プロローグ 死亡
気持ちを一新して、新連載を作りました!「転神」、見てください!どうぞ!(久しぶりにですが、一新します!実質別小説!)
月が白く光るころだという寒さなのに、なぜ月が浮かんでいないのか。
疑問を浮かべながら目的もなく歩き続ける。
歩幅を変えることもなく、止まることもなく。
そしてちょうど人も車もちらほら見え始める交差点に差し掛かった時、月が空に光り輝き始めた。
なんだ。雲で隠れていただけであった。
先ほどまで暗かったからだろうか、月が一段と光り輝いて…って、
光りすぎじゃない?ちょっと?
考えていたよりも数倍、いや、数十倍は大きく、光り輝いている。
流石におかしいでしょと思いながらも、誰かの声がした。
驚いて周りを見ても、僕側の交差点には誰もいない。
おかしいな。かなり近くから聞こえたんだけど…
周りが空を見上げながら撮影をしてざわざわし始めたころ、ふと音がして横を見ると、トラックがすさまじい速度で
交差点に突っ込んできていた。
僕としたことが、月に見とれてしまい、無意識に足を踏み出してしまっていた。
そして気づく間もなく、僕の体はトラックに衝突し、上に跳ね飛ばされた。
ああ、月が視界いっぱいに広がって、綺麗だ…
恐らく宇宙遊泳でも味わえないであろう。
こんなに光っているというのに、目は痛くない。
でもこれで死ぬのか。
確かに人生に絶望はしていたけど、死にたくはなかったかな…?
苦笑しながら、僕の意識はゆっくりと、思ったよりもゆっくりと、闇に沈んでいった…
「‥‥‥ん‥‥」
どれくらい眠っていただろうか。
目を開けると、周りには悪魔のような‥‥‥魔物か?
現代には想像できないほどの異形な生物がこちらに跪いていた。
そして、僕は玉座のような場所に座り、魔物たちを見下ろす形となっていた。
「ここは…?」
隣にいる側近のような外套を纏った性別もわからぬ魔人に話しかける。
正直バカ怖いが、死んだんだからもういいだろう。
どうせここは地獄かなんかか。
「‥‥‥?ここはあなた様の城ですが・・・・・」
「うぇ?」
「・・・・・・・!気に障りましたでしょうか⁉申し訳ありません!」
「え?いや‥‥‥」
ここが僕の城?
いや、そんなわけないだろう。
だが、俺の服装をよく見ると、確かに魔王が来ていそうな羽織だな。
黒く、妖しく紫に光っている。
だとすると僕は転生して魔王にでもなったんだろうか?
そんなわけないだろ。
・・・意味が解らない。
「‥‥‥ッ⁉」
突然の頭痛に、思わず片手で頭を抱える。
その瞬間。脳内にすさまじい情報が流れこんできた。
「‥‥‥これは――記憶?」
その間、数百年の何者か。いや、前にこの玉座に座っていた者だろう。
「がッ‥‥‥」
「大丈夫ですか⁉」
僕は再び激痛に頭を押さえると、隣にいた魔人のような少女が異変を感じ取り、叫ぶ声が聞こえた。
だが、そんな言葉に呼応できるはずの余裕もなく、数分ほどある者の記憶を痛みに耐えながらインプットするのだった――
――地獄ではなく、ここは”悪欲の城”らしい。
そして"俺"はこの玉座に座り、足を組む。
長い間悪欲の称号の席は空いていて、レイ達は悪欲の力が弱まっていた。
あ、レイというのは私の下ぼk・・・・・・・同士だ。
そんなアホなことを考えていると、
剣を携えた魔人が目を見開いて王の間に駆け込んできた。
「報告します!湯田様討伐目的の勇者が顕現しました!すでに門を突破!こちらに向かっています!」
そして、右隣に立っていたレイが目を瞬かせ、2つに分けた空色の髪を揺らしこちらに向き口を開く。
「湯田様。いつもなら私たちで片が付くと思うのですが、この気配は‥‥‥」
「本物の勇者か」
思考するよりも早く勇者という単語が出てきた。
まあそうだろう。この世界には『7つの性質』というものがあり、
俺はそのうちの一人、『悪欲』だ。
その存在はこの異世界では悪の象徴みたいな存在らしい。
だからたびたびこのように勇者と名乗る人間が討伐にくるのだが――
こいつはいつものような『偽物の勇者』ではないな。
いつもなら、レイが言うように俺の部下たちで片が付き、俺の出る幕はない。
だがこの気配は尋常じゃない。それこそレイの数十倍、
ここまで来たら俺が出るしかないだろう。
「仕方ないか」
私はそう言葉を吐き、椅子から音もなく立ち上がる。
「湯田様。護衛は――」
「要らない。一人で十分だ」
実際にはいくら部下が死のうがいいが、流石に側近まで殺されたら面倒だ。
「行くか」
そう呟き、悪欲の能力を発動する―――
「お前か?私の城を荒らしているのは」
俺は外套を脱ぎ捨てる。
そして、腰に付けた刀の鞘が光る。
「お前のような者のせいで、俺は又人を殺さねばならなくなる」
そういって鞘から刀を取り出そうとするその瞬間、目の前から外套をつけ頭にかぶっていたその勇者は私の前から消えた。
‥‥‥やはり、本物の勇者か―――
素早く剣を取り出し、後ろに振りぬく。
「チッ」
やはり後ろから剣を構えて飛び掛かる気だったか。
輝く月が剣先を照らすが、勇者の顔までは見えない。
刀と剣が擦れ合い、火花が散る。
そして俺の能力が発動する。
俺の両手首から先が黒い炎に包まれ、刀を包み、勇者の剣を侵食していく。
その時、一瞬だけ。一瞬だけ、勇者の顔が見えた。
いや、その顔は見えない。その顔は仮面をかぶっていた。
そして、黙っていた勇者が口を開いた。だが、その内容は、あまりにも残酷で。俺を失望させるものだった。
「‥‥封印」
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