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VRMMOでアイテムの全自動量産体制を整えてみた  作者: 恵笛
生産の拠点とMPポーション
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今後に向けて

 俺はゲームにとどまることの出来る残り時間がかなり少ないので、急いでポーション製造機達が使う素材を整えてゲームからログアウトした。


 残りの5人は途中で少し抜けていたから若干落ちる時間は遅れるのかな?


 現実時間の20:30にSNSで会議をしようということになったので、それまでに私用を済ませておくことにした。


 最近すっかりIL中心の生活になってしまった。まあ定期テストもしばらく後だし勉強はまた今度にしよう。


 そんなことを言っているとズルズルとテスト寸前まで行っていしまう未来が浮かび上がってくるな……。




 俺たち6人がSNSで揃ったので通話を始める。


「よし! それじゃあまずは今日のダンジョンの成果についてロージェに話していくか!」


 お、聞こうと思っていたがみんなから先に話してくれるのか。


「まず、オレ達の最近確立した戦法は……ティウの爆発魔法を主体に攻撃していく戦法だな。」

「そう! アタシが40Lvになって、『ブレイズ・デトネーション』っていう魔法を覚えたの! それの威力が高いから主なダメージソースはそれね! 


 でも、これ全方位攻撃だから味方にも当たっちゃうのよー。」


「そう、そこで私が考えたのが……」


 「ブレイズ・デトネーション」を主とした戦法についてノブラックとべリリーが詳しく解説してくれたが、相当な芸当をこなしている感じがする。


 流れをまとめると、ティウが詠唱を開始する。詠唱が長いため詠唱時間の前半の間はボーロンが敵をひきつけ、後半になったらボーロンはできるだけ後ろに下がる。


 その代わりにべリリーが前に出て敵を引きつける。そしてエリウムが支援歌として全体魔法防御上昇スキルを使う。


 魔法を放つほんの数秒前にべリリーが敵から離れ、全速力で下がる。


 そして後ろから上がってきたノブラックが自身に魔法攻撃耐性のバフ魔法を掛け、ベリリーとボーロンの前に立つ、と。


 その瞬間にティウが魔法を放つ。


 スクリーンショットを見せてもらったが、かなり大きめの火球が相手まで飛んでいき、着弾した瞬間に大爆発を起こすそうだ。


 わざわざ味方全体に魔法防御のバフを載せているのはこの爆発が味方に与える被害を最小限に抑えるためだ。


 ここまでのLvでパーティーの全員の中で最も高火力を出すことが出来るのがティウの「ブレイズ・デトネーション」であるため、時間効率を最大まで上げるにはこの戦法を取るしか無いと言う。


 しかしこの「ブレイズ・デトネーション」はかなりクセが強い。特に厄介なのはやはり味方に与えるダメージが大きいということか。


 このゲーム内では基本的に同パーティーでも攻撃は当たってしまう設定になっている。同じパーティーだとレベル差無視で攻撃が通ってしまうのだ。

 ただし同じパーティーの人を倒しても何も得ることができないためこれをPKに悪用する人は殆どいないようだが。


 そういうわけでわざわざ魔法防御力が高いノブラックを前に出して、ボーロンとべリリーを守るという戦法を取ることになったようだ。


 この5人はとにかくこういう連携をするのが上手いからなあ……。もちろんこの技だけでなく、他にもいろいろな動き方をしているが。

 何が凄いかって言うとみんながお互いの技の特徴についてある程度覚え、作戦を考えてそれを実行しているというところだ。


 俺なんかは少し複雑な作戦を言われるとすぐに順序がこんがらがって次にどう動いたら良いのか忘れてしまうような人なので、到底戦闘に参加することはできない。


 VRじゃなかった頃から連携がすごかったもんなぁ……。プレイヤースキルというのは後天的なものなのか先天的なものなのか、どちらなのだろうか。




 次に話題になったのはダンジョンでの収穫物である。無限迷宮は基本的に敵からのドロップアイテムは魔石のみとなる。

 よって武器、防具の素材集めには向いていない。しかし宝箱に関しては一定数あり、フィールドに点在するダンジョンよりも若干質の高いものが得られる可能性が高い。


 また、ボスを倒したときには他のダンジョンのボスと同様に何かそれに関連するものを得られることもある。


「今回、確かボスからスモーキークォーツBって言うものを手に入れましたよね?」


「ああ、そうだったね。これが私達にとって初めての宝石の入手ということになるのだろう。」


 そう、このゲームでは前作から宝石が豊富に登場していた。ダンジョンの奥に行くほど高級な宝石が手に入るのだ。

 もちろん大きさは現実で一般的に売られているものより遥かに大きく、きれいである。

 これらは魔石と同じように幅広い武器や防具、魔道具に使われる。そのうち魔法陣を発動させるためにも必要になるかもしれない。


 ちなみに前作では水晶系統のものは一番価値が低かったな。それでもかなり有用な素材として重宝されていたが。スモーキークォーツは土属性の宝石である。

 もちろんローズクォーツやブルークォーツなんてのもあり、それぞれに属性が設定されている。





 ダイアモンドなんて出たら大騒ぎだった。いつかは出してみたいものだ。



 俺は前作では高品質な武器、防具の生産を専門的にやっていたが今作ではそちらの方には手を回していないのでみんなが取ってきた素材に関しては、各自で生産職のプレイヤーに加工をお願いする事になっている。


 収穫物のあとは、これからのことについて話した。みんな自分のやりたいこと、チームとしてやりたいことなどそれぞれに夢がある。もちろん俺もだ。


 それらのことに対して、このクラン「快走」は日々全力で向かっていくのだ。


 思えば、この6人が集まったことは相当幸運だったのだろう。みんな同じくらいゲームに本気であったし、各自で得意な分野が別々だった。


 いまでもお互いがそれぞれの得意なこと、苦手なことを把握し、最善な行動をするように随時考えていく。


 たかがゲームとはいえ、みんな真剣だ。前作でもそんなプレーを続けていたらいつの間にかトップクラスに入っていたんだったかな。


「あ、ちなみに攻略掲示板を見る限り次のボスを倒したっていう情報は出てこないね。」


 お、ボーロンが面白そうなことを言っているな。そろそろ無限迷宮の石碑に俺たちのクランの名前が刻まれる日も近いか?


 あ、ボスを倒したメンバーの名前が刻まれるだけだから俺の名前は刻まれないか。まあべつに良いや。


 他にもこれまでに各自に起きた出来事や他のプレイヤーの情報、バグや小ネタなんかについても話し合った。


「よし、それじゃあ今日はこのへんで終わりかな。解散!」


 といってエリウムが急にブツッと通話を切った。俺達は昔ついダラダラと話していたら深夜に……なんてことが結構あったのである程度の時間で強制的に切ることにしたのだ。


 俺もこれからまだまだやれること多そうだなぁ……



 鍛冶なんかもやってみたいし、また高級な武器防具生産に手を付けるというのも考えた。

 しかしやっぱり魔道具でものの生産を自動化していくのを極めるのが面白い。

 仮に同じことをするライバルが多数いてもなお魔道具を開発し続けていきたい。それにここにはほぼ最前線の攻略組もいるのだ。


 他では手に入らない素材だって手に入る。これからも突っ走っていこう。




 そんなことを考えながら布団に入った。明日から学校か……。

次回掲示板回の予定です。

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