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★★ろくでなしSpace Journey★★(連載版)  作者: 埴輪庭


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27.惑星U101⑧

 ◆


 惑星C66、某所。


「最近良さげな新入りがいるって聞いたんだけど」


 そんな言葉と共にオフィスを訪れたのは、幹部職員のローレン・ナイツであった。


 アースタイプ、黒髪のボブヘア。


 細身で、毒を浸したナイフを思わせる印象の青年だ。


 切れ長の目から覗く赤い瞳は何か妖しいモノを感じさせる。


 下っ端職員が君に関する個人情報をホログラム投影すると、ローレンは頭が二つ生えている豚を見る様な目をして嗤った。


「あの手術を受けてるのか。へぇ、理由は?借金のカタ?いいね、僕はこういうド低能は結構好きだよ。人生詰んでるっぽいのに諦めてない感じがいい。でもそろそろ人形化しちゃうんじゃないのかな。最近の様子はどうだった?」


 ローレンは下っ端職員からいくつか君に関する事を聞くと、機嫌良さそうにその場を去って行った。


 ・

 ・

 ・


 ◆


 君は二つ目のポイントへ向かってドエムをまわしながら歩いていた。


 言うまでもなく「まわしながら」とはわいせつな行為を意味しない。


 文字通り回しているのだ。


 人差し指の先にドエムをのせ、くるくると。


「なあドエム、ドエムちゃんよ。まだ回すのかい?目が回ったりしないの?」


 君がどこか心配そうに問いかけると、ドエムは謎の怪音を発した。


 意味としては「問題なし」と言った所か。


 だがドエムの声に君の背筋は寒くなる。


 ドエム自体を不気味に思ったわけではない。


 昔の事を思い出してしまったのである。


 以前君は知り合いの犯罪者の男と酒を飲んでいた。


 不味い酒をのみながら次はどんな手口の詐欺がはやるかとカジュアルに談笑していた所、男の背後から突然悪漢が現れ、アイスピックの様な凶器で男の脳天を突き刺した。


 先端は頭蓋骨を貫通し、脳をブッ貫く。


 誰かの脳天をアイスピックで貫いた事がある者ならわかる事だが、こういった方法で殺害をしても余り流血しない。ただ、小便と唾液、時には涙が滂沱と流れ、不快感を伴う奇声をあげるのだ。


 ドエムの発した音は、その時に男が突然発した音に似ていたのだ。


 借りてはならない所から金を借り、返さねばならない日に返さなかった男の自業自得ではあるが、この出来事のおかげで君は借金返済最優先主義のマインドを手に入れる事が出来たといえる。


 ちなみになぜ君がそんな事をしているのかといえば、くるくる回す事で全方位の警戒をドエムにしてもらっているのだ。


 当初はドエムを掲げてあちらこちらと向きを変えていたのだが、面倒になってこういった仕儀となった。


 ◆


「とりあえず異常なし、と」


 ドエムから周辺状況を聞いた君はひとまず安堵する。


 だが油断はできなかった。いつ何時、またぞろ訳の分からない自然現象に見舞われるかもしれないのだ。


 基本はドエムだが、君も君なりに警戒しつつ進み──…やがて二つ目の候補地へとたどり着いた。


「悪くないな、条件にも合ってる」

挿絵(By みてみん)

 両側面に樹々が立ち並び、正面には川も見える。一瞬海に見えてしまうほどに大きな川だ。


 足元には草原が広がっているが、緑一色というわけではない。よく見れば青い花の様なものも咲いており、君はドエムに一言断ってそれを採取する事にした。


 ドエムは一つ目のポイントと同様に局所的な反重力を発生させて浮遊、一瞬のうちに測量を終える。


「助かるよ、それにしても動物とかはいないのかな、この星は。少し森の方へいってみてもいいかい?」


 君が尋ねるとドエムは是を返す。


 主目的は開発候補地の選定だが、周辺環境を調べる事も立派な調査であるため断る理由がない。


 君はドエムを抱えて、森へと歩を進めた…。


 ◆


 そこは映像データで見た通りの森だった。地面は落ち葉や草で覆われている。木の幹には時折、奇妙な形のキノコが生えていて、光景そのものは別に珍しいものではない。


 ただ、君からすればこれらは初めて見るものであり、映像データとはまた違う臨場感の様なものを全身の感覚器官で感じていた。


 光は木々の隙間からわずかに差し込むが、森の奥深くは薄暗い。君の聴覚センサーは樹々の葉が風にそよぐ音を解析するが、そこに生物がたてたと思しき音は含まれていなかった。


 君は少し歩き、葉の一枚を手にとる。

挿絵(By みてみん)

 表面に沢山の水滴を浮かべたそれは、君の目からみても生命力に満ち溢れているように見えた。


 だがそこまではやはり映像データの通りだ。


 ──何か、こう、見たことがないものを見たいな


 君がそんなことを思っているとふと地面に何か丸いものが落ちている事に気づいた。


 無言でドエムを見る。


 ドエムのモノアイがぐりんと動き、すぐに不協和音。


 ドエムが返した答えは「水滴のようなもの」というものだった。


 確かに水滴だろうと君は思う。


「でも、ちょっと大きい気がするな」


 君は地面に視線を向ける。

挿絵(By みてみん)

 ちょっとではなく、凄く大きい水滴が形を崩す事なく地面に落ちていた。

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惑星開拓事業団エンブレム

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GALACTIC FEDERAL GOVERNMENT AUTHORIZED
P L A N E T A R Y
D E V E L O P M E N T
C O R P S
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惑星開拓事業団

「銀河の未来を、あなたの手で。」

銀河の開拓者

西暦3889年──
人類はついに銀河の果てに手を伸ばした。

未踏の星々が、あなたの一歩を待っています。
あなたもその一歩を踏み出しませんか?

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

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◆ 開拓対象惑星 ◆
F R O N T I E R W O R L D S C A T A L O G
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美しき新天地

200を超える未踏の惑星が
開拓者を待っています。

▸ 未知の生態系の発見 ▸ 希少資源の採掘権
▸ 居住適性の評価 ▸ 新航路の開拓

※惑星ランクE以上の調査には所定の事前ブリーフィングが実施されます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

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◆ 個人用船舶貸与制度 ◆
Y O U R W I N G S T O T H E S T A R S
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あなたの翼

入団初日から、あなただけの翼を。

ワープ航法
空間折り畳み式
銀河のどこへでも
AI航法支援
搭載型ガイドボット
あなたの相棒

※船舶の仕様・AI支援レベルは団員ランクにより異なります

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

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◆ 多種族共存環境 ◆
D I V E R S I T Y B E Y O N D S P E C I E S
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共に歩む仲間たち

種族を超えた絆が、銀河を拓く。

アースタイプ ベルトラン メタノイド
地球型人類 植物型種族 金属生命体
ピギー星人 スライム系 ザイフォルクス
豚型種族 不定形生物 交配進化種

※チーム編成はCランク以上でマッチングシステムをご利用いただけます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

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◆ 拠点惑星 C66 ◆
Y O U R N E W H O M E
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惑星C66

銀河有数の居住適性──ランクA惑星。

惑星データ 詳細
居住適性ランク A(最上位)
都市階層 上層・中層・下層
主要施設 事業団支社・商業区・居住区
生活環境 快適

※居住区の割り当ては団員ランクに準じます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

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━━ 団員ランク制度 ━━
C A R E E R P A T H
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E 研修生 ── 基礎訓練課程
D 調査員 ── 単独惑星調査
C 主任調査員 ── チーム編成権
B 上級調査員 ── 高難度惑星
A 統括調査官 ── 全権委任

あなたの努力が、ランクを決めます。
※昇格審査は実績に基づき随時実施 ※Eランク研修期間中の待遇については入団時にご説明いたします


星の海へ

星の海へ──

惑星開拓事業団は
あなたのご応募をお待ちしています。


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銀河連合政府認可 準国策事業体
惑星開拓事業団 広報局
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[一言] ダンジョン仕草から来ましたが世界観がすごい好きです
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