第x話:「国際連盟がない!」
これは、第4話「見えざる改変」の別エピソードです。
第4話:「国際連盟がない!」
第1章:歴史のズレ(起)
舞台:1968年 アリゾナ州・タイムトンネル基地
歴史を修正し、サラエボ事件とロシア革命を本来の流れに戻したトニーとダグ。しかし、基地の記録装置と外部の歴史情報を比較すると、微妙なズレが依然として残っていることが判明する。
カーク所長「ペンタゴンやワシントンとの通信は復旧したが、何かがおかしい…」科学者「基地の歴史計算機のデータと、外部の歴史データに食い違いが見られます。微妙ですが、確実に違う歴史が形成されています。」
トニーは新聞を広げながら、不可解な記事を見つける。
トニー「待て…これだ。『1919年、ウィルソン大統領が国際連盟の設立を断念』?」ダグ「俺たちの知る歴史では、ウィルソンは国際連盟の創設を強く推進していたはずだ。」
カーク「ということは、まだ改変の影響が残っている…?」
突如としてタイムトンネルのエネルギーフィールドが暴走し、基地全体が揺れ始める!
オペレーター「警告! 時空連続体に未知の干渉が発生!」科学者「何かが歴史をさらに歪めている!」
トニーとダグは、歴史の修正を完全なものにするため、1920年のアメリカへ向かうことを決意する。
第2章:消えた国際連盟(承)
舞台:1920年 ワシントンD.C.
タイムトンネルを通じて1920年に到着したトニーとダグ。彼らはアメリカ政府内で、国際連盟に対する反対運動が異常に強まっていることに気づく。
ダグ「何かがおかしい…議会が国際連盟の設立を完全に拒否している。」トニー「誰かがウィルソンの決意を変えさせたのか?」
二人は、ウィルソン大統領の側近と接触を試みる。そこで驚愕の事実を知る。
側近「ウィルソン大統領は1年前、ある謎の人物と密会した後、国際連盟への情熱を急に失ったのです。」ダグ「その人物とは?」側近「正体は不明ですが、非常に知識のある男だったと聞いています。」
トニーとダグは、その謎の人物が未来からの改変者である可能性を疑い、追跡を開始する。
第3章:未来からの訪問者(転)
舞台:1920年 ワシントンD.C. 秘密の集会
情報をたどり、二人はある秘密の会合に潜入する。そこでは、未来の技術を知る不審な人物が影響力のある政治家たちと密談を交わしていた。
改変者「国際連盟は無意味な組織だ。アメリカが関与するべきではない。」
トニーとダグは、その男を見て驚く。彼は未来の時間戦争で暗躍していた勢力の一員だった。
トニー「やはり未来からの干渉者か!」
彼らは会合を記録し、ウィルソン大統領に真実を伝えようとするが、改変者に気づかれてしまう。
改変者「歴史を元に戻すつもりか? ならば、お前たちはここで消えてもらう!」
激しい追跡劇が始まり、トニーとダグはウィルソンの元へと急ぐ。
第4章:歴史の復元(結)
舞台:1920年 ホワイトハウス
トニーとダグは、改変者たちに追われながらも、ウィルソン大統領に直接会うことに成功する。
ダグ「大統領! あなたは騙されています!」トニー「あなたが会った人物は未来から来た者で、歴史を改変しようとしています!」
ウィルソンは困惑しながらも、彼らの証拠に耳を傾ける。改変者が彼に吹き込んだ偽情報を知ると、大統領は再び国際連盟の推進を決意する。
ウィルソン「私は…何かに取り憑かれていたのかもしれない。だが、今なら分かる。世界の平和のために、国際連盟を支持しなければならない!」
その瞬間、タイムトンネル基地のエネルギーフィールドが安定し、歴史の流れが正常に戻る。
カーク(無線)「トニー、ダグ、歴史計算機のデータが修正された! これで本来の歴史に戻ったはずだ!」
改変者たちは撤退し、トニーとダグは任務を果たして1968年へ帰還する。
エピローグ:新たなる異変
舞台:1968年 タイムトンネル基地
通信システムは完全に復旧し、歴史記録も本来の形に戻った。しかし、科学者たちは新たな異変を発見する。
科学者「奇妙です…すべてが修正されたはずなのに、未来の記録が曖昧になっている部分があります。」カーク「何かがまだ起こっている…?」
その時、タイムトンネルのコンソールが警告を発する。
警告メッセージ「異常検知:20世紀後半に未知の改変の兆候」
トニーとダグは顔を見合わせる。
トニー「これは…新たな改変が始まっているのか?」ダグ「俺たちはまた、歴史の渦に飛び込むことになりそうだな…。」
(次回へ続く)