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第30話 邪教の村その5

 扉を開けると中は薄暗い。まあ猫目があるから俺にしてみれば暗闇も明かりの下も同じ。


 そのまま梯子をおりていくとブンという棒のようなもの空気を切る音が聞こえた。その瞬間、ドーーン!! という音とともに俺の身体は剥き出しの岩肌に激突をする。


 並の人間であれば死んでいる。だが俺の頑丈Sこれしきのことでダメージなど……そう思ったが予想以上にその攻撃は激しかったようで、俺の身体ですら少なからずのダメージがあり、身体が動かない。


 視線の先には3メートルばかりある小山のような体つきの人型のなにかが立っている。


 その顔に目は一つだけ。そうサイクロプスが俺の身体に一撃を食らわせたのだ。さすがに頑丈Sでも梯子をおりてるときの不意打ちを食らうとキツい。


「オオオオオオ!!」

 勝ったとばかりにサイクロプスは雄叫びを上げ、手に持っている大きな丸太のような棍棒を振り上げ襲いかかってくる。


 サイクロプスの視線の先にいる俺はその雄叫びに恐怖をする……訳がない。


 サイクロプスが振り上げた棍棒を振り下ろす。俺はその棍棒の一撃をまともに食らったはずだったのだが……


「オオオオオオオオ!!!」

 と勝ち誇ったようにサイクロプスが雄叫びを上げる。


「残念、本物の俺はここにいるんだよなぁ……」

 サイクロプスの背後から無傷の俺が話しかけ、サイクロプスが振り返る前に「火属性パンチ!」そう言ってサイクロプスの背中を殴るとサイクロプスの身体は一気に燃え上がり、そのまま仰向けに倒れる。


「半透明かどうか確認してから攻撃しないと駄目だよー。あれは分身なんだからぁ」


 扉を開けて地下に入る前に俺の第6感が囁いたんだよなぁ……危ないって。おかげでノーダメでサイクロプスを倒すことができましたと。


 まあ、分身使わなくて俺なら余裕で勝てるんだけどね。痛いの嫌だし。


「お、お前は……毒ガエルで死んだはずでは……サ、サイクロプスは……」

 昨日村長と一緒にいたもう一人の男がその場に現れ慌てふためている。


「サ、サイクロプスが……し、しさいさまーーー!!」

 そう言ってその男は奥に走っていく。



 そのまま男の後を追って歩いて行くと石で作られた祭壇のようなものがある。その脇には手足を縛られ項垂れるアレジオの姿があった。


 村長が俺に話しかけてくる。

「毒ガエルの毒で死なず、サイクロプスを一人で倒せる人間がいるとは……おぬし何者じゃ……」


「俺は騎士団員、見習いだ! そしてそこにいるアレジオさんが俺の教育係!!」


「ふん。ただの見習いがそのような芸当できるわけなかろう……まあいい。儂はガシャデールの三司祭が一人、ミザール・フォン・ガシャデール! おぬしらはここで死ぬ!」


 俺は村長の話し半分にアレジオに話しかける。


「アレジオさん! こいつら邪教徒なんですよ!! 邪教徒!! 俺はちゃんと報告しましたから叩き斬ってください!」


 俺がそう言うと目を腫らした状態で顔を上げ俺の方を見るアレジオそして一言「ウェブ……」と言う。


「アレジオさん! 俺、報告しましたよ! 昨日、言いましたよね? 邪教徒を見つけ次第報告! 全員叩き斬るから俺は手を出すなって」


「……」

 アレジオは何も言わずにぼーっとしている。


「何、ぼーっとしてるんですか! あ……でもさっき、俺の兄は騎士団の参謀だ、お前らの罪を帳消しにするのは容易いみたいなこといってませんでした? おかしいなぁ……それならこの人達が邪教徒って知ってるんじゃ……」


 村長が呆れた感じで話しかけてくる。

「おぬしらは何をやっておるのじゃ……」


「アレジオさんが今からお前らを叩き斬るからみとけよ! 俺はアレジオさんの活躍をここで傍観してみんなにふれまわるという役割が与えられているんだ!!」


 そして俺はまたアレジオに話しかける。


「そっか! 不意を付かれて手足を縛られてる状態じゃ剣も使えませんね。うっかりしてました……こんなんだからいつもアレジオさんに叱られるんですね! さっきのはあれですね交渉して油断させておいて叩き斬るつもりだったんですね! さすがアレジオさん! 頭が切れるなぁ!!」


「……」


「本当にすいません。今から手足の縄をときますからね!」


 俺がそう言ってアレジオに近づこうとすると、村長が叫ぶ。


「それはガシャデール様の供物じゃ!!」

 そして村長の目から光線のようなものが飛び出し俺の身体を貫く。


「儂の魔眼はお主の心臓を貫いた」

 村長は決め台詞のようにそう言った。


「残念……これはあらゆる物を遮る絶対防御の盾。ちなみに★は5つ」

 俺の左腕に現れた盾を村長に見せながらそう言った。




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