎でべとべとになり見るにかねない状態になっている。

「部下を離せ‼そいつが何をしたというんだ‼」

叫ぶと女が答える。

「女性を犯した事ですね、同じことをしていたものを今処刑中です。これが最後ですからあなた方もこうなりたくないのならば嘘はつかないでくださいね。」

そう言いながらまず耳を削ぎ落とす、悲鳴が上がり血が吹き出す。

「煩いですね、あなた方も似たようなことをしていたでしょう?まあ安心して下さい、片方は残しておきますから。次は目ですよ、切られるのは嫌だそうですので他のにしてあげましょう。あと舌を噛まれてもいけませんから猿ぐつわを噛ませておきましょう。」

猿ぐつわを噛ませたあと取り出したのはトングだ。それを目に突っ込み眼球をえぐり出す。

「あがあああ」

猿ぐつわがされているためうめき声しか出せない、しかしそれでも苦痛の声を上げている、効果は無いが。

「止めろ‼そいつらにするなら私にしろ‼」

必死に叫んだのが効をそうしたのか一旦止まる、だがそこから先の言葉は予想通りではなかった。

「あなた方は捕虜の虐待や女性兵士を犯してはいませんでした、よってあなたを殺す理由にはなりません、そして彼らが自分で行った行為の責任をとるのは当然です、どのような人間も人の責任を代わることはできません。よって諦めてください。」

話は終わったとして処刑を再開する、次に手に取ったのは鋸だ。

「では、鼻を落としますか。」

ゴリ、ゴリ、ゴリ

鼻がそぎおとされ気絶してしまったのか、もう悲鳴も聞こえない。だが女達は容赦しない。

「寝るのは早いですよ、誰か塩水を。」

塩水をいっぱいにしたバケツに兵士の頭を入れられた、目を覚ましたのか暴れようとするが手足は押さえつけられている。

「目を覚ましましたね、後少しで終わりますから。そうしたら楽になれますよ、まああなたに魂の安息なんていらないと思いますけどね。連れていきなさい、後は任せます。彼らの恫喝には丁度良かったですね。」

兵士が引きずられて行く。

「待て、そいつをどうするんだ?」

もう何を言っても無駄だろうと思って駄目元で聞いてみる。

「このあとハーフトラックに縛り付けて引きずり回された後戦車のキャタピラで踏み潰します。限界まで生かしておきますので心配しないで下さい。」

女が答えた後こちらに顔を向ける、それもとびきり良い笑顔で。

「では嘘をついたらどうなるのか分かりましたね?賢明な判断を期待しておきます。」

当然嘘をつくようなものはおらず、スムーズに捕虜と友軍の仕分けは終了するのだった。

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