10話 記念日のプレゼント
俺なりに全力の感動シーンです。涙腺弱い人は是非泣いて下さい(願望)
携帯の時計を見て時間を確認する。
約束の時間になっているが、皆が来ない。
「何かあったのか…?」
俺は風音さんに聞くように呟いた。
彼女は周りを見ながら不安そうな顔をしていた。
「あっ」
彼女は急に驚いたような声を出した。
その声に驚いて彼女を見ると、彼女は指を差していた。
そしてその方向を見ると、金剛が凄く疲れた様子で走ってきていた。
金剛は俺達の前で立ち止まると膝から崩れ落ちた。
「どうしたんだ… そんなに疲れて…」
俺はそう聞くと、金剛は俺に怒っているようだった。
「お前のせいらしいんだが… 変な奴等に襲われてな…」
俺はそう聞いた瞬間、さっきの言葉を思い出した。
『後悔する事になるぞ』
まさか、そういう事だったのか…?
「頼堂と黒山さんは…?」
俺は不安になってそう聞いた。
だが、返ってきた答えはもっと俺を不安にさせた。
「俺は知らんぞ…」
まさか…な…?
あいつらも遅れて来るだろう…
そう思った俺は彼が落ち着くまでゆっくりと待つことにした。
「それで結局お前が悪いってどういう事なんだ…?」
金剛は息を切らしたままそう聞いてきた。
「さっきキラーズとかいう変なグループに会ってな… そいつらは俺に降伏しないと後悔する事になるとか言ってたんだ。それで俺は降伏しなかったから… 恐らくそういう事だ…」
そう言うと彼は納得したようだった。
「それならお前は全然悪くないな…」
彼はそう言ってくれて俺は少し安心した。
それから数十分は待ったが、彼等は来る気配が無かった。
既に金剛は落ち着いていたようで、黒山さんに連絡していた。
だが、彼女の応答は無いようだった。
俺も頼堂にメッセージを送るが、反応は無かった。
もう数分待ったが来なかった瞬間、金剛はこう言った。
「俺探してくる」
そう言って彼は急に走り出した。
俺は彼を一人にしたらまた危ない目に会うかも知れない。
そう思って「俺も行くよ」と言って彼に付いて行った。
その流れで風音さんも俺に付いて来ていた。
彼女が来るであろうルートを俺達は走っていた。
金剛は彼女の家とかも知ってるからこの辺を来る事が分かるんだろう。
彼が先頭を走って、それに俺達は付いて行った。
だが、急に彼は立ち止まった。
俺はぶつかりそうになって焦って止まる。
「どうしたんだよ?」
そう言って俺は前を見た。
すると、そこには頭の無い死体があった。
体の感じから女の子であることも分かった。
だが、彼はもう気付いていた。
「杏奈…!!」
体だけでも彼女だという事を判断出来ていた。
彼はそう言ってその死体に近付くに片膝をついて座った。
俺と風音さんはその場に立ち竦んでいた。
彼は、少し経った瞬間、涙を流し始めた。
「嘘だろ…」
そう言って少し下を向いた後、「うわぁぁぁぁ!!」と泣き叫んだ。
あの死体は本当に黒山さんだったんだ…
俺はその時、彼に話しかけてはいけないと思った。
何故なら俺が涼を失った時もあの気持ちだったからだ。
変な慰めを貰うと、余計怒りが増してしまう。
そう知っていたから話し掛けるのはいけないと思った。
それを察したのか風音さんも声は掛けなかった。
だが、彼は怒りを地面にぶつけだした。
何度も彼は地面を殴る。
俺はこのままじゃ彼の手が危ない。
そう思い、すぐに近寄って彼の手を止めた。
すると案の定、彼の怒りはこちらに向いた。
もう片方の手で俺に光を飛ばしてきた。
予想が出来ていたその攻撃は容易く炎で受け止められた。
彼は光を出した時に、危ない事をしたと気付いたんだろう。
二発目を飛ばしてくることはなかった。
「お前が今する事は地面を殴る事じゃないだろ?」
俺はそう言った。
俺が止めていた彼の手には力が入っていたが、そう言った瞬間、彼の手からは力が消えた。
それを感じて手を離すと、彼の手は重力に従って下がった。
俺が少し距離を空けると彼は彼女に話し掛けていた。
「杏奈、仇は絶対取るからな…」
そう言って彼女の手を握っていた。
そして彼は立ち上がろうとした時、「ん?」と言って、何かに気付いたようだった。
恐らくそれはポケットから落ちたであろう包装されている箱だった。
彼はそれをおもむろに開ける。
中に入っていたのは金のブレスレットだった。
それを見た瞬間彼は涙を流しながらも笑っていた。
「ふっ…お前も同じ事考えてたのかよ…」
そう言って彼はそのブレスレットを右手首に付ける。
彼は最初から左手首に一つ金のブレスレットが付けていた。
その後、彼は自分のポケットから箱を取り出し、開けて中身を出す。
中身は黒のブレスレットだった。
それを彼女の左手首に付ける。
「似合ってるな…」そう彼は呟いて立ち上がると、空になった箱をグシャっと握りつぶして、投げ捨てた。
彼の顔はさっきまでの泣きっ面でもしかめっ面でも無く、何かを決意した顔だった。
「あいつらをまずは殺す、平和にするのはそれからだ」
そう彼は行って歩き出した。
俺は彼のその復讐心に同情出来るから何も言わなかった。
それに犯人は間違いなくキラーズとかいうあのグループで間違いない。
俺が降伏しなかった為に起きた出来事だ。
俺も彼に協力する義務がある。
俺は黙って彼に付いて行く事にした。
ここからは戦闘がメインになっていきます…




