アルシェですか?勇者さま。①
「そんな・・・猛毒、、の筈、、、」
「うん。猛毒だよ♪」
実際に凄い物や事でも、軽く流されると、、、
本人は不安になっちゃうよね?
『え?、、実は凄くないかも??』
いえいえ。凄いのです!
ただ、人によって感想が違うだけなのです。
な・の・で、、、
『凄い』と言ってもらえるだけで勇気が持てるのです。
では、『アルシェですか?勇者さま。①』
お楽しみ下さい。
ではでは。 ふえん
「何で?…何をしているんだ!…私は、、」
アルシェは混乱する。
人間の勇者…憎い敵だ!!
何で殺そうとした相手に自分の名前なんて教えて会話してるのよ!
だが、フェンに問われて、なぜか自然と素直に名乗ってしまった。
違う!憎い敵だ!
じゃあ、簡単じゃない!
会話などせず、思うままに罵倒して批難を浴びせればいいだけじゃない!
解っている。
そう。憎い敵。
…な、筈なのに…
自分の心の痛みが、そうは言っていないのだ。
目を開け、勇者フェンの姿を見た瞬間、人間への怨みから嫌悪した、、が、
心の隅で『生きててくれて良かった。』と思ってしまった自分が居るのだ。
私を『護る!』と言ってくれ、事実、仲間であるはずの人間の男の前に立ちはだかり護ってくれた。
私が咬み付き殺そうとしているのを解った上で避けずに咬まれてくれた。
…咬まれてくれた…?
そうだ!、、この勇者、、フェンは私に咬まれたのだ。
人間に対する今までの怨みを全て込めて…全力で。
なのに…なぜ?、、なぜ死んでいないの?
私の毒は本物だ。
自分ではどんな強さの毒なのか、なんて分からないが、両親は近所の人達に『優秀な自慢の娘だ』と言い回った程だ。
森での己の毒を使った弓矢での狩猟の練習でも、同年代の子供達では一撃では仕留められない獲物もアルシェなら一撃だった。
ハッキリ言おう。
死なない訳がない。それも人間が、だ。
死なないのは同じ蛇人族の者だけの筈だ。
だが、こうして勇者フェンは何事も無かったかの様に私に話し掛けている。
まさか人間の勇者は不死身だとでも言うの!?
勇者、などとは言っても劣等種族の人間なのだ。
魔王様が人間の勇者に討たれたと聞いた時は、最初は誰も信じなかった。
だが、今なら想像出来る。
もし勇者が不死身だとしたなら、幾ら魔王様が強くても倒されてしまうだろう。
コイツも?…この勇者フェンという男も、、まさか不死身なの?
アルシェの妄想は止まらない。
何て事だ!!
私が不死身の勇者を倒すなんて最初から無理に決まっていたのだ!
腹を立てた勇者が…
不死身の勇者が一人でも、魔物の世界、、私自身は行った事の無い故郷、、魔界に攻め込んだとしたら…?
不死身の身体を使い、また多くの私の同胞達を殺し尽くすのだろうか?
私は何て者に手を出してしまったのだろうか…
いや!、、そんな事…させない!許せない!
アルシェは知らない。
当のフェンにはそんな気は更々無いし、ましてや不死身でも無いのだが…
「だ、大丈夫だよ。大丈夫。何の心配も要らないよ。」
勝手に私を心配しているらしいフェンがまた同じ言葉を掛けてくる。
何を想像しているのか青ざめるアルシェがフェンは心配になったのだ。
勝手な!!…原因はお前だ勇者!、、アルシェは思う。
勇者…何とかして殺さないと…。
だが、、どうすれば?
不死身だ、なんて言ったらどうにもならないではないか!!
殺せないなら…
何処かへ閉じ込める?
拘束して動けなくする?
封印する?…なんて知識すら無いし、、。
先ずは相手の情報を得なきゃ…
幸いな事に勇者フェンは私を少しも疑っていない様だし…。
「貴方!…私に咬まれて…咬みつかれて…何で平気なのよ!!」
駆け引き無しの、、アルシェが一番聞きたい事だ。
「貴方、なんて呼び方は止めてよ。僕はフェンだよ。フェンって呼び捨てでいいからね。勇者も要らないよ。」
何を気楽な事を言っているんだ勇者…いや、フェンは。
アルシェの最悪な想像は一つの仮説に行き当たる。
まさか…私、あの施設で知らない間に毒を生成出来ない身体にされて…?
その事を知っていたからフェンは、わざと避けずに咬まれたの?
…いや、それは無い筈だ。
人間の目的は『より強い毒を持った蛇人族の血液から精製した解毒剤』を作る事の筈だ。
わざわざ優秀で有用な素材であるアルシェを無毒化する必要が無い。
まあ、より強い毒を持った蛇人族が捕まり、血清作りに私が必要無くなった、とか…
そして不要になったアルシェを今度は性奴隷として使おう…とか言うなら無毒化しようと考えてもおかしくはない。
いや、違うな。あの施設に蛇人族は私とあの子の二人しか居なかったのだから…
だが、勇者フェンは言っていたのだ。
『この子には毒なんて無い!』と。
まさか、、事実なの?、、知っていた?、、フェンは私に毒が無い事を?
私、、知らぬ間に蛇人族の最大の武器である毒を奪われてしまったの?
個人の尊厳を奪い、抗う手段さえ奪われていたの?、、私は…
だったら分かる。
なぜ勇者フェンが私に咬まれて平然としていたのか…
アルシェは絶望に襲われる。
もう、、私、、人間に好き勝手される生活を送るしか無いの?
私、、、
涙が溢れる。
何でこんな事に…
『ビクッ』…っ!!
そんな…まさか…
悪いイメージが悪いイメージを呼ぶ。
まさか…私…まさか…あの貴族が生きてる…かも?
友達の仇を取る為に咬み、殺した筈の貴族の男。
まさか咬んで傷を付けただけで、、生きて…
・・・許せない!!
アルシェの中に黒い憎悪の気持ちが起こる。
「駄目だよ、駄目。女の子がそんな顔しちゃ…」
雰囲気の変化に気付いたのかフェンが声を掛ける。
怒りに我を忘れそうになっていたアルシェも『はっ』っと我に還る。
…無理だ…毒も奪われた今…私があの貴族の男を殺す事なんて…
続くフェンの言葉はアルシェには予想外だった。
「それと、アルシェの毒は凄く効くから…もう誰かを咬んだりしちゃ駄目だよ?」
「・・・・えっ?」
何を?…今、、さらりと何か言った、、?
「・・・今、、毒って・・・」
「うん。駄目だよ。僕でも少しビリビリしたんだよ?」
「他の人を咬んだりしちゃ絶対に駄目。解った?」
「そ、そんな…私の毒は…奪われて…そんな、、無くなったんじゃ…」
「ううん。凄い毒だから誰かを咬んじゃ駄目。普通の人だったら死んじゃうよ?」
「・・・えっ?死ぬ?、殺せるの?」
フェンの言葉の意味が良く頭に入って来ない。
凄い毒?…誰の?…私の、、毒?
その『凄い毒』を受けた本人が平気な顔をして『凄い毒だよ♪』なんて言われても信じられる訳がない。
「嘘っ!私に毒は無いって言ってたのはフェン、貴方じゃない!!」
「嘘じゃないよ?本当だよ。凄い毒なんだ。だから…駄目、、お願い。」
当然だが、アルシェにはフェンのお願いを聞く必要も無いし、借りが在る訳でも無い。
…何を言っているんだ、この勇者は!
でも・・・
だとするなら、フェンの言っている事、、アルシェの毒は無くなってなんかいないのなら…
やはり、施設の男…貴族の男は死んだの?
それだけは信じたい。
仇は取れたのだ、と。
「ね?、、返事を、、約束してよ?もう咬まないって。」
答える必要なんて無い!
この場で『もう咬まない』って嘘を吐くのは容易い。
だが、人間相手に嘘を言うなんて私の、、蛇人族のプライドが許さない。
甘い諫言で私達を騙す嫌悪すべき人間なんかと一緒になってたまるか!!
答えの代わりにアルシェは聞く。
「なぜ?…じゃあ、なぜあの時、私が猛毒を持っていると知った上で…咬まれてくれたの?」
そうなのだ。普通に考えれば私を避けて、容易く斬り捨てられて当然な筈なのだ。
何せ私は、勇者フェンを『殺すつもり』で咬み付こうとしたのだから。
だが、私の動きは寒さで鈍重だった。
牙を剥き襲って来た相手に『はい、どうぞ。』と手を差し伸べる者など居る訳がない。
だが、、居たのだ。
目の前に居る、勇者フェンは…
まるで私の気持ちが解っているかの様に…
まるで人間の責任は僕の責任だと言わんばかりに…
私に腕を差し出し…咬ませてくれたのだ。
私は咬んだ。
人間への全ての怨みを込めて…全身全霊を、この牙に込めて咬んだのだ。
この勇者フェンが私に何かをした訳ではない。
私が、、私が人間にぶつけたかった感情、、怒りを、フェンは自ら受け入れて、受けとめてくれたのだ。
なんで?
私も気付いていた。
魔王軍として参戦した蛇人族の大半を倒したのは、軽装鎧を纏った大柄な戦士だったという。
蛇人族の、、赤目族の猛毒を物ともせずに同胞達を倒しに倒したそうだ。
無数の牙を受けながら、同胞達を薙ぎ倒し、帰り血を浴びて真っ赤に染まりながらも、尚、死ぬこと無く動き続ける…悪魔。
そう。蛇人族、誰もが思った。悪魔だ、と。
人間の国からやって来た、赤色の悪魔。
名をガルンと言うらしい。
戦いが終わって、なお、一族に伝わる恐怖の存在だ。
そう。気付いている。
勇者と名乗っていても、フェンは赤色の悪魔でもなければ、アルシェ達を苦しめた施設の人間でもないのだ。
なのに、、なぜ?
なぜ、フェンは私の牙を受け入れたの?
フェンは答える。
「君を、、アルシェを護らなきゃ…って思ったんだ。」
…何を?…おかしいと思わないのか?、フェンは。
アルシェは解らない。
私を『護ろう』とする者が私の牙で死んでしまっては本末転倒だ。
『護る!』と言っている本人が死んでしまっては、私を護れる訳がないではないか。
「貴方が死ねば、もう一人の男、、リクと言ったか、、に私は殺されたでしょう、、」
「それでも咬まれたのは、私を護る為だったと言うの?」
「うん。君は僕が護るよ。絶対に。」
何処にそんな自信が在るの?
確かに、実際に今、フェンは生きており、私も生きている。
でも、それは結果でしかないのだ。
「私を護る、と言うなら、何で咬まれたりしたのよ!!」
「だから護る為だよ。」
…解らない。
「護ると言うなら咬まれる必要なんて無いじゃない!、、それを…」
「ねぇ、アルシェ、聞いて。」
「君は人間にとって危ない存在だと思われているんだ。」
「その場しのぎで事を収めても、皆、またきっと君をまた殺そうとすると思うんだ…」
「だから僕は咬まれたんだよ…アルシェに。」
「赤目の蛇人族の毒が強力なのは本当だよ。僕も体感したし。」
「でも…猛毒を持っているからって、君は、、アルシェは危険な存在なの?」
「蛇人族、一族皆の事じゃないよ?、、アルシェ自身はどうなの?」
「僕に咬み付こうとしたみたいに、人間なら誰でも理由無く咬み付きたいと思ってるの?」
…そんな訳はない。
私だって、見境無く全員に咬み付こうとしている訳ではない。
私だって、、、
そう。私だって、自分の身を守ってもいいじゃない!!
それを…
人間は平気で言うのだ。
先に武器を手に襲い掛かって来ておきながら、こちらが反撃すると途端に、、
、、攻撃された、、襲われた、と。
そして、人間は口々に言うのだ。
『赤目の蛇人族に咬まれる被害が、、、』と。
悔しい。
私が…私達の仲間が何をしたと言うのだ。
一方的に目の敵にされ、襲われ、奪われ、虐げられているのは、、、
悔しくて涙が溢れる。
許せない、、許さない!
人間は、、敵だ!
そう。この男、、勇者フェンも!!
悔し涙を流すアルシェにフェンはもう一度、問い掛ける。
「アルシェは違うよね?誰にでも咬みつきたい訳じゃないよね?」
アルシェの思いが爆発する。
「違わない!…村の皆も死んだ!…友達のあの子も…人間が殺したんだ!」
「人間は誰でも殺す。…なら私も誰でも殺す!…敵だ!、、人間は敵だ!」
「それはお前も同じだ!…フェン、お前も敵だ!、、そしてお前も殺す!!」
ショックだった。
護りたいと思う相手から、敵だ、と言われ、殺す、とまで言われた。
ショックだった、、が、、
フェンは思いを、直感を曲げない。
「うん。いいよ。」、、フェンはアルシェに告げる。
「えっ?」、、何が?何がいいの?
「アルシェ、僕を殺してもいいよ。」
・・・殺しても、、いい?
何を言ってるんだ、この男、、フェンは?
アルシェは言われた意味が解らない。
解らない、が、そのままの意味だとするなら、、
また私に『咬み付いてみろ』、とでも言いたいのだろうか?
私の牙、、毒では勇者フェンを殺せないのは判っている。
なら、、、
…剣で刺し殺せば良いのか?
…火で焼き殺せば良いのか?
…川で溺れさせれば殺せるのか?
勇者を殺せるイメージが思い浮かばない。
「うん。アルシェが本当に僕を殺したいなら。」
「だから、、どうやってよ!!」 アルシェは叫ぶ。
出来ない事を上から目線で『やっていいよ』なんて、、、
その気も無い、唯のポーズだ、、悪趣味な皮肉でしかない。
「うん。殺していいよ。但し、約束して欲しいんだ。」
約束・・・何を?
「僕と勝負しよう。」
勝負?・・・そんなの力で勇者になんて勝てる訳ないじゃない!!
「そんなの無理に、、、」
言い切る前にフェンが告げる。
「剣とか、直接戦うとかの勝負じゃないよ。」
・・・えっ??・・・じゃあ一体?
「アルシェ、君の心で勝負しよう。」
・・・私の・・・心??
「何を言って、、、」
「僕を殺してもいいよ。但し、明日の朝、僕が確認した後で、だよ。」
「勝負はアルシェの心、、気持ちが変わるかどうか、だよ。」
「私の気持ちって・・・?」
「今、アルシェは僕を殺したいんだよね?」
「そ、そうよ!勇者フェン、、貴方を殺す!」
「うん。じゃあ、明日の朝までに、今の気持ちが、少しでも変わったら僕の勝ち。」
「もし、今の気持ちのまま…明日の朝、僕を殺す以外の気持ちが、ほんの少しも起きていなかったらアルシェの勝ちでいいよ。」
「いいの?私の気持ちなんて、私がどうとでも言えるのよ?、、嘘だって幾らでも言え、、」
「いいよ。」 アルシェが言い終わる前に了承するフェン。
「但し、今晩だけは僕を殺したいって気持ちは忘れて、、僕の物になって欲しいんだ。」
・・・えっ?、、僕の物って?
「な、何を言って・・・」
「どうする?…アルシェは僕を殺したいんだよね?」
「!!、、ええ、そうよ!」
殺したい!、、でも、その方法が思い浮かばないのだ。
「僕は命を掛ける。・・・アルシェは何を掛ける?」
「わ、私も、命を掛けるわ!!」
当然だ。命は同価値だとは言わないが、フェンが命を賭けるなら、私も、、
だが、フェンは微妙な顔をする。
「・・・僕はアルシェの命を貰っても嬉しくないよ?」
「じゃあ、何を賭けろと言うのよ!…私には他に何も無いのよ、そう。何も!」
そう。奪われた、人間に。
全てだ。
蓄えも、、家族も、、友達も、、アルシェの物である筈の人生の時間さえも、だ。
「私は命を掛ける!!・・・後は好きにすれば良いじゃない!!」
アルシェは思う。
どうせ私の気持ち一つなんだ!・・・負ける訳がない!
明日の朝、勇者に向けて『お前を殺す!』と、一言告げれば勝てるのだから。
誰が考えても不利な筈のフェンだが、、
「うん。じゃあそうするよ、決まりだね。」
「あ、最初に言っておくけど、僕は勝っても負けてもアルシェの事を殺したりしないよ。」
「貴方の勝手よ。、、でも私は勇者フェン、貴方を殺す事に変わりないわ!」
…何を考えている?…いや!関係無い!…勇者フェン、お前の命は今夜限りだ!!
「じゃあ、勝負を始めるよ?…準備はいい?」
もう?、、命懸けの勝負なのに?、、こんなに簡単に始めていいの?
でも、、準備?・・・武器で戦う訳じゃないのだから、準備なんて、、、
「何時でもいいわ!」 アルシェは答える。
「じゃあ、、始めるよ、、」
不意に、、あまりに自然にフェンが動く。
『ギューッ、、、』
急にアルシェはフェンに抱き締められた。
「き、キャーーッ!!、、は、離して!!」
「駄目、離さないよ。」
アルシェのお願いは呆気なくフェンに断られる。
「な、何でこんな事・・・」
「今晩は僕の物になるって約束だよね?」
「そ、、それは・・・そうだけど・・・」
フェンは私をどうするつもり?、、僕の物に?、、私を犯すつもりなの?
だが、開始と同様、またもやフェンは迷い無く言う。
「今なら止めてもいいよ。当然、勝負も無かった事に・・・」
「駄目!!・・・いいわ!、止めない!、勝負よ、フェン!」
ムキになって可愛いけど、その理由が『僕を殺す』っていうのは何だか悲しい気がする。
だが、フェンも至って本気だったのだ。
未だにフェン自身も自分が感じた気持ちの正体が良く解らないでいたのだ。
だが、これだけは確かだった。
『アルシェの事が欲しい』という気持ち。
その為なら命を掛けてもいいと思う程に。
誰もが気付く筈だ。
フェンがアルシェに向ける気持ち。
それは・・・好意だ。
アルシェを見た瞬間から、フェンは好きになったのだ。
周りから見れば『ただの一目惚れだよね?』と言われそうな話なのだが、、、
それに気付いていないのはフェン自身だけだった。
フェンはアルシェを抱き締める。
アルシェを護る。
フェンはそれだけの為に行動しているつもりだったのだが…。
抱き締めた瞬間、流石に鈍感なフェンでも気付いた。
離したくないのだ。アルシェを。
あれ?僕、、アルシェさんの事・・・好きに・・・?
まだ出逢ったばかりの相手なのに?
フェンの気持ちなど関係なく、アルシェは思う。
・・・何よ!、、たった一晩よ、一晩!
あの施設での長い生活に比べれば、何をされても我慢など、ほんの一瞬だ。
どんなに酷い事をされても私の気持ちは変わったりしない!
フェンは私を殺さないと宣言したのだから急に殺されたりはしないだろう。
そもそも殺すつもりなら、あの山の峠で殺されていただろうから。
考えられるとしたら・・・
死なない程度に拷問して、心を折るつもりか?
それとも犯し、凌辱して女として屈服させるつもりか?
残念だったな、勇者フェン!
私は人間の非道さを知っている!
何をされても折れたり、、負けたりしない!!
アルシェの決意は固い。
だがフェンはあくまでも優しくアルシェを抱き締める。
アルシェは油断しない。
却って更に警戒する。
・・・早く本性を見せろ! 邪悪な人間がっ!
何をするつもりだ?・・・拷問か!・・・凌辱か!
何でも好きにすればいい。
だが、私は勝つ!!
そして勇者フェン!・・・お前を、、殺す!
あれれ?、、良いのかな?
命を賭けての勝負だなんて・・・。
アルシェの気持ちは変わる?変わらない?
フェンには何か考えが有るのか?
次話もお楽しみに♪
ではでは。 ふえん




