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家電戦争Ⅱ 《Appliance WarⅡ》  作者: 黒川 想流
炎怒編 (中編)
12/23

11話 元殺人鬼



彼に従って歩いてすぐだった。


俺達は驚く人物に会う。


そう、俺は絶対に忘れないその姿。


俺のたった一人の親友を殺した本人。


「樋川…なんでお前がここに…?」


俺は自然と聞いていた。


彼は間違いなく警察に捕まったはず。


そして指名手配されていたのだから重い刑罰が科せられているはずだ。


1ヶ月で出てこれる訳が無い。


そう思うと方法は一つしか思い浮かばなかった。


「脱獄…か?」


そう呟くと彼は頷いた。


その瞬間、俺は危険を察知して戦う姿勢を取る。


だが、彼は戦う気は無いようだった。


「オレ、オマエに協力したい」


彼はそう言った。


金剛は驚いた様子で「協力…だと…?」と言った。


俺も同じ事を聞きたかったから俺は黙っていた。


「オマエはオレを殺さなかった。だから悪い奴じゃナイ。なのに指名手配されてル」


彼は不自然な日本語でそう話す。


「だから、オマエの力になりたい」


恐らく、過去の自分と同じような境遇だから助けたいって事なんだろうか。


でも、彼は親友を殺した男だ…


念のために、金剛と風音さんの顔を見た。


彼等は断れと言わんばかりの顔だった。


だが、俺は迷った挙句、別の選択肢を選んだ。


「そうか、じゃあ一緒に来てくれ」


俺がそう言った瞬間、樋川を含めて全員驚いていた。


樋川も仲間にしてもらえるなんて思って無かったんだろう。


「おい、炎怒!あいつはお前の親友を殺したやつじゃないのか!? 何で仲間にするんだ!?」


金剛は俺の方を向いてそう聞いてきた。


「確かに、樋川は涼を殺した。だが、もう過去の話だ。 それにあの時、仇は取った」


俺はそう言うと彼等は納得が行かないようだった。


だが、俺は構わず彼に手を差し伸べる。


「よろしくな、樋川」


俺は自然な笑顔で彼にそう言って握手を求める。


「任せろ、エンド」


彼はそう言って俺と握手した。


こうして俺達は4人で行動する事になった。



だが、それからキラーズが現れるかと思い、いろんな所を歩いて回るが、来たのはそこら辺の俺を捕まえてヒーローにでもなろうとしている奴等だけだった。


「何で奴等は仕掛けて来ないんだ…?」


4対4だと何か問題があるのか…?


それとも、ただ俺が一人になるタイミングを狙っているのか…?


そもそも、何故俺を狙っているはずなのに黒山さんや頼堂を狙ったんだ…?


「釣ってみるか…?」


金剛は俺達にそう言った。


「釣る…ってどうやって?」


風音さんは金剛に具体的な方法を知るため、そう聞いた。


「俺の所に来たのはそのキラーズとやらの2人組だけだった。俺の所だけ2人で来るとは思えないから、恐らく頼堂や杏奈の所にも2、2で分かれて行ったはず。それならこっちも2、2で分かれてあいつらが出てくるかどうか試してみるんだ」


金剛はそんな作戦を話す。


「もしかしたら、奴等には2人組になる理由があるのかもしれないな…俺はその作戦に乗るよ」


俺はそう言って彼の作戦に賛同した。


「炎怒くんが良いならあたしも」


風音さんも続いて賛同する。


「モチロン、オレもだ」


樋川もその作戦に賛成のようだった。


「それで、誰と組むか…だが…」


金剛は言葉に詰まったようにそう言った。


俺はすぐに察した。


「あぁ… 樋川と俺、風音さんと金剛で良いんじゃ無いか?」


多分、樋川と組むのは気まずいんだろう。


そうだと俺は思って樋川と組む事にした。


「あたしは炎怒くんと居たいんだけど…」


「風音さん、我が儘言わないの」


俺だって正直彼女と居たい気持ちがある。


だが、そんな事を言ってる余裕は無いだろう。


そんな事を思いながら俺は風音さんに聞こえない声で金剛に囁いた。


「風音さんを守ってくれ」


そう言ったら彼は少し面倒臭そうにしながらも頷いた。


「それじゃ別行動するか…」


俺がそう言うと皆は黙って頷いた。


「それじゃまた後で会おう。何かがあったら携帯で報告する事を忘れずに」


そう言って、俺と樋川は先へ進み、風音さんと金剛は来た道を戻って行った。



進みながらも俺は樋川に聞きたい事を聞いていた。


「結局、樋川は何であの時能力者を殺してたんだ?」


涼を殺した理由にも繋がるからそれがまず知りたかった。


「オレは平和にしたかった。だから、能力を持ってル奴を殺すべきだと思った」


そう聞いて俺は安心した。


もし、自分一人になったら自分が最強だからとかそんな考えでもし涼を殺したとなったら俺はまた怒っていたかもしれない。


だが、やっぱり彼も同じ事を考えていたんだ。


仲間にして正解だった。


「そうか、俺達も平和にしたくて戦ってるんだ」


俺は彼にそう返し、前を向いた。


すると、俺達が望んでいた奴等は現れた。


目の前から来たのはさっき居たキラーズの男子2人だ。


「おい、樋川、戦うときが来たぜ」


そう言って俺はあいつらが敵だと教える。


「オレ達の邪魔をする奴はコロす!」


こうしてキラーズの男子2人組ペアと戦う事になった。



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