31回目
余の名はツクヨミ。余は悪魔が嫌いだ、ずっとずっと昔から。
姦姦蛇螺を追い、山の奥へと進み続けると快の声が聞こえた。急いでその声の元まで走り出す。森を抜けると見たこともない滝壺についた。そこでツクヨミは見てしまった。自身の師を化け物に変えた悪魔を。
ツ「………久しぶりじゃな」
?「……ん」
意外にも冷静なツクヨミ、心の中では激しい怒りに駆られているのだが快が倒れているのを見て救出が優先と判断したようだ。
ツクヨミは相手の視線を自分に集中させ、快から興味をそらさせる。だがそれだけではだめだ、自分では奴には勝てないどうすれば………
?「本当に甘いよね、あたしって」
ツ「なんの話じゃ」
?「この子、また死んじゃった………もうめんどくさいから飛ばそうか?あの子みたいに」
ツ「そうやっていったい何人未来に飛ばした!!」
ツクヨミの怒りが限界に達し攻撃を仕掛ける。しかしツクヨミの光は奴には届かず直前で消えてしまった。それをわかっても尚ツクヨミは攻撃をやめない、何度も何度も光を放ち続ける。
?「なんでそんな無駄なことするの?」
ツ「……快の……師の仇をうつまでは…」
?「はぁ……わかっててやってるでしょ……ツクヨミも任せちゃえばいいのに……未来の誰かに」
ツ「………ぐっ……そんな怠惰……余は認めん!!貴様のその怠惰で師は!」
?「………っ」
一瞬の隙を見破り最大級の光を放つ、………奴には勝てない、でも快を救うことはできる。奴の周囲を光で覆ってる間に快を連れ、逃げ出す。幸い追ってくる様子はなく安心した。
?「………」
(ツ「そうやっていったい何人未来に飛ばした!!」)
?「……1人に決まってんじゃん」
…………………………………
快視点
目を覚ますと神社の中にいた。隣では心配そうにツクヨミが僕のことを見つめていた。
快「あれ?なんで……」
ツ「……無事で……なによりじゃ……」
嬉しそうに僕の手を握り締めた後その手に生きてるのを確かめるように頬ずりをした。とても心配してたのだろう、少し涙を浮かべているのがわかる。
少し経った後、部屋に巫女と仮面の男が入ってきた。
男「さて、そろそろいいか?」
快「えっと…???」
巫「何があったのですか?」
ツ「余が話す」
ツ「先に言っておくが姦姦蛇螺は今おらん」
もしかしてもう死んだのか?あの時の悪魔?が………
ツ「未来に飛ばされたのじゃ。あの悪魔に」
巫「………」
男「そいつは味方か?それとも…」
ツ「……もちろん敵じゃ……じゃが誰も勝てんよ」
快「だけどとりあえず姦姦蛇螺はなんとかなったってことだよね?」
ツ「いや、近い未来、いずれ姦姦蛇螺はまた姿を現すじゃろうあやつもあやつで相当厄介じゃからな」
姦姦蛇螺は未来に飛ばされてしまい今できることは何もないということで話は終わり、解散することになった。
快「なぁツクヨミ、姦姦蛇螺ってツクヨミにとってどんな存在なんだ?」
ツ「余の師匠だった者じゃ、じゃがさっきの悪魔のせいで喰われてしまったんじゃ……ヤマタノオロチにな」
快「………だからツクヨミは」
ツ「………ついたぞ」
喋っている間に家に着いた。………が扉を開けた時、後ろからものすごい勢いで僕はなにかに吸い込まれてしまいその場から消えてしまった。
ツ「快?聞いておるのか?………快?」
ツクヨミが振り返った時にはもう何も残ってなかった。
…………………………………
吸い込まれた先は学校の教室だった。人の気配はなくまるで僕1人だけが迷い込んしまったかのような感覚だ。
何が起こったのかはわからない、だが考えても仕方ないのでまずは外に出ることにした。教室を出て廊下を抜け、階段を降りる………いくら降りても一階につかない、同じ所をぐるぐる回ってるだけのようだ。
花「帰すわけないでしょ!」
快「………花子…さん?」
花「久しぶりだね!」
どう抜けだすか悩んでいると後ろから小突かれ、僕の前にふわっと浮かんできた。
少し前、僕らを猿夢の化け物達から救い出してくれた彼女。再び現れたのはなんのためなのか………
快「えっとあの時は助かりました!ありがとうございます」
花「あー……どういたしまして!あの後大丈夫だった?」
快「はい!おかげさまで!………それで今日はどうして……」
花「………そのね……申し訳ないんだけどしばらくはここに住んでもらいたくって」
快「えっ?」
花「厳密に言うとツクヨミさんとしばらく離れて生活してほしいの」
………なんで?
……………………………………
僕は花子さんに詳しく話を聞いて絶句した。彼女が言うには近い未来でツクヨミが命を落とすらしい。
にわかには信じがたいが花子さんが言っていることが本当ならかなりの問題だ。
快「花子さん…死因ってわかったりする?」
花「………ごめんなさい、見えるのは快ちゃんとツクヨミさんだけ」
快「まさか……僕がツクヨミを……」
花「そんなわけないでしょ!?………快ちゃんの腕の中でだんだんと消えていってるのが見えるだけよ」
快「そんな……ツクヨミ……」
花「まだ大丈夫よ!こんな未来、私が許さないから!」
快「でもどうすれば……」
花「原因はわからない、でも快ちゃんのそばにいる時に死ぬのは確か、だから……」
僕がツクヨミと会わなければ死ぬことはない。確かにその通りかもしれない、けど1つ大きな問題がある。それはツクヨミがそれを許したりしないことだ。 おそらくツクヨミにこのことを説明してもそれに反発して意地でもそばにいようとするだろう。そうなれば花子さんが見た未来のようにツクヨミが死んでしまう。
快「………」
花「辛いのはわかる、でもここは耐えてくれないかな?快ちゃんのためにもツクヨミさんのためにも」
快「………僕は」
パリンッ
ドコッ!
突然窓ガラスが割れ外から恐ろしい速度でこちらに突っ込んできた。花子さんは軽々と避けたが僕は見事にぶつかり倒れ込む。
快「い、痛ぇ……誰だよ………ツクヨミ!?」
ツ「う〜調整ミスってしまった……すまんの快」
快「どうやってここが!?」
ツ「当たり前じゃ快と余は繋がっておるからな……さて、余の快になんのようじゃ?メリー」
花「………」
その問いに沈黙してしまう花子さん?は誰が見ても怪しかった。言われてみれば確かにメリーさんと雰囲気は似ている気がする………どうやら騙されていたらしい。
沈黙の後、彼女はゆっくりと本来の姿に変わりメリーさんとして正体を現した。
快「メリーさんなんで…」
メ「………ごめんなさい」
ツ「!?快!避けるんじゃ!」
グ…グ…グ……グチャ
体が捻じ曲がり、僕はなにかに吸い込まれながら死んだ31/100
ツ「………なんの真似じゃ!」
メ「……ごめんなさい」
ツ「貴様ではない!なぜ快を殺した?花子」
その名を口にすると潔く姿を現してくれた。余にはわからないなぜ花子が快を殺すのか、なぜそこまでメリーが快に執着するのか………なぜいつも余は快を救えないのか。
ただただ悔しい、余の不甲斐なさが………それでも余は快を守ると決めた。
ツ「だからなんとしても快は連れて帰る!」
花「そう……なるよね」
ハクマです!
か、書けた〜やっぱりこういうのちゃんとしてる方はすごいなぁって思う




