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11 遥佳と真琴はドリエータで暮らし始めた4 (ヴィゴラス)


 ドリエータにある治療院を運営しているのは、ハミトとレイノーという二人の医師だ。

 この治療院は患者の家族が協力し合うことで看護人や世話人の人件費を安く抑えている。そうして傷ついた人や病んだ人を格安で診察することができていた。

 ぎりぎりの運営なのに支払いを踏み倒す患者が後を絶たず、何度も閉鎖を考えた二人である。

 けれども最近は10代前半の少年少女を午前中だけ手伝いとして雇い、そして隔日で午前中という契約にも(かか)わらず連日で働いてくれる薬師を住み込みで雇ったことから、医師達の負担は激減していた。


「あー、やっと一息ついた。そろそろ昼飯にすっか。あれ? 今日は珍しくハールカが配膳じゃなかったな」


 午前中の診察を終えたレイノーは、大きく両手を伸ばして背中をボキボキ鳴らし、ハミトに話しかけた。冷えきった食事はそこに置かれたままだが、今日は誰が運んできたのだったか。


「最近は厨房の手伝いしてくれる人も増えたからな。ハールカが、手伝ってくれる家族の人には、お礼代わりに野菜を分けてあげてるだろう。あれ目当てで掃除や洗濯も人が増えた」

「何だかなぁ。あの子は優しすぎる。そもそも医者常駐って時点で普通はもっと金がかかるんだよ。それをまとめて預かり、家族が手伝うってことで安くしてんのに、どいつもこいつも家族は忙しいだの、他の奴だって家族は来てないだのと・・・。それであの子が負担するんじゃ何にもならねえってのに」


 レイノーが不機嫌なのは、そこにある。


「俺達は仕方ねえ。(だい)の大人が諦めて受け入れた忙しさだ。けどな、ハールカとマーコットはまだ子供で、社会の仕組みも何にも分かっちゃねえ。ちゃんと診察の手を止めてでも家に帰らせろよ、ハミト」

「そこはイスマルクにも頼んであるんだが。たしかさっき、マーコットと戻ってきて裏庭にハールカを捜しに行った筈だが、・・・それから戻ってきてないのか?」


 ハミトも毎日のように、もっと働こうとする遥佳を止めているのだが、時には手が離せないこともある。

 だからイスマルクに子供達の時間管理を頼んでいた。


「畑をいじり始めたら止まらなくなったかね。だが、たとえ飯の量が減ろうが何だろうが、子供をなし崩しで働かせるもんじゃない。そこは割りきれよ、ハミト」

「それはイスマルクも同意見だったんだが」

「まあいい。収穫した野菜を運ぶのが大変なら手伝ってやるか」


 しょうがないなと裏の畑まで様子を見に行ったハミトとレイノーは、自分達の見ているものが信じられずに立ち尽くした。


「あ。あのね、ハミトさん、レイノーさん。よかった、来てくれて。えっと、・・・この子ね、ここに落ちてたの」


 そこには、ジンネル大陸にはいない筈のグリフォンがいたからだ。

 ゲヨネル大陸にいるとされるグリフォンは、自分の宝を守る為ならどこまでも狂暴に荒れ狂う、大鷲の上半身とライオンの下半身を持つ幻獣である。


「この子ね、とってもいい子なの。ヴィゴラスって言うの。お腹空いてても、うちの牛も山羊も鶏も襲わなかった、そんな理性の塊みたいなグリフォンなの。ちゃんと人が言ってることも分かるし、畑の(うね)も作ってくれたし、それで泥だらけになった脚も小川で洗って綺麗にしてしまう、衛生観念もしっかりあるグリフォンなの」


 上目遣いでハミトとレイノーの様子を窺ってくる遥佳は、ヴィゴラスがいかに賢くて立派なグリフォンかを、おどおどしながらもしっかりアピールしてくる。

 その向こうには、グリフォンの背中に乗ってはしゃいでいる真琴がいた。


「うっわぁ、この翼の間ってかなり安定感があるよっ。なんか頭も色がかなり混じってない? 観賞用でも人気が出そうっ。これで人前に出てこないだなんてカッコよさの無駄使いだよねっ、グリフォンって」

「キュイ」


 そのグリフォンの後ろ脚に、イスマルクは革ベルトのようなものを締めている。


「あのなあ、ハールカ。グリフォンが賢いのは分かるが、うちは貧乏な治療院だ。グリフォンが喜ぶような宝石や黄金なんてねえし、グリフォンは宝物がないと大暴れすんだぞ。さすがに治療院を壊されちゃあこっちも困るってもんでな」

「大丈夫。ヴィゴラス、別に宝石が欲しくて来たわけじゃないから。あのね、レイノーさん。ヴィゴラスは違う宝物が欲しくて来たんだけど、もうそれは手に入れたの。だけど疲れたからしばらくはここでのんびり過ごしたいんですって。とても温和で優しいグリフォンなの」

「い、いや、ハールカ。そりゃマーコットをああやって乗せてくれてるんだから大人しくていいグリフォンなのは分かるんだが、そういう問題ではなくてだな。野生の生き物は人間が手を出すべきではないというか、見つけた元の場所に戻してくるのが鉄則というか・・・」


 ハミトがグリフォンを刺激しないよう言葉を選べば、

「ここの畑で見つけたの」

と、遥佳が小首を傾げる。


「ここのお野菜が気に入ったみたいなの。お野菜食べたお礼にって、畑も耕してくれたの。それにとっても綺麗な子なのよ。無駄吠えもしないし、トイレだってあちこちにしないの。ちゃんと責任持ってお世話するから。ねっ?」


 お願いポーズの遥佳だが、一体どこまで生き物を拾ってくるのだろう。


――― 普通、子供が拾ってくる生き物ってのはせいぜい傷ついた小鳥か猫か犬じゃないのか、おい。

――― きっとハールカは拾い物の才能があるんだ。そして俺はそんな人材を見抜く才能があったんだ、きっと。ああ、そうに違いない。

――― 言ってろ。


 ハミトとレイノーはこそこそとそんな会話をしながらも、やがて大きく溜め息をついて顔を見合わせた。


「俺、この国でグリフォン見る日が来るとは思わんかったわ。どうするよ、ハミト」

「そうだな。ゲヨネル大陸に行かないとまずお目にかかれない幻の存在だと俺も思ってたよ」


 しかし、そこで踏み込んだ話し合いに持ち込めなかったのは、グリフォンは言葉こそ話せないが、人の言葉を理解する生き物だからだ。

 しょうがないなと、レイノーがぽりぽりと赤毛を掻きながらそこで決定を下す。


「分かった。ここは貧乏な治療院で、グリフォンが欲しがるような宝物など一個もねえ。それでも貴重な幻獣がこの大陸まで訪れたんだ。マーコットの野菜でグリフォンが満足してくれて、その野菜の提供もハールカとマーコットが納得してるなら、遠慮なくもてなしてあげりゃいい。けどな、ハールカ。それなら責任もって、君達がそのグリフォンとなるべくいなきゃ駄目だ」

「え?」


 遥佳がレイノーを見上げる。その瞳は前髪で隠されているが、きょとんとした感情が十分に伝わってきた。


「グリフォンはまずこんな下界っつーか、人里にゃやってこねえ幻獣だ。ああやってマーコットを背中に乗せてくれるんだから、かなり理性的かつ温和な性質の個体だと分かる。けどな、人間なんつー生きもんは、恐ろしさに怯えるか、金儲けに使おうと考えてしまうもんなんだ。ハールカ、グリフォンなんて貴重な生き物を見られたならラッキーと思う人が大半とはいえ、世の中にゃ変な行動に出る奴もいる。ここでグリフォンを攻撃されて怒らせたらとんでもねえことになっちまう」

「え? だけどヴィゴラス、いい子だから攻撃する必要ないのに」

「それでも捕まえようと攻撃する愚かな奴はいる」


 レイノーは遥佳に言い聞かせた。


「ここはゲヨネル大陸じゃねえ。いくら賢いグリフォンでも、一方的に攻撃されたならどれ程に怒り狂うことか。グリフォンが本気で怒ったなら、家などすぐに壊されるし、人も簡単に殺される。グリフォンの言葉は人間には分からないんだ。互いに傷つけあうようなことが起きてからでは遅い。一緒にいることで、誰かに『自分が一番に見つけたんだ』なんて言わせちゃいけないんだ。分かるな?」

「分かったわ。なるべく一緒にいる。せっかくだから色々と案内してあげたいし」

「いや、久しぶりに会った親戚じゃないからな?」


 レイノーは、ちらりとヴィゴラスを見る。

 フッと、グリフォンが鼻で軽く笑ったような気配がした。


「まあ、いいよ。ただ、夜はどうするかだな。ハールカ、グリフォンはそこらの牛や山羊とは違う。馬小屋に入れておきゃあいいってもんじゃねえ」

「そうなの? ここの馬小屋、広いからいいかなって思ってたんだけど」


(別に俺は小屋などなくても眠れる。濡れようが何しようが特に問題ない)


 ヴィゴラスの心が発した呟きに、遥佳が振り返る。

 

「ハールカ。欠片は後ろ脚にベルトで(くく)りつけたし、日中はここに飛んできて一緒に遊ぶとしても、夜はどこか山の中で休んでもらえばいいんじゃないのか?」


 頑丈な革ベルトに聖神殿の欠片を入れこんでヴィゴラスの後ろ脚に取り付けたイスマルクが、やっとそこで話に加わった。

 前脚は攻撃に使ったり、細かい作業をしたりするので外れやすいだろうと、イスマルクは後ろ脚に取り付けたのである。


「山って、それは駄目よ。またヴィゴラスが変なガスに巻き込まれたら・・・」


 そこでいいことに気づいた遥佳は、ハミトとレイノーに向き直った。


「あのね、じゃあ、ちゃんと責任もって寝る場所も用意する。だからお昼からはここで一緒に遊んでもいい?」

「まあ、それなら・・・。だが、大丈夫か? グリフォンはそこらの家畜小屋なんかじゃ眠らねえ。それこそイスマルクが言う通り、グリフォン自身にいい山頂を見つけてもらった方がいいんだ」

「よく知ってるな、レイノー」

「話だけはな。ここがもっと人目のない場所なら熱烈歓迎だったが、うちには兵士もよくやってくる。いつ欲深なことを考える奴が出るともしれん。俺だってここの責任者じゃなきゃ、幻獣なんて真っ先に近寄って仲良くなりたかったさ」


 ハミトの言葉にレイノーがぼやく。


(基本的にはどの種族も互いを尊重するっつう約束事がある。しかしその約束を守らねえ人間がいるのが現実だ)


 本当はこのままグリフォンに立ち去ってもらうべきなのだ。互いに傷つけあうことにならないように。

 自分の幻獣に対する憧れが遥佳に強く言わせないのだと、レイノーは自覚していた。


「それなら大丈夫よ、レイノーさん。ヴィゴラス、いい子だもの。これから仲良くなれるわ。それにね、誰も使ってない建物を知ってるの。そこに夜はヴィゴラス、連れていくから」

「まさか他人の別荘か何かを勝手に使う気じゃなかろうな、ハールカ?」


 さすがにハミトが口を挟む。


「ううん、うちの親の別荘。だけど不便な場所だから、誰も使わないのよ。ヴィゴラスなら飛んでいけるでしょ。その周辺もうちの親のものだから、誰も近寄らないわ」

「ならいいんだが。・・・だそうだ、レイノー」

「それなら問題ねえか。全くどこまでお嬢様だ、おい」


 レイノーは面白がるような目になって遥佳を見下ろした。


(本当に規格外な子供達だな。大人しそうに見えてハールカもぶっ飛んだ子だ)


 レイノーは遥佳達を連れてきたハミトよりは客観的な視野に立てる。だからその辺りは冷静に遥佳を評価していた。


(ハミトにゃ怖がりで傷つきやすい女の子にしか見えてねえようだが、誰にでも攻撃的な偏屈(へんくつ)ジジイすらハールカには気ぃ(つか)ってやがる。この子に嫌われたくねえってな。宝石や黄金にしか興味を示さねえグリフォンが懐いたってのも、この子供らだからだろうよ。他の子供ならそれこそ血の雨が降ってたかもしれん)


 そこでイスマルクが口を開く。


「ハールカ。このヴィゴラスをどこに連れて行く気だ?」

「えーっとね、イスマルクと初めて会った場所。あそこなら誰も来ないし、広いし、それに私達が自由にしていい畑もあるでしょ」

「あ、そっか。そうだよね」


 イスマルクに問われて遥佳が答えれば、真琴も納得する。

 その口調に、(くだん)の別荘とやらはかなり広いのだろうかと、ハミトは眉間に皺を寄せてしまった。


(ここはもう二人の素性を訊くべきなのか? だが、二人がそれを問われたくないのも分かってる)


 知らなければ知らなかったですませられる。知ってしまえば義務が生じるけれど。


(いや、俺達こそが知りたくないと言うべきだろう)


 ハミトは自分よりも小さな遥佳の頬をそっと撫でた。


「ハミトさん?」

「いや。俺は君達を信じてるよ、ハールカ」


 遥佳と真琴がやって来てから、治療院はかなり順調だ。栄養豊かな食事が出され、身寄りのない怪我人や病人も、二人をまるで自分の子供や孫のように可愛く思っているから気力が出てきている。

 薬師として働くイスマルクもまた有能で、さすがのハミトとレイノーもイスマルクが神官の位を持っていることには気づいていた。


(頼めば神官様も来てはくださる。だが、それでは他の患者がざわつくんだ。どれくらいの謝礼が必要か、それはもう助からないってことなのかなどと。だからこそこっそり祈りの儀式をしてくれるイスマルクが、時に死を待つばかりの患者にとってどれ程の希望になっているだろう。彼目当ての娘さんが洗濯を手伝ってくれるのも有り難い)


 だからハミトはそれ以上の思考をストップさせて尋ねる。


「なら、ちょっとそのグリフォンに近寄ってみてもいいかな? 幻獣がゲヨネル大陸を出てくることはまずない。この先、二度とお目にかかれないかもしれないんだ。俺もグリフォンを近くで見てみたい」

「ハミトさんとレイノーさんはお医者様なの。ヴィゴラス、いい?」

(かまわんが男にベタベタされたくない。程々にしておいてくれ。ハルカとマコトはずっと俺と一緒にいていい)

「あのね、ハミトさん。ヴィゴラス男の子だから、触るのはいいけど抱きついてキスしたり、全身撫でまくってうっとりするのはやめてねって。男の人にそれされちゃうと、男の子だから複雑な気分になっちゃうんですって」

「分かった。さすがにキスは考えつかなかったよ。レイノー、撫でていいそうだぞ。良かったな」

「あ、ああ」


 遥佳はいつもこんな感じで小さな子供達の具合をハミト達に説明するのだ。

 だからハミトは遥佳の言葉を疑わなかった。


「そこの顎の下がふわふわしてるの。鶏さんの羽毛も真っ青になるぐらい素敵なのよ。だけど翼の方はあまり触らない方がいいの」

「へえ。・・・本当だ」


 レイノーが恐る恐る、顎の下を撫でる。


「あのね、レイノーさん。グリフォン好きならこの抜けた羽あげるって。だけどね、この羽、気をつけて触らないと手が切れちゃうの。根元を持って、何かに挟むか貼り付けておいた方がいいと思うわ」

「すげえ。なんて頑丈な羽だよ。なあ、おい、ハミト。これ、診察室に飾るか? 毎日見られるところがいいよな。見ろよこれ。鉄でできた羽って言われても信じるね」

「落ち着け、レイノー。そんなところに飾ったら子供達が欲しがってうるさくなるぞ。こんなでかくてグラデーションもはっきりしてるんだ。お前の休憩部屋か自宅に飾れって」


 気がかりが消えたレイノーは、かなり感激していた。グリフォンの翼部分にあった羽は、とても大きい。


「ハールカはグリフォンの言葉が分かるのかい?」

「何となくだけど」

「そうか。病人の気持ちといい、ハールカはそういう才能があるんだな」


 ハミトの紛れもない賛辞に、遥佳はくすぐったそうに頬を桃色に染めた。






 遥佳と真琴が話し合った結果、第7神殿まで真琴がヴィゴラスの背中に乗っていくことになった。


(別に二人ぐらい乗せていける。ハルカも乗るといい)

「あのね、ヴィゴラス。あなたがどれくらい速く飛べるのか分からないけど、もしも振り落とされてしまったら私だと死んじゃうの。だけどまだ真琴ならどうにかなるわ。だから私は馬で行くわね」

(何故マコトだと死なないのだ?)

「えーっと運動神経がいいから、かな?」


 さすがに女神の子供だからとは言い辛く、遥佳はそうごまかした。

 今夜は第7神殿でヴィゴラスと一緒に、遥佳と真琴、そしてイスマルクも寝泊まりするのだ。

 イスマルクも一緒と聞いてむぅっとしていた真琴だが、遥佳だけが一人で第7神殿に向かうよりもイスマルクが一緒の方が安心なのも確かなので、何も言わなかった。

 ちょっと拗ねていただけで、イスマルクがいい人なのは真琴だって分かっている。


「お待たせ。別の馬に乗っていくより、俺がハールカを乗せていった方がいいだろう」


 そう言って、イスマルクが馬を一頭だけ借りてくる。そして貸し馬屋で買ってきたらしい馬の鞍をヴィゴラスにつけようとした。


「ヴィゴラス。人は建物の屋根から落ちただけでも死んでしまう。もしもマーコットが落ちたら取り返しがつかない。不愉快だろうが鞍をつけて飛んでほしい」

「別にそんなの無くても大丈夫だよ?」

「頼むからそういうことを軽々しく言わないでくれ、マーコット。君を失ったらなんて考えたくもない」


 真琴は決して失えない世界の宝だ。

 その意思は全てにおいて優先したいと思うが、その身を損なうようなことだけは看過できない。

 イスマルクにとって苦渋の決断だった。


(仕方がない。マコトが落ちて死ぬのは困る。つけるといい)

「つけてもいいって言ってるわ」


 誇り高きグリフォンに馬の鞍などとはと、ヴィゴラスはかなりぶすくれていたが、不承不承受け入れる。

 イスマルクは更に真琴の体をベルトで固定した。


「そこまでしなくても大丈夫だよ?」

「いや。グリフォンの速さは馬の比じゃない。最強と言われるのは伊達じゃないんだ。鞍だけで安心できるものか」


 グリフォンが苦しくないように、しかし真琴も決して落ちないようにと、イスマルクは何度もグリフォンに少し動いてもらったりして仕上がりを確かめる。


(まあね。イスマルク、神官だけどいい人なんだよね)


 真琴とてイスマルクが本気で自分達を案じていることが分からないわけではない。

 だから無下にも出来なかった。


「じゃあ、先に行ってるね。きっとヴィゴラスの方が速いし」

「そうね。あっちに着いたら他にも果物や野菜があるのよ、ヴィゴラス」

(期待していよう)


 バサバサッと大きな風を巻き起こしてグリフォンが飛び立つ。

 それを見送ってからイスマルクは遥佳に手を差し出して馬に乗せた。

 己のマントに包むようにして馬を走らせれば、イスマルクの胸の中にいる少女が話しかけてくる。


「ごめんね、イスマルク。神殿の人なのに」

「かまわない。どうせ君達を見つけて、それでもしも神殿に行きたくないって言われたらその願いのままにどこにでも好きな場所へ連れていこうと思ってた」

「神殿もお城も嫌。あの人達、私達を利用することしか考えてない」

「大丈夫、何があろうと君達を守るよ」


 その途端、イスマルクの心中に様々な事態とその対処法が浮かんでは消えていく。


(この人は口先だけじゃない、本当に実行する人なのよ。神殿が所有する懐剣)


 遥佳は、自分などより遥かに速く馬を走らせるイスマルクの背中に手をまわし、しがみついた。

 そんなことをしなくても落ちないよう、きちんとイスマルクは自分の体に遥佳を結びつけているけれど。

 遥佳の胸に、別れ際の優理の言葉が蘇る。


――― 私達はこの世界に残された希望。この世界を支える三本の柱。何があっても私達は生き残らなくてはならないの。誰を死なせようとも、私達だけは。


 遥佳はダイレクトに伝わってくるイスマルクの心を感じていた。


――― 貼り紙と違う色合いの髪と瞳を持った神子姫達。ならばその勘違いをどこまでも大きく広めればいい。身代わりの幼女ならいくらでも見つかる。適当な奇跡とやらを各地で演出してやればいい。


 レイノーも医師の割には口が悪いが、イスマルクはその気になればもっと下品な口もたたける。

 神殿上層部の命令に従って、彼は今まで様々な仕事をこなしてきた。

 彼はとっくに裏の世界と接触できるコネクションを持っている。


(今はまだ私達のことなど誰も知らない。だけどイスマルクは考え始めている。私達には何も言わず、イスマルクは徹底的に私達の痕跡を消す気だわ)


 だけど自分は知っていたのかもしれない。

 だからあの時、優理も自分もイスマルクに声を掛けたのかもしれない。

 何があろうとも自分達を守ろうとしてくれる人だと。


「ハールカ? もしかして風が辛かったか?」

「ううん。イスマルクのマントの中が温かかっただけ」

「ならいいが。少しでも具合が悪くなったらすぐに言ってくれ。ちょっとの無理が病気になるんだ」

「うん」


 僅かに震えた遥佳に気づいたか、イスマルクが尋ねてくる。けれども遥佳はイスマルクの胸に顔を押し当てたまま首を横に振った。


(真琴はすぐに私を優しいって言うけど、私こそが一番ひどい人間だわ。イスマルクがどんなことをするかも分かった上で、傍にいさせてる。だけど真琴。あなたはこんなこと知らなくていいの。いつでも心のままに感情を隠さない、そんなあなたのままでいて)


 遥佳はイスマルクの服をぎゅっと握りしめる。


「大丈夫。何があろうと落としたりなんかしない」


 このスピードに遥佳が怯えていると思ったのだろう、優しい声だった。


(あなたはこれからそんな顔しか私達に見せない。だって探していた私達を見つけてしまったんだもの)


 それでもイスマルクが急ぐのは、ヴィゴラスと共に空を駆けていった真琴を案じているからだ。

 

「うん、平気」


 それでも遥佳は笑った。真琴の心だけは守るのだと、そう決意して。






 ゲヨネル大陸に生息するグリフォンは、とても賢い幻獣である。


『もーっ、なんでバタフライするのぉっ』

『あはははっ。クロールより楽しくない?』

『もぉっ、目にお湯飛んで来たじゃないっ。えーいっ、お返しっ』

『タオル使うの反則ぅっ』


 だから屋外から楽しそうな笑い声が響いてきたりすれば、自分も行きたそうにむくっと顔をそちらに向けたり、不満そうにパシッパシッとライオンの尻尾で白い石床を叩いたりして、不満をアピールすることだってできる。

 そんなヴィゴラスに向かって、イスマルクは静かに言った。


「駄目だよ、ヴィゴラス。君はオスなんだから」

「キュルルッ?」


 あどけない鳴き声と、赤や黒、薄茶色が混じった白い頭をくるりと傾げてみせる鷲の姿は、大きさを考えなければ可愛らしいものだ。

 まるで、

「オス? メス? そんなの、僕、分かりません。だって小鳥だから」

と、言っているかのようにも見える。

 勿論、油断を誘う為だけの仕草だ。


(別にいいじゃねえか。俺は人間じゃないんだ。グリフォンなんだぜ。てめえ、本気で物わかりが悪いよな。気に入りの宝を手に入れたばかりのグリフォンかよ)


 内心ではブツクサと文句を並べているヴィゴラスだ。


「さっき神官が暮らしていた方の建物を見てきたが、金属加工の道具もあった。何なら腕輪か首飾りみたいな感じにあの欠片を加工しようか、ヴィゴラス? グリフォンは宝を眺めるのが趣味だと言うが、その欠片は身につけておきたいんだろう?」


 ヴィゴラスの内心など分からないイスマルクだが、可愛らしい鳴き声とは裏腹に、凄まじく不満な波動を発しているのは察知できる。機嫌を取り結ぶ為、そう提案してみた。


「キュウッ」

「すまん。イエスなのかノーなのかが分からん。グリフォンは宝を奪われるのが大嫌いだと言うし、一度手にしたらもう預けるのも嫌だったりするのか? そうだな、ハールカが出てきてから教えてもらうか」


 ヴィゴラスはイスマルクの近くにぽてぽてと近寄ると、その革ベルトが取り付けられた太い後ろ脚を、ででんっとイスマルクの顔面に出した。

 大きな可愛くもない肉球を間近に突きつけられ、イスマルクも言葉をしばし失う。


「分かった。脚を下ろしてくれ。今にも犬がしっこしそうな体勢でちょっと怖いから」

(それもいいな。この俺を止めたのだ、思い知らせる為にも・・・。いや、そんなことをしたら加工がみすぼらしい物になるかもしれん。それは困る。やはり素敵な物がいい)


 ヴィゴラスは脚を下ろして、ベルトを取り外させた。


「やはり革ベルトより金属がいいのか。ついでに幾つかの石と一緒に加工するか。この欠片を中心に、・・・そうだな、ヴィゴラス。何色の宝石が好きだ?」


 ぴくっとその言葉に反応したヴィゴラスだ。

 それに気づかなかったイスマルクは、白い欠片をヴィゴラスの前にかざして考えこんでいる。


「この石を引き立てるのは、愛を感じさせる色だよな。そうなると白は使うべきじゃない」


 イスマルクはヴィゴラスの返事など期待していなかった。何故なら何色と言われても、イスマルクには分からないからだ。

 言ってみただけで、自分の感性で作り上げる気満々のイスマルクである。所詮、彼もマイペースな人間だった。

 言ってはみるけど、聞く気はない。そういう手合いである。


「体の色が白と茶だから、銀よりは金の方が似合うか。なら暗い色より明るめの方がいいな」


 神殿は様々な宝物も多いので、簡単な修理なら自分達でもこなせてしまうのだ。


(石の欠片や宝石の枠だけ黄金を使って、後は鉄でもいいか? どうせこいつ、破壊しかしない幻獣なんだし。黄金や銀だけじゃ、岩を砕いた途端に破損する)


 きちんとした宝飾品ならば繊細な意匠がほどこされているので外注に出すが、犬の首輪よりも太いだけの飾りである。


「じゃ、ヴィゴラス。黄土色や橙色、赤色系の石で作るからな」


 そう言って欠片を持って部屋を出て行こうとするイスマルクの背中に、ドスッと重いものが()()かる。


「ぐわっ」


 そのイスマルクの叫び声に驚いて、ちょうど外の温泉を堪能してきた遥佳と真琴は慌てて廊下を走り、その部屋へと駆けつけた。


「うわあっ、ヴィゴラスっ! イスマルク食べちゃ駄目だよっ」

「ヴィゴラスっ!? 何やってるの、あなたっ」


 二人が見たのは、大きな翼を広げてイスマルクを押し倒しているヴィゴラスだった。誰がどう見ても捕食体勢である。


「キュウウッ、クェッ、キィィーッ、クルル、コーェッ(ひどいんだぞっ、ハルカ! イスマルクが俺に宝石を少ししか渡さないというんだっ)」

「え? 宝石ってイスマルク、そんなのも持ってたの? だけど少しでももらえたなら嬉しいんじゃないの? ちゃんとどいてあげないと駄目よ、ヴィゴラス。イスマルクが潰れちゃう」


 遥佳が近寄っていけば、ヴィゴラスがイスマルクの上から渋々と体をどける。


「あー、ひどい目に遭った。何なんだ、一体。ちゃんと作ってあげるって言っただろう、ヴィゴラス」

「キュッ、キキキキッ、ギーキャッ(だからっ。石があるなら全部寄越せというのだっ)」

「石があるなら全部欲しいって言ってるわ、イスマルク」


 意味が分からないながらも遥佳がそれを伝える。


「はあっ!? ちょっと待てっ。ここにあるってことは神殿の石ってことなんだぞっ? ハールカが保護した特別なグリフォンだから少しばかり流用するのはともかく、全部渡すわけにはいかないに決まってるだろうっ」

「よく分かんないけど、つまりどーしたの?」


 真琴が湯上がりのぽかぽかした体を手で(あお)ぎながら尋ねれば、どうやらイスマルクがヴィゴラスの為に、神官達が寝泊まりしていた建物にあった金属加工用の道具を使って、聖神殿の欠片を首飾りか足環にしてあげようとしたということである。

 ついでにそこにあった宝石もあしらって綺麗に仕上げてあげようとイスマルクが言ったら、それを聞いたヴィゴラスは、宝石があるなら全てを寄越せと主張したのだ。

 さすがにそうくるとは思わなかったイスマルク、遥佳、真琴も悩む。


「どうなのかしら。神官が暮らしてた建物にあったってことは、所有権は神官にあると思うのよ。そうよね、イスマルク?」

「しかし作業用の場所にあった以上、それはこの神殿で使われていた物を修理する為で、神官個人の持ち物とは限らない。そして神殿の物というのは、厳密な所有権は女神様にあるわけだ。あれはその御身をお飾りになるものというよりも、置き物や道具に嵌めこまれる物だろうから、女神様でなくともここで暮らすことができるハールカやマーコットを乗せたりもするヴィゴラスにつけてもいいだろうと、そう俺も思ったわけなんだが・・・。ただ、さすがに全部というのは強欲すぎるだろう」


 ヴィゴラスの前で、二人が女神の子であるという事実を言うわけにもいかず、イスマルクも歯切れが悪い。


「本当にグリフォンって宝物が好きなんだねぇ。だけどどんなに宝物を集めても、洞窟で暮らしてるんじゃ留守にしてる間に盗まれたりするんじゃないの? 今頃ゲヨネルのおうちから全部盗まれちゃってるんじゃない?」

(ふっ、グリフォンは宝を盗まれるような間抜けなことはしない。ちゃんと体にしまってあるのだっ)

「大丈夫みたいよ、真琴。グリフォンは体にしまって宝物を持ち運びするんですって」

「えっ、どこに?」

(内緒だ)

「内緒って言ってる」

「へー。まさか食べちゃうんじゃないよね? そうしたら糞になって出てっちゃうけど」


 そんなことを言いながら、真琴は改めてヴィゴラスを眺める。


「うーん。どこにも隠す場所なんてなさそうだけどなぁ。・・・それよりここの神殿の物って、まだ厳密に所有権が分かってないんだよね。もしかしたら大事な物もあるかもしれないし。食べ物とか生活必需品は使いまくってるけど、それ以外は私達もまだよく知らないし」

「えーっとね、ヴィゴラス。とりあえずイスマルクにその飾りを作ってもらってからにしたらどうかしら。あなたが眺めて楽しむものじゃなく、あなたがつけているのを皆が見るものでしょ? なら、あなたに似合う物を作ってもらった方がいいと思うの。その後で、他の石のことは考えましょ?」


 遥佳は問題を先送りにするようなことを言って終わらせようとした。


「クッ、クルーリ、クックク、コロロロ、クワーカ(俺の方が俺に似合う物を考えられる。グリフォンは何と言っても宝物と共にある幻獣なのだからな)」

「そうでしょうけど、他人の方が本人よりも似合う物を分かってるってことはあると思うのよ、ヴィゴラス。何よりイスマルク、とてもセンスがいいもの」

「それってさあ、イスマルクのセンスは信じられるけど、ヴィゴラスには信用履歴がないって奴? まあね、野生動物にセンスがあるかと言われると、私も怪しいなぁって思うけど」

「グキャーッ? コルルル、クェ、クェーク、クワッ、キャキークッ!?(なんだとっ? この完全無欠な幻獣グリフォンのセンスを疑っているのかっ、ハルカッ!?)」

「そうじゃなくてっ。だってイスマルク、子供達にちょっとした髪飾りを作ってあげててもセンスよかったものっ。せっかくヴィゴラス可愛いのに、似合わないのをつけるよりいいじゃないっ」

「うわぁ。語るに落ちてるよ、遥佳」

「キュウウウ、クェーイ、クィエクォン、コー(なんということなのだ。このグリフォンが、宝物のセンスを疑われる日がくるとは・・・)」


 嬉しいものの、がっくりと項垂れてしまったグリフォンが哀れすぎたのでイスマルクは沈黙を守る。


「そんなことより、ヴィゴラス達も温泉入ってきたら? どうせこの第7神殿も聖神殿と同じ気配するなら急がなくてもいいでしょ?」

「そうよ、今日は疲れてるでしょ。ね? 外の温泉、気持ちいいのよ。泳げるの。あ、ヴィゴラス、お湯とか怖い? 浅いところもあるから、脚だけつけることもできるわよ」

(どうして俺が湯ごときを恐れると言うのだっ)

「そうなの? なら、温泉に行きましょうね、ヴィゴラス。案内したげる」

「それなら俺が連れていこう。ハールカ達も女の子なんだからヴィゴラスと温泉なんて行っちゃ駄目だっ。はしゃいだヴィゴラスに落っことされたら大変なんだぞ。マーコット達はヴィゴラスが大人しいから分かってないようだが、翼を広げたらあそこまで大きくなるんだ。本来、グリフォンは人間を踏み潰しても気づかない生き物なんだ」


 慌ててイスマルクがそれを止めた。

 

「グルルル、クェッ、ケッ、グェックー、ケッ(なんで俺が男と温泉に行かねばならんのだ。この俺がハルカ達を傷つけるとでもいうのか。この考えなし神官)」

「男と温泉に入りたくないってヴィゴラス言ってるわよ、イスマルク」

「温泉は男同士、女同士で入るものだと教えてやってくれ」


 そう言ってイスマルクはヴィゴラスを促して外へと連れて行く。

 それを見送って真琴は遥佳に訊いた。


「グリフォンにも人間の男とか女とか関係あるの?」

「さぁ」

「金属加工の作業室って、あそこ、宝石だけじゃなくガラスもたくさんなかった?」

「あったわね」

「キラキラしてるならガラスでもいいのかな? だけど石も沢山なかったっけ?」

「積み上げられてた気がする」

「あれを全部って、・・・それこそいくらグリフォンでも運ぶのは大変だと思うんだけど」

「だからイスマルクが選ぼうとしたんじゃないかしら」


 宝石や貴金属は、権力や富の象徴だ。だから神殿の場合、水盤や燭台にまで宝石が嵌めこまれていたりする。当然、在庫数も多い。しかも作業する場所に保管されているのはそれぞれ枠がついていたり、でき上がっていたのをばらしていたりと、状態も様々だ。

 遥佳と真琴は肩を竦めてみせた。

 どちらにしてもイスマルクに任せておけばうまくやってくれるだろう。


「今日はもう寝ましょ、真琴」

「うん。どうせヴィゴラスとイスマルクも好きな部屋で寝るよ」


 そう言って二人は先に眠ることにした。


『こらっ、飛びこむなっ! 先にこっちで脚を洗えっ』

『キュルウッ?』


 なんだかとても彼らの入浴は長くなりそうだからだ。

 さすがに今日は疲れていて、彼らが出てくるのを待ってるだけの気力がない。


「なんかさぁ、一緒に入らなくて良かったって気がする」

「そうね。イスマルク、いい人よね」


 ここまでバッシャーン、バシャバシャッと響いてくる水音は、グリフォンの翼が起こしたものだろうか。


『ヴィゴラスッ。入る時は静かにっ! はしゃぐなっ、どんだけ湯をぶちまけてんだっ! ほらっ、背中も()かしてやるから大人しくしろっ』

『キュウウッ、キェーッ』

『お前のせいでっ、湯の半量がぶっ飛んだろうがっ!!』

『クルールルッ』

『湧いてくるからいいってもんじゃないだろ! ブラッシングしてもらいたいなら、少しは協力しろよっ!』


 イスマルクが叱りつけている声に、二人は胸を撫でおろす。


「イスマルクが反対してくれて良かった」

「そうね。オスだからって言ってたけど、多分、この状況を察してたのね」


 何にせよ、どうやらヴィゴラスは温泉を気に入ったようだ。


「大丈夫かしら、イスマルク」

「負けてないよね、言葉が分からない割には」


 それでもイスマルクが叱りつけている声と、ヴィゴラスがキュルルッ、キィッ、クイィッと反論している声に笑みが零れる。

 この神殿がこんなにも賑やかになることがあるとは思わなかった。


「おやすみ、遥佳」

「うん、おやすみ」


 二人は手を繋いで眠りについた。

 なぜか朝になったら同じ寝台にロープを体に巻きつけた大きなグリフォンが一緒に寝ていて、同じ部屋のソファにロープの端を握っているイスマルクが寝ていた。


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