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その56〜その60

 「あの人はもう50年も前からああよ」と、少女のような姿の母親を指して老婆のような姿の娘は言った。






 さっきまで何もなかったのに、自分のものではない長い髪の毛が一人暮らしの部屋の至るところに落ちている。






 皆の目の前で海に落ちた車は数時間後に引き上げられたが、何年も海中に有ったかのように海藻や貝がびっしりとついていた。






 この半月足らずの間にクラスの人数が一人減り二人減り、ついに半分以下になっても、生徒も先生も何食わぬ顔で今日も授業が始まる。






 一人の美しい若者の愛を得るために彼女が殺した人数は、百人以上にのぼるという。


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